幼少期〜家族の絆
過去に取材してもらった記事やネットの情報で、すでに知っている方もいるかもしれないが、僕は小さい頃(2歳くらい)に両親が離婚している。
なので2歳から8歳まで母親と1歳上の兄と3人で暮らしてきた。
お正月に毎年家族で集まるときに、今となっては笑い話にできているが、僕の家はかなりの貧乏だった。
母が女手一つで頑張ってくれていたとはいえ、とても楽な暮らしとは言えなかった。
保育園の年長からサッカーを始めた僕は、ただボールを追っかけて、走り回るのが大好きな子どもだった。
末っ子だったこともあり、僕はお金のことや生活のことを気にして生きていなかったから、そこまで辛い思いをしたことは覚えていないけど、
その分、兄と母はとても苦労したんじゃないかと大人になった今だからこそ感じることができる。
ここには書けないような貧乏話がたくさんあるが、それはまたいつか話そうと思う。
そんな幼少期だったにもかかわらず、僕がいつも前向きに夢に向かって素直に、真っ直ぐに、生きてこられたのは母親と兄の存在があったからだ。
母は優しく、そして強く、僕たち兄弟にほとんどと言っていいほど弱い姿を見せることはなかった。だから家の中はいつも明るかった。
どんなに仕事が忙しくても、僕の試合にはいつも応援に来てくれた。
僕もゴールを決めて、母に向かってピースやガッツポーズをするのが大好きだった。
それを見て母が喜んでくれるのが僕のサッカーの全てだった。
お金がなくても、狭いアパートでも、僕は母と兄と一緒にいられれば、それだけで幸せだった。
そう思わせてくれた母と兄には今でも感謝しかない。
兄はいつもカゴに入っているセールのようなスパイクを履いていたのに、なぜか僕だけはいつも良いスパイクを履かせてくれていた。
お金がない家なのに僕の大好きなサッカーだけは、何不自由なくやらせてくれた、、、。
そして、負けず嫌いだった僕は、いつしかチームで1番うまい選手になった。
この時期くらいからだろうか。自分は絶対にプロサッカー選手になって母親に楽をさせてやるんだと思いはじめたのは……。
つづく