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十一 交換可能の部品 外は嵐。夜半過ぎ。 表の荒れくるう闇とは対照的に、その部屋は明るい光に満たされていた。 単に輝度の高い照明が点いているだけではない。白い壁、白い天井、そして並ぶ機器類も白い外装をしており、ことさら明るい印象を強めている。 そこに白衣を着た男がいた。そこら中で光るモニターをのぞきこんでいる。その男がおどろいたようにつぶやいた。 「九十六号が仕留めそこなったって?」 ここは暁里(シャオリ)生物科技本社検査室。そこで様々な機器に取り囲まれるようにして