ふろや
マスオチョップ西園さんは面白いけど、銭湯行ったら身体がすこしお爺ちゃんみたいになっていました。
なっていましたというかお尻が少し垂れていました。
僕も身体をほぐすはずのジェットバスで腰を痛めてしまいました。
意味が分かりません。
時間はちゃっかり進んでいて細胞もしっかり腐っていってます。ここだけは平等です。
すごいです。
湯上がりでふやけた足に買いたてのサンダルが食い込んでたまらなく痛いです。
くやしいです。
だけど定食屋さんに着きました。
高円寺の高架下にある定食屋「キッチン南海」
沢山の茶色いおかずの中から二品選んでワンパクにカスタマイズできます。
西園さんはハンバーグと唐揚げ
僕はチキンカツとカニクリームコロッケでした。
わんぱくです。
注文後、西園さんがカツカレーでもよかったなと言ったら。
すかさず女将さんが「カツカレーはまた今度頼んでみてちょうだいね、美味しいから」
と、ひっそり暖かく答えてくれました。
故郷速達便
優しい気持ちになりました。
実家にもしばらく帰っていないな。帰ろう。
机に置かれた定食は負けん気の強い、日に茶色く焼けたガキ大将のようでした。
美味しい、、
美味しすぎる
これしか言いませんです。
そんなこんなも束の間
すかさず満腹になりました。
こんなに満腹到達点って早かったけと、手にする水を流し込みました。
西園さん家のある中野まで歩いてついていきました。
昔コンビで住んでいたマスオチョップハウスにも挨拶をしました。
この家を深夜、無意味に、無駄に、無為に、無限の体力で訪れていたなと思いました。
カワゾエさんはお酒を手にゆらして、タケイさんは何かにつっこんでいて、伊藤さんはむくむく歩いていきました。
たくさんそうしていました。
新居付近の十字路で西園さんとさよならをして
手押しだった自転車に跨り、帰路に向かいます。
漕ぎ出してまもなくで、自転車のライトが恐ろしく幼い光量になり瞬くまに消えました。
うああ、手押しで帰らなきゃ、、だるいな
ライト!!ライト!!!!
むちゃくちゃ刈り上げてるおばあちゃんに注意されました。
このライトが消えた一瞬で、この僅かな出会いで杉並いち鋭い声量でお叱りを受けました。
おばあちゃんかおじいちゃんか分からなかった気もします。
再び合わないサンダルと共に歩きながら、少し沈んだ気持ちになります。
だけど今時ありがたいご指導を頂いたなと、無灯火撲滅安全第一に努めて参りますと、歩く速度を早めました。
しかし間が悪いよなあ
このまま好きなことをぶわーと続けて、なんとか夢見心地な横道に自力で逸れていっても、
歳を重ねると誰にも何にも注意をされないんではないかと、薄らとんでもない不安と不安とが湧き出してきました。
国崎さんからLINEがきました。
「明日のガキ使の七変化みてねい」
きっとそんな事がどうでもよくなって吹き飛んでいく予感がしました。
自分のできることを真剣にやればいい
まだまだ全力でお間抜けに真剣におふざけをしている人達がいます。
少しづつ大人ぶってしまう前に童心で壊れてしまえますように。
まだまだ頑張れる気がする夜道でした。
もう少しで秋になります。
荒波