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ダイナミスト解体新書 目指せ一流ダイナミスター(上級編)
はじめに
皆さんこんにちは。
川雨(かわさめ)と申します。
この記事は「ダイナミスト解体新書 目指せ一流ダイナミスター(中級編)」の続編となっています。
まだ読まれていない方は先にそちらを読まれることをお勧めします。
今回の記事では、環境と戦えるダイナミストについての私の考え、展開例やサイドカードについて解説していきます。
環境と戦えるダイナミスト
ダイナミストの構築は一部を除き2つのカテゴリに分けられます。
①展開型
②メタビート型
ここでは、それぞれの構築とメリット・デメリットについて解説します。
①展開型
展開型は個人的に1番環境で戦える可能性を秘めたデッキだと感じています。
1枚初動こそ存在しませんが、先攻で展開を通せた時の制圧力は並大抵の環境デッキのそれを凌駕します。
誘発を受けた場合でも、手札次第では最低限の妨害を残せるのも魅力の1つです。
また、後攻でも機械族の強みを活かしたゲニウスやペンデュラムデッキの手数でワンチャンを狙いに行けます。
今回のnoteでは、主にこの型に焦点を当てて解説を行います。
・4つの妨害の柱
構築についてですが、採用すべき妨害はP召喚前に二ビルをケアするためのアポロウーサなどを除き、単発妨害よりも永続的な妨害を優先すべきであると考えています。
私が採用しているカードでそれに該当するのは
・No.41 泥酔魔獣バグースカ
・無孔砲塔-ディセイブラスター
・No76 パラダイスマッシャー
・魔法使いの里
の4枚です。
No.41 泥酔魔獣バグースカ
一番用意しやすい妨害で、誘発を受けた際の止まり所でもあります。永続効果以外のモンスターを封殺するのは勿論、守備表示を強制するためET・EDにめっぽう強く、他の妨害札を戦闘での突破から防いだり、アーゼウスでの全体除去を未然に防いだりなど1枚で数え切れない程の仕事をしてくれます。
私の構築はこのカードを主軸に据えており、このカードと妨害が両立できないインフィニティやステルスクラーゲンの評価が相対的に下がっているのが現状となります。
リンク召喚が主体のデッキには刺さりが悪い場合があるのは注意が必要です。
無孔砲塔-ディセイブラスター
初動兼妨害札になる1枚です。
マジェスティPの着地時効果でエンドフェイズに手札に加え、相手ターンに奇跡の魔導剣士の効果で特殊召喚します。
メインフェイズであれば相手の効果の発動にチェーンして同じ縦列に特殊召喚することにより擬似的な万能無効と化します。
更に、バグースカではケアしきれないリンクモンスターの効果をエクストラモンスターゾーンの縦列に特殊召喚することで無力化することができます。
後述するパラダイススマッシャーの素材にも適しており、取り除いたエクシーズ素材を墓地から出す動きが強力です。
No.67 パラダイスマッシャー
V.F.Dを彷彿とさせる強力な残存効果を持ちますが、エクシーズ素材が2枚の場合で効果を発動すれば、50%で自分にその効果が適用されてしまうかなり癖のあるカードでした。
しかし、展開に咎姫を絡めることにより、同名Pモンスターを手札とエクストラで3枚そろえることが可能となり、手札消費最低2枚から3素材で召喚することができるようになりました。
3素材で効果を使うと90%以上の確率で相手を封殺することができ、一度効果が通ると他の妨害とは違い、無限泡影や除去札でも解決ができなくなります。
効果適用期間は相手ターン終了時までなので、相手ターンにも展開が可能なデッキに対して、返しのターンには注意しましょう。
魔法使いの里
マジェスティPにより能動的なサーチが可能となり採用に至りました。
サンダーボルトやライトニングストームはもちろ ん、冥王結界波や禁じられた一滴、アルテミットスレイといったモンスター効果をチェーンできない捲り札も封殺できます。
このカードを盤面に添えることで、モンスター・ 魔法ともに機能停止させることができ、無限泡影や拮抗勝負以外での突破を不可能にします。
バグースカorパラダイスを目標に展開していき、余裕があればそこにディセイブラスターや里を追加するのが基本の展開となります。
・返しのターンのキルプラン
先攻で妨害を敷いて無事ターンが返ってきた場合、そのターン中にライフを取りきってしまうのがベストです。
私の構築ではフィニッシャーとしてヴァレルソードとアクセスコードを採用しています。
特にヴァレルソードを強く使えるのが長所の一つなので、積極的に出していきましょう。
ヴァレルソードドラゴン
2回攻撃で相手のライフを一気に刈り取る最強のフィニッシャーです。その効果で攻撃し終えたバグースカを守備表示に戻すことで妨害のかけ直しもでき、万が一ライフを削り切れなかった場合のケアも完璧です。特別理由が無ければ、なるべくこのカードでライフを取りにいくことをお勧めします。
アクセスコードトーカー
面を除去したうえでライフを削りたい場合はこちらを使用します。エクシードを素材にすることで、自然な流れで5300打点を出せるようになったのと、エレクトラム、ビヨンドと合わせて3枚分破壊効果が使えるようになったのが大きな強化点です。
・デメリット
この型の最大の弱点は特定の手札誘発への脆弱性です。クロウやわらし、深淵の獣といった墓地メタカードはほぼ刺さらず、うららは比較的致命傷にはなりにくいです が、エレクトラムに対する無限やヴェーラーはかなり重く受け、うさきに至っては通ったらまともな展開はほぼ不可能です。 また、ニビルは手札にダイナマイトPかイグニスPを抱えていない限り止めることはできません。 さらに、誘発の重ね引きをされているとかなり苦しく、無限+うららのような手札になると、エレクトラムを無限で止められた場合はビヨンドを出して貫通しに行くので、そこに撃たれるうららがマストカウンターになります。
誘発環境の現代遊戯王においてかなり致命的な弱点ではありますが、盤面の再現性が高く展開が通った時のリターンが大きいのと、後攻の際に盤面を捲ったうえで1killできる可能性を考えると他の型よりも優れていると感じます。
②メタビート型
![](https://assets.st-note.com/img/1714789453498-REGllpXcFh.jpg?width=1200)
手札誘発の影響を受けにくい所がメタビート型の一番の利点です。相手の手札誘発を腐らせることで実質的なハンデスを行いながら、置物で相手を縛りつつダイナミストの打点でビートダウンを行います。
通常のメタビートと比較して、毎ターンハウリングで1除去ができる所とライフカットの速さが特徴です。
展開型では採用していないラッシュとハウリングを一番強く使える型でもあります。
・置物の選択
メタビートでは環境にあわせて数種類の置物を採用する必要があります。体感では10枚前後入れると程よく手札に来てくれることが多いと感じます。
先攻で使って強力なカードが良いのは勿論、後攻でもデッキによっては仕事ができるカードがより優先度が高いです。
ここでは採用の選択肢となるカードをいくつか紹介します。
〈モンスター〉
豪雨の結界像
水属性以外のモンスターの特殊召喚を封じる効果を持ちます。環境に水属性のデッキが存在することは稀であり、どの環境でも一番刺さりやすいカードです。攻守がどちらも1000しか無いので、打たれ弱いのが玉に瑕ですが、モルガナイトかラッシュを使えばハウリングで攻撃を防ぎ続けることも可能です。
魔法罠ゾーンの圧迫が気になりますが、打点補助の為にクロックワークを採用するのも択に入るでしょう。
インスペクト・ボーダー
モンスター効果の発動をフィールドの儀式・シンクロ・X・P・リンクの数までに制限する効果を持ちます。こちらもどの環境でも刺さりやすいカードの1枚です。豪雨の結界像と違い、攻守2000と下級モンスターの中では高水準のステータスを持ち、先攻で召喚すると強欲で謙虚な壺や命削りの宝札に対してうららを撃たせないのが非常に強力です。また、後攻でも召喚すれば相手の手数を削れる点も優秀です。
ダイナミストとは機械族を共存しており、群雄割拠下でも共存ができるのは覚えておいて良いでしょう。
ライオウ
お互いにデッキからのサーチを不能にする永続効果と、相手モンスター1体の特殊召喚を無効にできる誘発即時効果があります。
ダイナミストチャージや強欲で謙虚な壺の発動ができなくなる点は注意が必要ですが、どのテーマに対しても広く刺さりやすい効果を持ちます。
打点も1900と申し分無く、自分の展開を邪魔しにくい点は結界像とボーダーと比べて優れています。
〈魔法〉
王家の眠る谷・ネクロバレー
墓地のカードへ及ぶ効果を無効化し、墓地のカードが除外できなくなるフィールド魔法です。
展開を墓地に依存するテーマに対し強力なメタとなり、咎姫やシラユキなどの墓地から動かす妨害札に対しては後手からでも仕事ができます。
ダイナミストは一切墓地を触らない為ほぼノーリスクで使用できる他、魔法罠ゾーンを圧迫しない点も非常に噛み合っており、気軽に採用しやすい1枚です。
カイザーコロシアム
相手がモンスターを並べられる数を自分フィールドのモンスターの数までに制限する効果を持ちます。
先攻で基本展開をしないメタビート型の戦い方とマッチしており、特にインスペクトボーダーと相性が良いです。
相手フィールドに既にモンスターが存在する場合でも、それ以上モンスターを追加することができなくなる為、炎王の様な相手ターンにモンスターが出てくるデッキに対しては後攻でも仕事ができます。
〈罠〉
群雄割拠・御前試合
フィールドに存在できるモンスターの属性、種族を1つにします。先攻で使って強いのは勿論ですが、注目すべき点は後攻での捲り性能です。最終的な盤面の属性、種族がバラバラになるデッキに対しては強力な除去として働きます。
後攻サイチェンではこれらのカードとカウンター罠を入れてワンチャンの捲りを狙うのも良いでしょう。
サモンリミッター
モンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚できる回数を2回に制限します。効果の性質上フェニックスやリトルナイトで除去されにくく、有利な長期戦に持ち込ませやすいです。P召喚は複数体召喚した場合でも1回の召喚としてカウントされる為、自分へのデメリットはあまり気になりません。
完全な先攻札で、既に展開されきっている場合は発動してもあまり意味が無いので、メインから採用するかは要検討です。
・デメリット
メタビート型の弱点は「後攻時の弱さ」「再現性の低さ」「盤面の脆弱さ」の三点です。「後攻時の弱さ」については言うまでもなく、 魔法・罠の妨害札に枠を割いている分手数が不足するため、妨害を掻い潜り盤面を切り崩すのは極めて困難だと言えるでしょう。
仮に先攻を取れたとしても油断はできません。モンスターと魔法・罠 の妨害札、ダイナミストをそれぞれバランス良く引き込む必要があり、展開札を全切りしている場合はダイナミストを多く引いてしまった際にできることがかなり少なくなります。
また、羽根帚やライトニングストーム、拮抗勝負といった捲り札をダイナミストだけのギミックでは防ぐことができないので、神の宣告などの汎用札頼りになってしまいます。
展開例
①パラダイスマッシャー展開
○要求値
P召喚せずにエレクトラムを作れる組み合わせのPモンスター×2+レベル5ダイナミスト(エレクの素材をチャージで回収したものでも可)
(例)ケラトプス+プテラン+カーテン
カーテンスケールにセット
カーテン効果で自身ss
プテランnsカーテンとプテランでエレクss
エレク効果アストロをエクストラに
ケラトプス①スケールにセット
エレク効果でケラトプス①破壊アストロ回収
アストロ効果で自身ssケラトプス②サーチエレク効果1ドロー
エレクとアストロで咎姫ss咎姫効果でエレクss
エレク効果で咎姫破壊アストロ回収
アストロ効果で自身ssケラトプス③サーチ
エレクとアストロでビヨンドssビヨンド効果でダイナマイトサーチ
ケラトプス③とダイナマイトをスケールにセット
プテランとケラトプス①,②ss
ダイナマイト効果でケラトプス③ss
ケラトプス①、②、③でパラダイスss
素材のケラトプス①、②を取り除いてパラダイス効果
ビヨンドとプテランでエクシードss
エクシード効果でプテラン回収
プテランをスケールにセット
エクシード効果でケラトプス①ss
パラダイスとケラトプス①でマスカレーナss
結果
上下スケール、エクシード、マスカレーナ、1ドロー(3素材パラダイス効果発動済み)
モンスターの攻撃と効果を封殺しつつ、相手ターンにエクシードでケラトプス②を蘇生することでマスカレーナとケラトプス②でリトルナイトを出すのが基本の動きです。
ケラトプス①と②はどちらもリンク素材になっていエクストラに戻っているので、返しのターンで再びP召喚ができます。
要求値が低めで、パラダイスの効果を適用した状態でターンを返すので、6枚目の無限が刺さりにくいのがメリットです。
②バグースカ+ディセイブラスター+里展開
○要求値
P召喚せずにエレクトラムを作れる組み合わせのPモンスター×2+マジェスティorイグニス
(例)ディセイブラスター+ベクターP+マジェスティP
ベクターnsディセイブラスター効果でss
ベクターとディセイブラスターでエレクss
エレク効果アストロをエクストラに
マジェスティ①スケールにセット
エレク効果でマジェスティ①破壊アストロ回収
アストロ効果で自身ssマジェスティ②サーチエレク効果1ドロー
エレクとアストロで咎姫ss咎姫効果でエレクss
エレク効果で咎姫破壊アストロ回収
アストロ効果で自身ssマジェスティ③サーチ
エレクとアストロでビヨンドss
ビヨンド効果でイグニス①サーチ
マジェスティ③とイグニス①をスケールにセット
ベクターとマジェスティ①,②ss
ビヨンドとマジェスティ①でエクシードss
エクシード効果でアストロ回収
マジェスティ③スケール効果でダイナマイト①サーチイグニス①破壊
アストロ効果で自身ssイグニス②サーチイグニス①効果でダイナマイト②ss
マジェスティ②とベクターでマジェスターssマジェスター効果でエンドフェイズサーチ効果適用
アストロとダイナマイト②でダイナスターssダイナマイト②効果でマジェスティ①回収
マジェスター効果で素材のマジェスティ②を取り除きイグニス①ss
ダイナスター効果でマジェスティ②ss
マジェスティ②効果で里サーチダイナマイト①コスト
イグニス②をスケールにセット
エクシード効果でダイナマイト①ssダイナマイト①とマジェスティ①でバグースカss
マジェスターとダイナスターでマスカレーナss
エンドフェイズにマジェスター効果処理ディセイブラスターをサーチ
結果
上下スケール、エクシード(相手ターンディセイブラスター)、マスカレーナ、イグニス破壊の咎姫、バグースカ、里、1ドロー
バグースカでモンスターを、里で魔法を止め、リンクでの盤面突破を相手ターンにディセイブラスターを出すことで防ぎます。
マジェスティかイグニスを引き込む必要はありますが、冥王結界波や一滴などの捲り札を通さない強固な盤面になります。
もし無限で何かしらのギミックが止められた場合は、マスカレーナと墓地の咎姫でリカバリーができます。
サイドプラン
サイドカードは基本的に環境に合わせた後攻札を優先して入れていきます。元々のメインデッキ40枚で先攻盤面は十分硬くできるからです。
ここでは例として展開型のサイドデッキの一部を紹介します。
先攻札
・閃刀機-イーグルブースター
無限泡影やエフェクトヴェーラー、幽鬼うさぎといったカードからマストカウンターのエレクトラムを守ります。
墓穴の指名者と比べて無限泡影もケアでき、抹殺の指名者と比べるとメインデッキに除外するカードを用意しなくて良いため事故率を下げられるメリットがあります。
後攻札
・ダイナレスラー・パンクラトプス
ペンデュラムの性質上突破が困難なディアベルゼや魔封じの芳香、魔法使いの里を除去することができます。マスカレーナやアポロウーサといった汎用札にも強く、打点も2600と申し分ないです。
・大嵐
相手の魔法罠を除去できるのは勿論、フランベルシュの効果でペンデュラムが埋められてしまった場合の数少ない対抗札になります。
・レッド・リブート
魔封じの芳香、次元障壁をケアすることが出来ます。次元障壁を撃たれたら本当に詰んでしまうので、罠が少ない環境になっても、このカードを抜くことは恐らく無いでしょう。
終わりに
「ダイナミスト解体新書」はここまでとなりますが、今後ダイナミストの新規及びシナジーの強いカードが登場した時には、初級、中級編共に新たに追記させていただこうと思います。
ここまでの解説で不明な点や疑問があれば、是非下の質問箱までお寄せください。
ここまで「ダイナミスト解体新書」をご覧いただき本当にありがとうございます。