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[ライブレポート]TAP DO!時間を、笑いを、エンターテイメントを「共有する」喜び
ジャズ・シーン最高峰のアーティストだけでなく、ジャンルの枠に囚われないバラエティに富んだブッキングもフェスならではのお楽しみ。そんなわけで、今年、大西順子、菊地成孔ら錚々たるトップ・アーティストと並び「かわさきジャズ」のホール公演にラインナップされた「TAP DO!かわさきジャズスペシャル 」。
同公演はかわさきジャズの宣伝大使的な役割を担う「かわさきジャズ2022 BRIDGEアーティスト」(昨年までの名称は「キーアーティスト」)の千葉香織がキーボーディストとして参加していることもあり、非常に注目度の高い公演である。また、多くのホール公演が「未就学児入場不可」であることに対し、年齢制限なし、0歳から楽しめるコンサートということで、会場には親子あるいは三世代での来場と思われるファミリー多数。筆者も7歳と4歳の子どもを連れてコンサートに参加した。
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ステージは軽快なMCとタップダンスでショーを盛り上げる、リーダーのポケを中心に進行していく。かの有名なマイルス・デイヴィスの名前を「丸椅子(マルイス)・テーブル」と口走ってジャズ好き紳士の頬を緩ませたり、発声なし「コロナ禍仕様」のコール&レスポンスで子どもたちを巻き込んだり。
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タップもジャグリングも単にその「技術」だけを披露するのではなく、コント仕立て、常に笑いを交え飽きることなく楽しませてくれる。また、客席で赤ちゃんが少しぐずってしまったときも、ステージ上からそれを笑いに変えてみせる。こうした優しさ、さりげない配慮も、子連れにはとてもありがたい。
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この日の個人的ハイライトを挙げるなら、「トイレ待ち」で前に入った人がなかなか出てこないというシーンを再現したタップダンス。誰もが一度は経験したことがあるだろう、絶体絶命!タオルを握りめ、あの緊迫した状況を見事にタップで表現する様は、ひたすら人間らしく、ひたすら笑えた。
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芸達者なフロントメンバーからつねに目が離せない公演ではあるが、これらのエンターテイメントに生演奏が添えられていることも決して忘れてはならない。1時間という限られた時間の中で演奏がメインとなるターンはわずかだったが、アンコールで「ジャズ即興を!」とリクエストされた千葉はすかさず「かわさきジャズ2022」のテーマ曲のアレンジを披露。
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ちなみに、ショーのエンディングでは千葉ら演奏メンバーも全員で、ポケの投げる輪を首でキャッチするという大技を見事(確か3回目で・・・笑)成功させた。さすが結成20周年!この日、最も会場が沸いた瞬間だった。
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ステージ上のメンバーと観客が一体となってリズムに乗り、踊って、笑って・・・そんな景色を目にした時、この数年間ですっかり難しいものになってしまった、誰かと同じ場所で、楽しい時間や体験を「共有」していると心から感じられたことが、なによりも嬉しい。
我が子たちは帰宅してしばらく兄弟でタップダンスやジャグリングの真似事を楽しみ、軽々と演じているように見えたステージ上のパフォーマンスの数々がいかに難しいことであるかを改めて実感したようだ。
また来年も「かわさきジャズ」を通じて、子どもたち、そして多くの観客と一緒に楽しい時間、ステキなエンターテイメントを共有できますように!
Text by かわさきジャズ事務局
Photo by Tak. Tokiwa
公演概要
「タップダンス・コメディユニット TAP DO!かわさきジャズスペシャル」
2022年11月3日(木祝)@ラゾーナ川崎プラザソル