三大凶悪都市といわれる《ケニア/ナイロビ》移住してみておもう【治安】の話。
Jambo(こんにちは)、ケニア在住のリエです。
最近、「ケニアにいる人」という認知度が高まってきたのか、Twitter(@KawanoYOME)やInstagram(@rie.raha_kenya)でDMをいただく機会が増えました。《ありがたいーーーー》
中でもよく頂くのが【治安について】の質問。
「治安って悪いんですか?」
「何に気をつけたらいいですか?」
「女性一人で行っても平気ですか?」などなど
実は私の住んでいるケニアのナイロビ 。
「アフリカ三大凶悪都市」といわれています。(他はタンザニア/ダルエスサラーム、南アフリカ/ヨハネスブルク)
ケニア 移住前、ネットでそんな情報を見てしまった私は、「まじか...」と不安になったものです。
ということで、今回は<ケニア/ナイロビの治安>について書きたいと思います。favくださった方々、ありがとうございます!
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結論からいいます。治安は悪いです。
そして、巻き込まれるかどうかは【警戒力と運の問題】だと思っています。
ちなみに私はケニア移住して1年間、一度も被害にあったことはなく、いまのところ犯罪回避率100%です。
だからこそ言えるのかもしれませんが、治安が悪くても、毎日楽しいですし、毎日幸せ感じてます。
その点も含めてnoteを書いたので、内容が気になる方は是非ご覧ください。
※注意※
本noteは「正解」ではないです。数多くの中の一意見なので、参考程度に読んでいただければと思います。
《目次》
1.治安悪いってどゆこと?
2.犯罪事例
3.警戒力ってどんな?
①基本姿勢
②タクシーは
③歩くときは
④服装は
⑤その他
4.HAPPYに過ごせる理由
5.最後に
7000字以上と長いので、目次で気になる部分だけ読んでいただくのも良いかと思います。
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1.治安悪いってどゆこと
よく考えたら私説明できないや、と思ったのでググってみました。
【治安】とは
警察,軍隊などの強制力によって反乱や暴動などの社会的混乱を鎮圧し,さらに殺人,強盗,警察,軍隊などの強制力によって反乱や暴動などの社会的混乱を鎮圧し,さらに殺人,強盗,放火などの犯罪を取締ることによって国家社会の安寧秩序を保つこと。
引用元:コトバンク
なんか難しかったです。←え。
が、治安が悪いというのは「犯罪が起こりやすい」ってことだと解釈しました。
となると、ケニアは治安が悪いです。スリや強盗は珍しいことではないし、テロも発生します。ただそれは、「日本と比べて」です。
住んでみて思うのは、三大凶悪都市と言われるほどではない、ということ。私は最初、"凶悪"というパワーワードから「一歩でも外にでたら100%襲われる...!!!」と想像していたので、数日間家に引きこもってました。
今思えば「笑」って感じです。ビビって損はないので、そのくらいの警戒心があるのは良いことだと思ってるけど、正直そこまでヤバくはないです。
いまは普通に外でちゃってるし、十分注意していれば、問題なく生活できると実感しています。
となると、「ケニアの治安悪さってどゆこと」って思う方がいると思うので、次で紹介していきます。
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2.犯罪事例
犯罪事例を知っておくということは、後の警戒力や対策にもつながるので、すごく大事なことだと思っています。
これはケニア移住してから、私が実際に現地で聞いた話です。(CASE ①と②は、直接の被害者から聞いてます。)
CASE①<スリにあった>
私が被害者から直接聞いた話で、一番多いのは『スリ』。
▪️リュックを背負った状態でマタツ(乗合バス)待ちしていたところ、話しかけられたので対応していたら、後ろにいた人にリュックを開けられて中身を盗られてしまった。(2人組による犯行)
▪️後ポケットに携帯入れてたら、気づかない間に盗られてなくなっていた。
▪️車の窓を開けて携帯いじってたら、外にいる人から盗られた。(結構よく聞く)
▪️人混みの中、肩がけカバン持っていたら知らない間に底が破かれており、中身を盗まれた。(ケニア人メイドさんによる被害)
CASE②<強盗にあった>
▪️日中にタウンを歩いていた日本人学生が、前から歩いてきた複数人の男性に囲まれてしまい、貴重品全部を盗られた。
▪️夜間にタウンで酔っ払い、次の店に行こうと外に出たら、身ぐるみ全部剥がされた。日本人女性2人組で、"近いから大丈夫だと思った"との事。
周りに人はいたけど「夜に外でるんだから、当たり前だ」と言われてしまう。その後は近くにいたケニア人男性が助けてくれ、家に帰るまでのお金を頂いたとの事。
CASE③<テロ発生>
▪️2013年大型のショッピングモールに武装グループが侵入。240余人の死傷者がでる。
▪️2019年1月15日 高級ホテル襲撃。21 人の死者がでる。同月26日、即席爆弾と思われる爆発が発生する。(つい先月の話)
以上です。
他にも、通勤のため朝歩いていたら誘拐された話や、車や店内で置き引きにあった話があります。(今回は被害者から聞いた話をメインに挙げました)
これらの話を聞くとただただ怖いイメージになるけど、「えー怖!」と悲観的に終わらせないで下さい。
むしろ前向きに「なるほど、そんなケースがあるのか。それなら今後〇〇して回避しよう。」と思えばいいのです!(CASE③を除いたら、事前に回避できることが多いはず)
大事なのは、治安は悪いという認識をきちんと持つことと、得た情報に対して警戒&対策することです。それが出来ていたら、問題なく生活できちゃいます。
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3.警戒力ってどんな
とはいえ「何に気をつければいいの?」という方へ。
犯罪回避率100%(もちろん運もある)の私が日頃警戒していること、対策していることを記します。
①基本姿勢
特に初めてケニアに訪れる方や、観光のみの短期滞在者は無理をせず、基本姿勢を心得た方がいいと思います。
下記に忠実な方ほど、犯罪に巻き込まれるリスクはかなーーーり低くなるはず。
▪️日中でも歩かない方がベター
私は最初、旦那から「昼でも歩くのNG」と言われてました。そう忠告されると、一歩外にでただけで襲われるんじゃないか....とビクビクしてましたが、ぶっちゃけ、そこまでではないです。なので、"ベター"という表現にしておきます。ただ、好きに歩きまわる人ほど、犯罪に巻き込まれるケースが高くなります。
基本的に「出発地から目的地までは車移動」が最適な安全策です。私は移住当初、徒歩10分圏内でもタクシー移動してました。
「近いから...」といって歩きたくなる気持ちはわかるけど、場所の知見がないなら尚更、歩かない方がベターです。(もしかしたらスラム近辺、犯罪率の高いエリアかもしれないので。)
▪️夜は外に出歩かないことがマスト
これは問答無用に絶対と思っている。私は今まで夜間に歩いた事、一度もないです。どんなに近くても、タクシー移動マスト。
夜遊びはOKです!クラブやレストラン、カジノなどは、セキュリティチェックがあり、守られています。(とはいえ置き引きなどは注意)
危険なのは、セキュリティがないような、普通の道を歩くという行為。これは「襲ってくれ」って言ってるようなものかと。
なので夜は外を歩かない、マストです。
▪️声をかけてくる人は信用しない
"アジア人=お金持っている"という認識は強く、それ目当てに声かける人は多いです。
特に注意が必要なのは、マサイマーケットやタウンで声をかけてくる人。「俺が〇〇してやる!」と善意アピールがすごい人は、お金目的なのがほとんど。信用しない方がいいと思ってます。
観光地でもあるマサイマーケットでしつこく声をかけてくる人は仲介人で、倍以上の値段を提示してきます。その金額で納得するならいいですが、仲介人は断り、お店の人たちと直接交渉するのがベストと思ってます。
声をかけられたら、ハッキリと仏頂面で断るのがベスト。それでもしつこい人はしつこいもので。
((嫌だ、怖い))と感じたら近くの人に「HELP」と言ってみてください。すぐに助けてくれます。(現地の人もよく分かってる)
▪️特に治安が悪いと言われるエリアへは行かない
例えば、スラム街やダウンタウなど。
よく分からない方は、ドライバーやホテルの人に"危険なエリア"を聞いておくのがいいかと思います。そして「危険だ」と言われた場所へは相当の目的がない限り、行く必要はないです。興味本位で気軽にいって歩き回るのはやめるべき。
②車では
一番ベストな移動は、《配車アプリを使った車移動》。ケニアで使われる「Uber」「Taxify」は、渡航前にダウンロード必須です。
▪️流しのタクシーは使わない
配車アプリに比べ、どこかに連れていかれる可能性、正当な値段でない可能性が高いので、現地の日本人は使ってません。
配車アプリは、時間と距離に応じて値段が決まるので交渉不要、クレジット決済OK、互いの位置情報がGPSで分かる、行き先入力すれば相手の携帯に届くので一言も話さずとも現地まで連れて行ける。という、安心サービスです。
▪️MAPで位置と経路を随時確認
とはいえ配車アプリでも注意は必要。残念ながら、無駄に長いルートを使って、価格をあげようとするドライバーもいます。
一度、つい寝てしまったことがあるのですが、その時は30分で着くルートだったのに、1時間かかり、値段も予定よりUPしました。(アプリのサービスセンターに、問い合わせて返金してもらえるけど、面倒...。)
なので私の場合、Google mapはマストで開き、経路通りに車が行っているかどうか、随時確認しています。万が一違うルートで行った場合は、すぐに指摘します。
▪️シートベルト着用必須
これは警察対策です。最近は特に警察のシートベルトチェックが目立ってきました。乗用車、マタツ(乗合バス)、長距離バス、すべて要注意です。
私も今まで、数え切れないほどのチェックをされてます。
ちなみに、シートベルトを忘れてしまった場合。大体のケースは、禁固刑かお金(賄賂)かの選択を迫られるそうです。そして、お金を払う人がほとんど。現地の人でさえそれで解決しているのを見たことあるので、それが一番無難なのだと思います。
▪️窓は開けない
これは2-CASE①でもわかるように、外から盗られるのを防止するためです。窓から睡眠剤の入った新聞紙を車内に入れられ、眠ってしまった間に盗られる、という話を聞いたこともあります。
ドライバーから「危ないから窓閉めて」と言われることも多く、現地の人も注意していることです。
走行中は開けることもあるけど、徐行、停車時は絶対に閉めます。
▪️ロックを確認
これはほとんどのドライバーが言わずともやってくれるけど、いきなり入ってこられることも考え、一応自分でも確認しています。たまに自分でロックすると、「Sorry」とドライバーが全ロックしてくれます。
③歩くときは
①の基本姿勢にもあるように、基本的に日中でも歩くのはNG。それでも徒歩移動する方は、下記に注意すべきかと。(私が実践している方法)
特に大事なのって④堂々とすることだったりします。
「ビクビクしていたら狙われる。とにかく堂々と歩きなさい。」と現地の方からもよくアドバイスされるほどです。これは私も実感していて、自信なさげにきょろきょろしてたら怪しい人から声をかけられるけど、地図を頭に入れて早歩き、かつドヤ顔で歩くと一切絡まれない。隙を見せないことってすごく大事かと。
あと、②携帯はカバンの中にしまうについても補足しておきます。ケニアで道を歩く時は、携帯を手にもつのは避けるべきです。これも現地の人に「盗られるよ!」と再三注意されてきました。私的に自撮り棒でセルフィーできるくらいOKなのは、有名観光地のサファリツアーやジラフセンター、セキュリティがしっかりしてるショッピングモール内かな、って思います。
実は最近の私。アフリカ布事業のこともあり、よく歩いちゃってます。
でもそれは、ナイロビでどこが危険かどうか、分かってきたからこそです。
とはいえ初めて行くエリアは、日中でも一人歩きしないようにしてます!
まずは誰か(できれば男性や現地の人)と行ってみて、「これに注意すれば行ける!」と判断した場合のみ、一人歩きするようにしています。
さらに歩く時は、「全部盗られてもいいという覚悟」でいることが大事。万が一強盗にあったら、抵抗せずにサッと全て差し出すイメージを常に持っています。
④服装は
ここは嬉しいことにケニア、ガンガン薄着&肌見せができます!!「女性は肌見せ危険」とされる国はあるけど、ケニアに関しては平気です。私の基本スタイルはノースリーブ、なんならおへそを出すこともたまぁにある。
ただ、タウンやちょっと危ないエリアを歩く時は、下記に注意してます。
▪️ヒールは履かず、平らなシューズにする。(靴がベスト)
基本的に早歩きしているので、ヒールは辛い。そして、いざとなった時に逃げやすくするためという意味を込めて。あと、道が舗装されてなく、でこぼこ道なので普通に歩きにくいです。笑
▪️カバンはチャックつきのものにする。
基本スタイルは、楽だしちゃんと守れるから、という理由でリュックサック前掛け。たまにカゴバックやクラッチバックを持つけど、全部チャックをしっかり閉めて歩きます。チャックなしトートバックは持ってるけど、やっぱ盗難が心配なので一人の時は避けてます。
▪️羽織りものを着て肌露出をせまくする。
やっぱ肌の色が目立つので、視界に入りやすいなぁと思って。危険エリアに近いほど露出度は下げるように意識をしています。
※ケニアは"夏の軽井沢"といわれる気候なので、ジャケット着ても暑ぐるしくなりにくいです^^
▪️帽子&サングラス着用(無駄なアクセサリーをつけない)
これも上記と同じ理由から。帽子は髪の毛目立たなくさせるため、サングラスは目の動揺を悟られないため。笑
あと、指輪やピアス、ブレスレットなど、じゃらっとするもの「お金持ってそう」と思われそうだなと思って。本当に危なそう....と思われるエリアだけはつけないようにしています。
▪️白黒グレーのモノトーンスタイル
気にしすぎかもしれないけど、派手だと目立つ気がして。エリアによっては、大好きなアフリカ布や色ものを封じます。
以上が、服装で意識していること。(危なそうなエリアに限る)
私のビビりがいい感じに発揮されている。笑
基本的に「おしゃれはやりたい放題!でも、エリアによっては気をつけましょう!」って感じです。
⑤その他
<<パスポートは携帯必須>>
「盗まれるリスクがあるから宿(家)の金庫で保管必須」という国もあると思うけど、ケニアでは携帯必須かと。
これは、警察チェックが入るためです。アジア人だと特に標的にされやすく「パスポート見せて」と言われることが多いのが現実。これで持っていないと、けっこう厄介。「宿(家)にあるから持ってくる、宿(家)まで一緒にきてよ」と言っても通用しないと聞きます。《今、持っていない》それでアウトです。大抵の場合はお金で解決するようですが、精神的にも辛いので、携帯することをすすめます。
ちなみにパスポートでチェックされるのは1)ビザの期限、2)イエローカード(黄熱病の予防接種証明書)です。
4.HAPPYに過ごせる理由
以上、ぐちぐち長々と治安について記しましたが、安心してください。
それでも私は楽しく、幸せに過ごしています。
なぜかというと、ケニアは助けてくれる人がたぁぁぁぁーーーーくさんいるから。
どうしても悪い話ばかり目立ってしまうので怖く感じてしまうけど、移住してみて思うのは、良い人、親切な人の方が圧倒的に多いということ。
道に迷った時、ドライバーからの電話にうまく対応出来ない時、絡まれそうになった時。遠慮なく「HELP」と言え、見返りなしに助けてもらえる環境がケニアにはあります。
また、「カバンを前にしておきな」とか「携帯しまった方がいいよ」とすれ違う人が心配してくれたり、「私と一緒に歩きな」とおばちゃんが声をかけてくれる時もあります。
「治安が悪い」そう言うと、可哀想だとか大変だとか悲観的に捉えられる事が多いけど、《治安悪い=不幸》ではないです。
逆に私は人のあたたかさを感じる機会が増えて、幸せに感じます。ケニアに移住して初めて、「あ、誰かに頼っていいんだ」と心の底から思えました。
親切で陽気で明るいケニア人に囲まれて、毎日HAPPYです、ほんと。
5.最後に
治安について思うこと、感じることは、人それぞれ。
このnoteを見て、「もっと危険だよ!」と思う人もいれば、「いやいや、大げさだよ!」って思う人もいます。
「どう過ごすか」は職種や環境によって、大きく変わるもの。会社の規制があって好きに出歩けない人もいれば、フリーに動ける人もいる。人それぞれで回答が違うと思います。
ケニアに移住してきて1年。
いま私が思うのは、「日本に比べたら治安は悪いけど、ケニアってめちゃくちゃ居心地がいい!」ということ。
注意していれば犯罪に巻き込まれるリスクは低くなるし、私は治安の悪さよりも自然や人のあたたかみの方が大きく感じられます。
だから「ケニアに行きたい。でも治安が悪いの怖いから諦める。」はもったいないです。(運の問題もあるけど)ケニアの場合はちゃんと警戒心を強め、事前に対策していれば、楽しく過ごせます。
だから家族でもカップルでも女ひとり旅でも、 【#おいでよケニア】 って言っちゃいます。
河野理恵(Kawano Rie)