初めて髪の毛に赤色を入れてみたよ~今年50歳だけどね~
ねーねー髪の毛に深い赤のメッシュ、一筋だけ入れたいんだけど、良いかなあ?
と夫に聞いたのは、夫の職場の人にバッタリ会う機会が割とあるからだ。
50になろうとする私が、いきなり髪の毛を赤くしたら、周りの、特に同世代の方たちにギョッとされるかもしれない。
普段の夫は、私が自分の髪の毛をどうしようが、ダメなんて言わない。ショートカットが好きな夫だけど、まだ付き合いの浅い頃に私が長い髪を「どうしよう」と言うと「僕がどう思うかなんか良いんだよ。かせみどんの髪型は、自分で決めた自分の好きな髪型にして」と言ってくれていた。だから気分次第で伸ばしたり切ったり。今は短い方が楽なので短くなってきた。
相談してみたその25年ほど前から好き放題にしてきたけど、今回は初めて色を入れるので念のため確認してみた。
あと基本的に、私はカットに行く時は先に「今日、カット行くんだ~」と夫に報告する。
夫が帰宅して「髪切ったのに気づかれない」とか思うのが面倒だからだ。
すぐに気が付かれない時は、早々に目の前で髪の毛を、ぼる塾の田辺さんみたいに「まーねー」ってやる。「まーねー」とは言わないけど。今や髪も長くないけど。それでも気づくまで「まーねー」ってやり続ける。
挙動不審な私を見て夫が「そう言えば今朝、カットに行くって言ってた」と気づく。
「あっ。髪切った?」
タモリのように言った後、必ず「似合ってるよ」とセットで。むふふ。
でも見てなくたって言うのだ。
見てなくたって?
そう。
見てなくたって。
そうまでして言われたいのか。
そう。
そうまでして。
言われたい。
「似合ってる」って言われないと、「どう? どう?? 可愛い? 似合ってる?」と聞き続けるから、夫は「うるさいなあ」と思わないうちにさっさと「似合ってるよ」と言ってくれるようだ。
車で迎えに行って、夜道を前向いたまま運転するから、ほとんど見えていないのに、言ってもらうのだ。私が満足すれば良いでしょとばかりに言ってくれる夫の気持ちに笑ってしまう。イッヒッヒ。私もそれで満足なのさ。互いに可愛いではないか。
髪の中に白い物がチラホラと見え始めたのはいつの頃からだろう。父方の家系に髪質は似ているから、白髪は遅いだろうと思っていた。
でもびんの辺りとか、側頭部の髪の毛をめくると、わあーーっとたくさん出てくるようになった。10年も前ではないけど、美容師さんに相談したら「えー気にならないのに……ウーン……じゃあヘアマニキュアはどうですか?」って聞かれた。
染める時って髪の毛を削るらしく、ヘアマニキュアだと、ただ色をコーティングするだけだから髪の毛が傷まないのだと言う。一ヵ月くらいでとれちゃうけど、私程度の白髪なら別に問題ないんじゃない? と言われ、費用も染めるより安いからと勧められた。
その頃から白髪は増えてきたけど、マニキュアのまま。髪の毛の健康を考えると、できるだけ染めたくなくて。
でも昨年辺り、水色や明るいグリーンのメッシュ入れた若い人をよく見かけた。いつも行く美容室の、一番若い美容師さんもそんな色にしていて。実際に目にすると、「髪の色、キレイですね~」って、言わずにおれないくらいキレイに見えた。
30年以上も前の話、髪を染めるなんて、素行の良くない人とか、そうじゃなければ芸術家肌のとんがった人とかくらいだったよな。
20歳頃になると、茶髪だの金髪だの染める人はいたけど、関西ではあまり見られなくて、特に私の周りにはまったくいなかった。私は当時流行ったソバージュを一時期楽しんだけど、すぐに髪が傷んで、傷んだが故にその箇所が金髪になってしまい、ショックを受けた。
もともと髪の色は、真っ黒よりは少し赤茶色い。傷んだ髪のせいで、アルバイトの面接で「髪は黒に戻しておいて下さいね」と言われ。キレイな黒髪に憧れたものだった。
なので最初の頃、ヘアマニキュアは、憧れの黒にしてもらった。
のに。
「あれ?」と違和感を抱いた。
いつからか、私は自分の髪の色が好きだったみたいだ。
希望を伝えて、もう少しこんな風にと注文していくうちに、何度目かには元の自分の髪の色にすっかり近くなっていた。
段々白髪が増えてきたら、私のことだから面倒くさくなってマニキュアもしなくなるだろう。人のを見ていると、染めるのは「若々しくて良いもんだな」と思うし、染めないのは「銀髪も白髪もキレイ。生き方が表れているみたいで良いもんだな」と思う。
今後どうするにしても、今はまだ全体的に白髪が少ないから、茶色っぽい黒がまだ多くあるうちに、ボルドー色を入れるとキレイかも。と試してみた。
結局、「赤……い? ……かな?」くらいのわからなさ加減。耳にかけるとほとんどわからない。
今年50歳になる私が、初めて髪の毛に色を入れて。こんなにもささやかで目立たないとは思わなかったけど。
どんな気分だと思いますか?
なんだかめっちゃ良い気分なのよ。
何なんだろうこのふわふわ、ちょっとだけ浮き立つ気分。少し思いきれた自分が嬉しいのかな。この歳だからこそ楽しめたのかもしれない。
髪の毛を大切にしながら、今後もまだまだ自分の好きなカットや色に挑戦していきたいな。なんて今日も鏡をのぞきこみ、むふふと少しゴキゲンになる。
あっ。夫がどう思っているかは知らない。
「お。良いじゃない良いじゃない」とは言っていた。それは髪がとかより、その心意気が。って風に。
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。