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五 幸せというのか カーテンごしの朝の光が、やんわりと目覚めをうながした。 リンスゥはうっすらまぶたを開ける。 見慣れぬ天井、見慣れぬ壁、見慣れぬ品々、見慣れぬ部屋。 そうだ、新しい住まいだ。 その認識が、じんわりと意識の表層に浮かび上がってきた。 ゆっくり寝返りを打ち、自分のわきのまっさらなシーツを、そっとさする。その下の布団のやわらかな感触。リンスゥの身体を優しく受け止めている。おかげで深い快適な眠りを得ることができた。 ぐっすりと寝た。 ここ何日か