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お笑い、テレビ番組、漫画、本、ゲームなどの感想、紹介

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映画や音楽以外で、好きなものの「感想」がちょこちょこたまってきたので、まとめました
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#絵本

繊細とユーモアが共存していて楽しかった「ヨシタケシンスケ展かもしれない」

 当時息子が10代に入っていた。もしかしたら中学生になっていたかもしれない。ヨシタケシンスケの「りんごかもしれない」を夫が買ってきた。  三人で回し読み。もちろんあっという間に読み終えるのだけど、面白いから何周も。  それから他の絵本も何冊か買って、ヨシタケシンスケワールドの魅力を知る。  絵で人の動きの柔らかさが表れているのが、とても可愛いのに、内容はなかなか哲学的。大人も子供も「うーん」と考えてみたり、ヨシタケシンスケの発想に笑ってみたりする。その考えている内容が絵の可

絵本で、小さな発見を積み重ねているのかもしれないな~「どろんこハリー」/「HARRY the Dirty Dog」~

 大好きだった絵本ならたくさんある。  今も大切に持っているものが数多く。大好きだったのに手放してしまい、大人になって買い直したものもある。息子に楽しんでほしくて買ったものの、息子はそれほどでもなく、結果的に私が楽しむためだけになったものも。  そんな風に改めて買うと、それはそれでその後手放せず本棚に並んでいる。  多くの絵本は大人になると内容を忘れていて、読み直すと「こんな場面あったなあ」と思い出したり、どこに心動いたかよくわからず「ここが気に入っていたのかな」と想像して

子供のころから寂しさや不安てある~「ふくろうくん」から可愛いユーモアを感じて~

 「がまくんとかえるくん」で知られているアーノルド・ローベル展に行ってから、なつかしい絵本を引っ張り出してきた。   45年ほど手ばなせない絵本の中に「OWL AT HOME(ふくろうくん)」がある。  気に入った絵本は引っ越しの度に持ってきたので、残っているってつまり好きだったのだろう。実は「格別気に入っていた!」の気持ちは覚えていたものの、内容を覚えていなかった。色合いの暗さからも、息子に改めて日本語版を買って読むことはなかった。  今回、展覧会に行くと「ふくろうく

「がまくんとかえるくん」の絵本作家アーノルド・ローベルの人柄も感じた

 アーノルド・ローベルの絵本と出会ったのは6~7歳頃。  「がまくんとかえるくん」「ルシールはうま」「きりぎりすくん」「ふくろうくん」を何度も読んだ。  中でも「がまくんとかえるくん」の2冊と「ふくろうくん」はお気に入りでどうしても手放せないまま。  大学で英米児童文学を専攻した時、先生がアーノルド・ローベルの作品を紹介していて「有名なんだ!」と驚いた。ニュージャージーで読んだ本が当たり前に和訳されていて、そんな風にみんなが知っているなんて。  卒論は別の作家について書いた

このシーズンに読んで楽しい絵本

 英米児童文学を勉強していた20歳の頃。灰谷健次郎さんと呑みに行ったことも何度かあった先生は、当時まだ40歳くらいで、中学生の息子さんがいらした。  もっと自由にもっと好きな物事を追求し、もっと考えなさいと伝え続けてくれた。絵本や本をたくさん紹介してくれて、でも結論や解釈は決して話さない。「こんな風に書いてますね」「ここにもこういう記述があります」とだけ言って、さあどうですかといった風に、皆を見回してニヤリとする。  親しい友人でもない限り、どんなに近づいても礼儀やマナー

おススメの大好きな絵本たち

 たくさんの絵本を目の前にして、どれを友人に勧めようか迷う。私の好きだった絵本。大学の時に勉強した絵本。息子が好きだった絵本。  教養だけで言えば、「マザーグース」は一度読んでおくと、映画やドラマにそのフレーズが出てきたり、パロディになった商品があったりして文化を知れるので面白い。  このマザーグースは、色合いや図柄が好きで、本屋で一目惚れして決めた。  以前、載せたアーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズはもちろん、彼の「こぶたくん」シリーズも可愛い。息

お気に入りの絵本を手放せない

 子供の頃の絵本て、皆さんは取っているのだろうか。  どうしても手放せない何冊かを、少し置いてある。ヘッダーの絵本は、もう45年ほど前の物。    大学の、英米児童文学の授業でアーノルド・ローベルを紹介された時、「へー! 児童文学界では有名なんだ!」と思ったけど、それどころじゃない、けっこうみんな知っていたとわかった。  「がまくんとかえるくん」は特に有名。  友人関係のようで、兄弟のような、父と息子のような関係の日常が描かれている。夫もこの絵本大好き。ぬいぐるみも好きな