茅ヶ崎に目を向けて 〜浪漫社慰安旅行 Part2
過ぐる2月11日(木)から同13日(土)かけて行われた我らが『浪漫社』の慰安旅行。
その、遅まきながらの連作日記第2弾。
……この続きをお届けしやうとぞ思ふ。
*
二泊三日の二拍目を箱根にすることがまず決まり、では一泊目はどうするかという際に、真っ先に挙がったのが「横浜」だった。
文末に貼っておくが浪漫社のYouTube Liveでも「DEEP横浜」というシリーズを全3回、のべ3時間に渡ってお届けしたほどにふたりとも横浜、ことに「野毛」を中心とした下町エリアが大好きで、ひさびさに飲み歩こうかと。
が、すぐに何を言ってるんだ俺たちは!!……と我に返る。
自分ら同様、営業時間短縮要請を受けている横浜もほとんどの店が20時には閉店となるに違いない。ことに野毛周辺にとっては20時なんて早朝みたいなもので、これは残念ながら断念せざるを得ない。
さてそれじゃあどうするかと箱根からほど近い観光地がいくつか候補にあがったのだが、何処《いずこ》も事情は同じだろうと。
侃々諤々喧々囂々すること約5分。
「この際、『茅ヶ崎館』に泊まるのはどうだろう」
という俺の提案にママ(女房)も「それだ!!」となり、大騒ぎしたわりにはすんなりと、一泊目は茅ヶ崎ということになった。
ここで「なぜ真冬に茅ヶ崎?」と訝《いぶか》しむ声も多いと思う。
言うまでもなく茅ヶ崎といえばサザンオールスターズ(就中、桑田佳祐)、加山雄三、あるいはブレッド&バターといった、イメージとしてもまた観光シーズンとしても「夏」というのが一般的だ。
だが今回に関しては、この『茅ヶ崎館』というのがミソ。
我らのようなさほど裕福でもない一般ピーポーもフツーに泊まれる旅館ながら、明治時代からの建物は国の有形文化財に指定されており、古《いにしえ》より文化人、分けても映画人ことに小津安二郎が愛し重用したことで知られている。
『茅ヶ崎館』は素泊まりも可能だが、20時閉店は茅ヶ崎の飲食店も同じだろう。だったらこの伝説の旅館で ゆっくりと夕餉をいただきながら過ごそうじゃないかというのが、つまりはオフシーズンにあえて茅ヶ崎を選んだ理由の〝一つ〟。
(もう一つの理由がまたあるのだが、それはまた次回以降にて)
……というわけでなかなか〝とば口〟から脱せられず本論たる旅行記が後回しになっているが、今宵はこれにてお時間でござりまする。
まだまだ続く珍道中記。次回以降に乞うご期待といったところだが、この茅ヶ崎館での風呂上がりにロビーに煙草を吸いに行ったら俺が死ぬほど好きなフランク・シナトラの『夜のストレンジャー(Strangers in the Night)』がかかっており、夕餉のあとにまた一服しに行ったら今度はフランク&ナンシーのシナトラ父娘の『恋のひとこと(Somethin' Stupid)』がかかっていて、
「これぞ、至福……」
と感激したことだけはここで紹介しておきたい。
『茅ヶ崎館』ロビー
小津安二郎監督や新藤兼人監督、そして田中絹代さんや笠智衆さんなどもここでくつろいでいたのかと思うと感慨もひとしお
ましてシナトラなんぞかかってた日にゃもう……
【参考】
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