出店場所の見つけ方 その2
【小さなお店の作り方】
自由が丘の雑貨屋カタカナの体験談
◇出店場所の見つけ方
いろいろな町をリサーチして、「自由が丘がやっぱり良いね。」と答えが出た話の続きです。
この街でお店を開きたい。
自由が丘の不動産屋さんに尋ねて歩きました。10社以上は訪問したと思います。でもここからが難航しました。
僕「あの、、自由が丘で雑貨屋をやりたいので物件を探しているのですけど」
不動産屋「それでは先に登録カードに基本情報と希望を書いて下さいね」
僕「スペースはあまり広くなくても良いので、手頃な家賃の物件は無いですか?」
不動産屋「う〜ん、、今は無いけど出て来たら連絡しますね!」
僕「はい!よろしくお願いします。ご連絡お待ちしています」
沢山の登録カードを書いてワクワクして自由が丘を後にしました。
それから2週間、不動産屋さんからは連絡がありません。さすが!自由が丘は良い物件はなかなか出て来ないね、、
その頃創業融資を受けるために日本政策金融公庫の書類を作っていました。その書類は開業地の区のあっせんが必要で、自由が丘は目黒区と世田谷区が入り組んでいて、どこにお店を開くかで担当の役所が決まるのです。
なので、、
店が決まらないと手続きが進まない、、
不動産屋さんに書類を出してから1ヶ月が経とうとしていました。さすがに僕も焦りはじめました。
「このまま待っていてもダメなんじゃないか?」
そんな時、洋服屋時代の先輩で店舗開発をしていた藤井さんに話を聞こうと連絡を取りました。藤井さんがいる会社は、僕が以前勤めていた(株)鈴屋という会社で生え抜きで社長になった鈴木社長が立ち上げたコンサルティング会社です。
アポイントを取り事務所にお邪魔すると藤井さんと共に鈴木社長も同席してくれて、店舗が決まらなくて困っている、、と言う話をしました。
すると開口一番
「そんなのあたり前だよ!脱サラの訳のわからない男に店舗は貸さないよ。いいかい河野?君はこの自由が丘にコネはあるか?この業界はコネクションがとても大事だ。もしコネが無ければどうするか?やっぱり誠意を見せるしかないだろうな」
僕は帰り道考えました。
もちろん自由が丘の不動産業界にコネなどはありません。それでは誠意とは?
翌日、ふたたび自由が丘へ来ました。
10軒以上の不動産さんの中から対応の良かった3軒に絞り3、4日おきに訪問しようと決めました。その時のポイントは「連絡しますね」と言わせない。
「こんにちは!近くまで来たのでちょっと寄りました。どうですか?出て来そうですかね?そうですか。また寄りますね!」
この「また寄りますね!」がポイントです。
これを繰り返しているうちに、不動産屋さんの僕に対する姿勢が少しずつ変わって来ました。
「、、、こいつ本気だな」
それでもその後1ヶ月位はそんな事を繰り返していました。春にOPENしたいなぁ。という想いは当然流れていきました。
その間にも僕たちは自由が丘中を練り歩き、ここは立地は良いけど家賃が高そうだ、家賃は手頃だけど駅からあまりにも離れすぎだよね。ここでOPEN出来たら最高だね!でも老舗だからお店は空かないだろうね、、とか言いながら街の土地勘がついてきました。
でも、ある日。
いつものように駅前の不動産屋さんに行くと担当の所長さんが。
「まだオフレコだから住所は言えないんだけど、、」
いつもと違う雰囲気にこちらも少し緊張。
不動産屋「南口に緑道がありますね?」
僕「はい分かります」
不動産屋「その道沿いにGAPが入っているビルがあります」
僕「は、はい分かります」
不動産屋「そのビルの脇を入り銀行があるのだけど」
僕「わ、分かります」
不動産屋「銀行の斜め前の洋服屋さんの物件なんだけど分かります?」
僕「、、、、、、!」
僕は全身鳥肌が立って心臓がドク!ドクッ!し始めました。
だって、
その場所が僕たちの勝手に想像していた自由が丘のNO1候補地だったのです。
【次回の予告】
◇一人でやるか?パートナーと組むか?
結論が先になりますが、僕は内海君と言う以前の会社の後輩とカタカナを立ち上げました。世の中にはお店を1人やご夫婦などでスタートする場合も多いと思います。でも、僕は最初からパートナーが必要だと思っていたのです。なぜなら僕自身のスキルに偏りがあるから、、、
補完できる人材が必要なのでした。