【ひで散文#6】 誕生日

また一つ歳をとった。

母ちゃんは、毎年LINEを送ってる。
「あなたが生まれたのは42年前の朝4:32だったわ」って

いつも「ありがとう」と返すけど、
それは誕生日メッセージに対しての「ありがとう」で、

いまだに「産んでくれてありがとう」とは伝えたことはない。
忘れてるわけでもないし、恥ずかしいわけでもない。

多分、思ってないんだと思う。
日々生きることが当たり前で、だけど必死で、
「生きててよかった」って思ってないから、「産んでくれてありがとう」って思ってないんだと思う。

感情が欠けている嫌なやつだと自分で自分のことを思う。

だけど無理に思ってもそれは嘘になる。

心から母ちゃんに「産んでくれてありがとう」って言える自分になれる日が来てほしい。

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