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プロミネンスマガジンとBookToker

「創作集団プロミネンス」。児童書を書く作家・画家等の集まる職能団体。その歴史は古く、前身の「少年文芸作家クラブ」は1968年の創立。福島正実先生を始め錚々たる顔ぶれが並び、2019年にお亡くなりになった眉村卓先生もメンバーでした。岩崎書店と共催で『福島正実記念SF童話賞』と『ジュニア冒険小説大賞』を開催しています。

なので、その賞を取ると入りませんか? とお誘いが来て、それで僕が末席に座らせていただいているというわけです。

そこでの僕のお仕事は公式HPの更新原稿を作る係。毎月、会員の皆さんの新刊情報を取りまとめておりました。

それをこのたび、noteの方に移そうということになり、創作集団プロミネンスマガジンを作りました。今月の新刊のお知らせは、さっそくそちらの方で更新しています。

そして、関連しているなあと思ったのがここからで、本日のテーマ。

この記事を読んだのです。「コスパよく暇を潰したくて、大学生で初めてSNSを…」 “就活で大失敗”した元野球少年がTikTok690万再生のクリエイターになったワケ けんご@小説紹介さんインタビュー#1 文春オンライン21/9/2

前後編の記事。TikTokで本の紹介動画を流している、けんごさん。その紹介がバズって購買につながり、本に重版がかかる事態が続出しているとのこと。

印象深かったのが、紹介するターゲットの設定です。本をあまり読まない詳しくない人に伝わるように考えているそうです。プラットフォーム選びもその結果。

小説が苦手な人や、普段小説を読まない人に見てほしかったので、中高生の視聴者が多いTikTokを選びました。それに、YouTubeはサムネイル画像をクリックしないと動画が見られないので、もともと小説が好きな人や紹介した作品が好きな人にしか見てもらえないんじゃないかと思ったんです。TikTokならおすすめ機能で勝手に動画が流れてくるので、小説に関心がない人にも届くし、そこで「面白い」と思ってフォローしてもらえれば、より多くの人に見てもらえるのではないかと思いました。

そして、それが成功している。うまくその作品の面白さを紹介できれば、興味を持ってくれる人がたくさんいる。それは普段から本を読んでいる本好きの人だけとは限らず、その外側にもまだまだいる。そういうことを示していて、勇気づけられるお話ですね。

ただ本当は、こういう本の面白さを伝え購入まで引っ張ってくるという部分は、出版社や本屋のような既存のプレイヤーができなきゃいけなかったことなのではないかと思います。書店が日本津々浦々、小さな町にもちゃんとあり、そこに並べておけば読者と出会えるという、現在崩れてきている昔のシステムから脱却するには、こういう取り組みが必要です。

これがこの間の記事で書いたことですね。読者を集めるのもお仕事のうち。書店員さんでやっている例は、以前HON.jp News Castingの感想で取り上げました。古書店が発信するYouTube。BookTokerで検索すると他にもやってる方が引っかかるので、こういうことがどんどん広まるといいなと思います。

さて、さらにこの間の記事では、この読者を集めてくるという部分は、これからの作家にとっても重要だということも書きました。フォロワー3万人という具体的な数字が重い。

そういう部分で、プロミネンスのマガジンは何かできるのではないかなと期待しているのです。とりあえずの一歩。どう育っていくでしょう。

(ブログ『かってに応援団』より再録)

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