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ガス入門第一号 〜可視化と手間のよろこび
使い捨ての、いわゆる100円ライターを使うことをやめることにし、ちゃんとしたガスライターを使うことにしたことは数日前の日記で綴った。
細かいことは上記日記をご参照いただきたいが、国産の老舗「プリンス」というブランドのレトロフューチャーなデザインのその名も『ドルフィン』というモデルを入手して、使えばつかうほど素晴らしさを実感する三段逆スライド方式(©︎ハトヤホテル)で、すっかりご満悦だ。
それでもって先の日記にも記載しているがこの「ドルフィンちゃん」は、かの〝ザク〟あるいは〝小型レギオン〟を思わせるモノ・アイ(単眼)でガスの残量が判る仕組み——プリンスの世界初の発明らしい——になっており、いわゆるガス欠になるとそこが白くなると聞き及んでいた。
で、こちとらヘビースモーカーということもあり、購入してから一週間も経たずして早速そこが白くなってきたと思いきや着火が悪くなった。
その状態がこちら。
確かに、白い。
というわけで早速、同時に購入しておいたガスを注入。
見事にまた、目玉が「赤」に戻り、着火も良くなった。
いやー、なんか素晴らしいなと。
いろんなことを言い出すとキリがないが、この〝見える〟こととガス注入の〝手間〟というのが、
「今現在の俺」
に、ピッタリしているんだよな。
若い時分から、もちろん100円ライターばかりではなくジッポーなども使ってきた。
が、たとえばジッポーのユーザーさんはお解りいただけると思うが、ガス欠(ジッポーで言えばオイル欠)やフリント(火打石)の摩耗などが分かりづらく、切ない思いを何度もしてきた。
いざという時に点かないというアレ。
だがこのドルフィンちゃんは少なくともガスの残量については、ちゃんと可視化をしてくれる。
別に俺はニッポンマンセーな人間ではないがこういうトコは流石だなあと、あらためて感心する。
いみじくも女房が言ったのだけれども、「眼が白くなってきたらガスをカバンに入れればいいんだもんね」と。まったくだ。
あとはまた、自身でガスを注入してまたアイテムが〝甦る〟ということ。
これは使い捨てのモノでは得られない——心も含めた——体感であろうと。
一つ前のポストでも綴ったように、20世紀末から21世紀のここまで——ことに2010年代——は、何かを急ぎ過ぎてきたような気がするのだな。
最近、とみにそうしたことと自分との振り返りと考察が多い。
まだまだいろいろとたいへんなご時世が続くが、たかがライター一つとってもそうしたことに思いを馳せることが出来る自分ともちろん女房そして浪漫社のご常連様含む良識ある仲間たちを感じられるということだけでも、パンドラの筐に最後に残ったという、
「希望」
は信じられると思う次第だ。