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痙性対麻痺(2024年の一年間)
私自身の痙性対麻痺の状況やこれまでの治療やリハビリなどについて、2025年1月時点の状況を記しておく。同じような症状をお持ちの方の参考になれば幸いです。
私の痙性対麻痺は緩徐進行性ということで、ゆっくり症状が進む(悪化する)という見通し。確かに、この一年で少し悪化したように思う。
一年前の旅行
ちょうど1年ほど前に、スキー友達と志賀高原に行った。私は痙性対麻痺の障害があり、今の身体の状態ではもちろんスキーはできないわけだけど、温泉に入ってゆっくりしたり、仲の良い友達と一緒に酒を呑んだり、ということで連れて行ってもらった。交通手段は友達の車。高速を使っての移動だけど、SAやPAには基本的に多目的トイレがあるので、トイレに関しては心配はなかった。外出する時に一番困ることの一つがトイレなのだけど、高速道路のSAやPAの多目的トイレは車椅子でも出入りできて、あちこちに手すりがついているので安心して使える。
宿泊は我が定宿のホテル白樺荘。ここは完全なバリアフリーにはなっているわけではないけど、貸切風呂もあるので、今の私の身体の状況でも割と快適に過ごせる。なによりホテルスタッフが皆さん親切でとても行き届いているのが有り難い。
車椅子の購入(介助用?自走用?)
実は、この時の旅行に間に合わせるつもりで、ネットで市販の車椅子(介助用)を購入したのだけど、結局、出発までに納品が間に合わず、道中のSAでは貸出用の車椅子を借りたり※、持っていったノルディックウォークポールを杖代わりに移動をしていた。
※大きなサービスエリアには貸出用の車椅子があるところが多い
で、その時に同行した友人の一人が某役所で障害福祉かなんかの仕事をしてるので、道中の車の中で、車椅子のことを色々教えてもらった。まだ若くて(と言っても私は55歳だけど)元気があるんだから、自走用でオーダーメイドの車椅子を買うってのも良いかもよ、と言われた。要するに自分でガンガン漕いで移動できる車椅子を使うのが良いんじゃないかってこと。障害者向けの購入補助制度があることも教えてもらった。
で、その知人で脊損の人が、オーエックスエンジニアリングってメーカーの車椅子が使いやすくて良いって言ってたということも教えてもらったので調べてみた。ネットで情報を見てみると、車椅子メーカーでは珍しく関西に支社があることがわかった。拠点が近いほうが何かあった時に対応が早いかもしれない。関西のどこなんだろうと住所を見てみると
大阪府豊中市長興寺南
ををを。同じ市内ぢゃないか・・・というか、同じ町内(長興寺南)に私の会社が運営するそろばん教室があるんだけど。。。さらに番地まで見ていって、思わず声が出た。
うちのそろばん教室と全く同じ住所。つまり同じ建物に入ってる、ということ。そこは4階建てのマンションで1階がテナントになっている。その西の端がうちのそろばん教室で東の端がオーエックスエンジニアリングの関西支社だった。要するに5軒お隣がオーエックスエンジニアリング関西支社というワケ。
ここの教室を開校する時に、反対の端の会社って何の会社なんだろうと思ってた。健常者だった頃には車椅子を作ってる会社の名前などは知らなかったし、名前も忘れていたのだけど、なんたる偶然。これも何かの縁かもしれない。オーダーメイドで車椅子を作るならココで作ろうと思った。
そんなこんなで、障害者の補助で車椅子の申請をしようと思ったけど、諸々の事情があって、一旦、車椅子の補助の申請と購入は保留となった。
リハビリ入院
少しでも痙性対麻痺の症状が良くならないかと色々調べていたら、私が住んでいる家の近くの病院(国立病院機構大阪刀根山医療センター)が神経難病の医療・リハビリに力を入れているということを知った。この病院自体はずっと前から知っていて、刀根山病院という名前だったのだけど、5〜6年前に改称したらしい。
そこで、痙性対麻痺の診察で定期的に通院している阪大病院の主治医に相談したら、阪大病院ではリハビリでの入院などもないし、一度見てもらうと良いと仰って頂き、快く紹介状も書いてくれた。
2024年3月に刀根山医療センターの初診。GW明けからのリハビリ入院が決まった。自社の決算処理の時期で大変だったんだけど、顧問税理士などにも協力してもらい約一ヶ月の入院。
入院の目的
阪大病院ではリハビリ入院自体ができないということもあり、阪大病院ではできない治療やリハビリがこの入院の主な目的だったが、自分的にはもう一つの目的があった。それはオーダーメイドの車椅子の相談だったり、日常生活上の困り事をPTやOTに相談したかったということ。
<リハビリ>
平日は基本的に毎日PT(理学療法)があり、週に2回ほどOT(作業療法)のリハビリをやってもらった。その中で車椅子や日常生活のことも色々相談できたのは大きな収穫だった。
<自走用のオーダーメイド車椅子>
病院に障害者の補装具などを取り扱う専門業者(川村義肢)が週に2回来てるので、車椅子のこともしっかり相談できた。入院中に3種類の車椅子を順番に貸してもらって、じっくりと検討することもできたし、この病院の主治医にも車椅子処方箋や障害者補助で役所に出す意見書を書いてもらえたりしたので、車椅子の購入手続きや申請の準備はとてもスムーズだった。
そして、念願の(?)OXエンジニアリングの車椅子を購入することが決まった。車椅子はオプションをどれくらい付けるかで値段は変わってくる。私の場合、ざっくり言えば、総額40万円ほどの車椅子で、25万円ほど補助が降りたので自己負担は15万円くらい。
車椅子は発注してから納車までに約一ヶ月かかるとのことだったが、その前に役所への申請があり、それが認められてからの発注になるので、結局、役所へ申請してから車椅子の納車までは約3ヶ月かかった。お盆を挟んだということもあるけど、役所関係は少し時間がかかるかも、と考えておいたほうが良いと思う。
購入した車椅子はオーエックスエンジニアリングのSX(フレームⅡショートプラネット)って車種。
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なかなか気に入ってます。自分一人で出掛ける為にはキャスター上げ※の練習とかも、もっとやらないとダメなんだけど、一回、調子に乗って後ろに転倒してから、ちょっとビビリが入ってしまった。(苦笑)
※キャスター上げとは前輪を浮かせる技術で、これができたら少々の段差なら自分で車椅子を操作して、超えたり登ったりできる。
<車椅子関連の備品>
~グローブ(手袋)~
あと、車椅子関連グッズとしては、私はグローブが必要だった。年齢のせいか手がカサカサで乾燥して車椅子を漕ぐ時に滑る為。色々ネットで検索したりして探した。
最初に買ったのは「滑り止め手首サポーター フリーサイズ 車椅子用グローブ」で、私は楽天で2,980円で買いました。
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素手よりは確かに滑らないし、指先が完全に外に出るので使い勝手は良いけど、私の場合はこれでも少し滑ったので、より強力な滑り止めになるものが欲しくて、「ヨガグローブ 指なし手袋」というものを買った。
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これで車椅子をガンガン漕げるようになった。笑
どちらの商品もアマゾンや楽天、Yahooショッピングなどで買えます。こちらも私は楽天で730円で買いました。
~空気入れ~
購入したオーダーメイドの車椅子のタイヤの空気圧は7.6bar。割と高いし、ここまでしっかり空気を入れようと思ったら手動じゃ厳しいだろうなと思って、電動式の空気入れを購入した。できるだけコンパクトなもの、充電式のものが良かったので、色々調べて、私はELXEED-G01(エルシードG01)というものをネットで購入した。大体4,500円くらいだったかな。
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電動式の空気入れを使うのは初めてなので他の商品と比べたことがないけど、きちんと空気も入れられるし(当たり前)、空気圧の値をセットしたら自動でその空気圧で止まってくれるので、良いのではないかと思う。
<その他の補装具(バスボード、シャワーチェア、歩行器)>
リハビリを通じて歩行器だったり入浴の際に使うバスボードというものも紹介してもらった。入院中だと、PTやOTや装具屋さんと密に連携を取れるので色々なことを私の身体の状態を考慮して紹介してもらえるのでとても助かった。この時に色々検討した結果、退院後、歩行器とバスボードを購入した。これも障害者補助を有り難く使わせてもらった。
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ただ、しばらく使ってみて、バスボードは重量があって使いづらかった。バスボードは、ある程度の重量があって、どっしりとした作りでないと危険だからなんだろう。身体の障害というのは同じ病気や症状でも、人によってかなり違うし、家族構成や家(風呂場)の形状によって最適なものは変わると思うので、こういったものを購入する時はよく吟味したほうが良いと思う。
バスボードを置きっぱなしにしていると風呂の蓋を閉められないし、かーちゃんや倅が風呂を使うたびに、いちいち置いたり除けたりするのも面倒なので、せっかく買ったけど、我が家の場合は早々に使わなくなった。
足が突っ張って麻痺している私は浴槽を跨ぐことができないので、その解決の為にバスボードを買ったのだけど、結局はアイリスオーヤマのシャワーチェアを買って、代わりとすることができた。値段は4千円くらいだったかな。軽くて自分一人でも動かしやすいし、風呂から出て体を拭く時にも使えるので、良い買い物だった。
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これを浴槽に寄せて置いて、一旦これに腰を掛けて、足を浴槽に入れて、という風にすれば私の場合は問題ない。浴槽から出る時も逆の手順で行ける。私の場合はまだ腕の力があってプッシュアップができるからなので、そうでない人はその辺も考慮したほうが良いと思う。
それと私は背もたれの無いタイプを買ったけど、人によっては背もたれの必要な人もいると思うので、その辺も自分に合うものをチョイスして下さい。
あと、歩行器2台(外出用と屋内の1階で使う用)も追加購入。歩けるとは言えないものの、まだ何かにつかまればかろうじて立って移動はできるので、歩行器はあちこちに置いておきたい。うち、外出用のものは折り畳んで、車椅子と一緒に車の後部座席に積んである。車は自宅の敷地内に置いてあるので、これが私にとっては一番都合が良い。
ちなみに最初に購入した介助用の車椅子はオーエックスエンジニアリングと同じ建物にある自社の事業所(そろばん教室)に置いてある。自走用の車椅子をメンテナンスに出す時などには使うかもしれないので、これはこれで処分せずキープ。
追加購入の歩行器も、最初は装具屋さんで買おうと思ったけど、アマゾンで割りと使いやすそうなものがあったので、そちらを購入。購入したのは「スリム立ち上りフレームウォーカー固定型 WFS-4968R」という商品。
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これをチョイスしたのは自宅の1階で使いたかったから。自宅1階の廊下の幅はそれほど広くないので、最初に買った歩行器より横幅長の短いものを購入した。こちらはアマゾンで14,000円ほど。ただ、最初に装具屋さんから買ったものと比べるとドッシリ感がないので、多少不安。家の中や凹凸の無いフロアなどでは良いけど、外で凸凹のある地面を歩くには不安を感じる。一長一短という感じかな。
<車椅子用のスーツケース>
まだ、仕事への情熱もあるし、出張だったり旅行の時に使うスーツケースが欲しかったので、これも色々探した。車椅子で移動する時は普通のスーツケースをゴロゴロと自分で引っ張るのが難しかったのだけど、なんと車椅子用のスーツケースが販売されていた。水着などで有名なSpeedoというメーカーが作った「Speedo(スピード) バッグ Wheelchair Wheeler Bag ウィルチェアウィーラーバッグ 水泳 ユニセックス SE22021」という商品。昨年、パラリンピックがあったけど、それにも出ていた水泳のパラアスリートの鈴木孝幸選手と共同企画で作られたらしい。
車椅子の後部に取り付けることができて、動きもスムーズで、良い商品だと思う。ただ、人気がある商品だからなのか、製造量がそれほど多くないからなのか、私の場合は発注から納品まで一ヶ月以上は待った。私はアマゾンで25,000円くらいで買ったけど、今は3万円以上するようだ。それでも、車椅子で、一人で旅行する人にとっては購入を検討する価値はあると思う。
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治療
入院の話に戻ろう。この入院では、阪大病院ではできない治療としてボトックス注射を足に打った。ボトックス注射は、打つと麻痺や痙縮がある部位が少し柔らかくなって動かしやすくなる、というもの。ただ、これはすぐには効かないらしく数日から一週間後に効いてくる。私の場合も1週間後くらいに足首周りが少し柔らかくなったように感じた。ただ、ずっと効き続けることはなく、少しずつ効果が減っていって数カ月後には効果は消滅するとのこと。注射の投薬間隔の規定で3ヶ月は開けなければならないらしい。私の場合はこの入院中(5月下旬)に初めて打って、その後、8月下旬に2回目、12月の入院(詳細は後述)時に3回目を打ちました。なお、正確には私が打ったのはゼオマインという薬。ボトックスと同等の効果のある薬ということらしい。
以前、阪大病院に入院した時にバクロフェンという薬を腰からの注射で打って、これで突っ張って固くなってるところが柔らかくはなったのだろうけど、逆に力が入らずに立てなくなってしまった。ボトックスも、その点が少し心配だったけど、力が入らなくなるということはなく、大丈夫だった。以前、阪大病院ではリオレサールという飲み薬も試したが、これも副作用の方が大きかったので中止した。
ロボットスーツHAL®
この病院ではHALというロボットスーツを使ったリハビリもやっている。入院前に病院のホームページを見ていて、HALの存在を知った。HALの医療用下肢タイプは誰でもできる訳ではなく、保険が適応される疾患は決まっているようだ。自費で行う場合はロボケアセンターという施設でもできるようだけどリーズナブルとは言えないと思う。
私の場合は、自分の症状が保険適応なのかどうかもわからなかったし、もし適応疾患だとしても、私は心臓ペースメーカーを入れているので、できないだろうと思ってた。だけど主治医はHALを使ったリハビリを提案してくれた。適応疾患だし、ペースメーカーを入れてても、きちんと医療関係者が問題ないかを見ていれば可能ということなのだろう。ただ、HALは別途、一ヶ月程度の入院で行う必要があるとのことなので、この時の入院中ではできない。それでも一回だけお試しで体験させてもらった。
感想は・・・
1回だけではよくわからん。
でした。苦笑
それと、ペースメーカーに関しては問題ないが、この入院中にやったホルター心電図(24時間つけておく心電図)検査で、あまり良くない不整脈があったとのこと。なので、これについては別の病院(市立豊中病院)の循環器内科の専門医に見てもらってOKが出ればHALでの入院をするということになった。結果的には循環器内科の医師からもOKが出たので、12月にHAL入院することが決まった。
初動負荷トレーニング
上記のリハビリ入院の前まで、結構頑張って初動負荷トレーニングをやっていた。これはこれで良かったのだけど、入院する少し前に、通っていた初動負荷トレーニングの提携施設から、「今後は、川西さん(私)の来館に関してはパーソナルレッスンのみにして欲しい」と言われた。
その内容は
・来館は週2回まで
・利用・来館時間は平日の13時から17時までのみ
・完全事前予約制で一回の来館あたり、施設の使用時間は1時間まで
・通常の月会費(13,200円/月)とは別に、一回あたり5千円の支払が必要
(月8回となると月会費と合わせると一ヶ月で53,200円かかる)
とのこと。
さすがにこれだけ制限されると続けられない。
他の会員さんはパーソナルレッスンを強要されているわけでもないし、私個人的にパーソナルレッスンを希望してるわけでもない。スタッフの補助なしでもできるマシンもあるので、スタッフの手が空いてない時は一人でできるマシンだけをやるからと言ったけど受け入れてもらえなかった。他の提携施設では、そんな条件なしで受けてくれるところもあったけど、地理的な点や移動(交通手段)の関係で、この後は初動負荷トレーニングは行っていない。
ただ、鳥取本部にはなんとか時間を作って行きたいなと思ってるし、うちの近くで行きやすい所に提携施設ができたら、間違いなく再開すると思う。初動負荷トレーニング自体は効果はあると感じていたのでとても残念。
日常生活
今は外出時は基本的に車椅子、家の中では歩行器を使って移動している。一年前と変わったのは、ノルディック・ウォークポールを使って歩くのは基本的には無くなったということ。痙性対麻痺の程度が悪化したこともあって、転倒の危険が大きくなったということと、歩行器を使った方が(ノルディックウォークポールを使うよりも)立位の姿勢が安定するというのがその理由。立位の姿勢が安定、と書いたけど、体幹機能障害もある為、何も持たずに立つこと自体が今は難しい。
HAL入院
2024年12月上旬からHAL入院。5月の入院では体験させてもらったけど、今回は本格的にHALを使っての歩行訓練。
HAL歩行訓練実施の前に実施前評価(なるべく速く2分間歩いたり、10mを自分のペースで歩くなど)と、色々な検査があった。検査にはホルター心電図の検査やCTで筋肉量などを見るなどもあったので、経過を見ていくという点でも、ペースメーカーを埋め込んでいる私の体調観察という点でも万全。
あと、入院して一週間経った頃にボトックス(ゼオマイン)注射も打ってもらった。前回までは膝から下のふくらはぎに打っていたけど、今回は右足太腿の内転筋あたりにも打ってもらった。
HALの装着
HALの装着は2〜3人がかりで20分くらいはかかる。まず、膝とか太腿とか足の付根(鼠径部辺り)に電極を付ける。あと、心電図も。その後、吊り下げられた立位の状態でHALをつけてもらう。靴もHAL専用の靴を履く。
通常のPTはリハビリの一単位(20分間)か二単位(40分間)だけど、HALは80分間の時間が確保されていて、しかもPTだけじゃなくリハビリ助手さんなんかも合わせると毎回3〜4人がついてくれる。なんだかとても申し訳なくなる。
HALを装着しての歩行訓練
この病院では、HAL歩行訓練に関しては、月・水・金の週3回で合計9回。体にハーネスを付けて上から釣ってもらうので転倒することはない。初回はトレッドミルを使い、2回目は最初はトレッドミルの上で、後半は普通にフロアを歩いた。3回目以降はフロアで50mもしくは100mごとに休憩を取りながら歩く。
HALをつけて歩くのは正味30分程。最初は250mくらいしか歩けなかったけど、HALに少しずつ慣れてくると距離も伸びて、最長で900mの歩行訓練ができた日もあった。
HALの歩行訓練には慣れが大事だと思う。頑張って無理に足に力を入れると暴れる感じになるし、疲れてくると重く感じる。その状況を見て、PTさんがアシストを上げてくれたりの調整をしてくれるけど、最初はなかなか難しかった。
私の場合は、5回目くらいから少し慣れてきたかなという感じだった。
HALの前後評価
HALでは9回の歩行訓練の前後で効果を測定するための評価がある。色々あるが患者である私の立場でわかりやすいのは、2分間歩行(どれくらいの距離を歩けたか?)と10m歩行(何秒で歩けたか?)あたりだと思う。全ての評価を聞けた訳ではないけれど、2分間歩行はHAL実施前の評価では61.8m歩いたのに対して、HAL実施後の評価では75.2m歩けた。ひとまず、効果があったことがわかって良かった。
今回はHALを使った歩行訓練は初めてだったので、一ヶ月後にもう一度、評価が行われる。今日(1月12日時点)では、まだなので、行われた後に、また結果をこちらで記録しておこうと思う。
この一年のまとめと今後
というわけで2024年を振り返ってみた。この病院でのHAL歩行訓練は、私が希望し、ある程度の効果が認められれば半年後以降にまたできるとのこと。自分でも少し効果を感じたし、前後評価でも全般的に改善されていたので、またHAL歩行訓練の為の入院をできるのではないかと思っている。ただ、希望者が多いようで8〜9ヶ月後になるかもしれない。そして、おそらく、次のHAL入院までに1〜2回、通院でボトックス注射を打つことになるだろう。
緩徐進行性の痙性対麻痺な私だけど、3ヶ月に一回くらいHALで一ヶ月程度の歩行訓練をやって、3ヶ月に一回くらい鳥取本部で初動負荷トレーニングをやって、普段、提携施設で初動負荷トレーニングをやれば、機能改善で少し歩けるようになるのではないかと個人的には本気で思っている。自分個人の間隔としては、それくらい、HALと初動負荷トレーニングには効果があると感じているので。
現状は、HALでの歩行訓練ができるところはロボケアセンターを含めても限られているし、初動負荷トレーニングもその点では同じ。両方どころか、どちらか片方もできない地域が多いだろうけど、こういう施設や病院がもっと身近になって多くの人ができるようになれば良いなと願っている。
私のような、病気で痙性対麻痺の症状を持つ人の役に立てれば良いなと思うので、今後もたまに痙性対麻痺の情報、状況を書こうと思う。また、この病気、症状を知ってもらうのに役立つのであれば、新聞、テレビ、雑誌、ネットなどへの情報提供にも、できる限り協力しようと思う。実際にそういう連絡を頂いたりもしているので。
痙性対麻痺という私と同様の症状の方もいるようなので、私の経験が少しでも参考になれば幸いです。
たぶん痙性対麻痺ってそんなにメジャーな症状ではないので、少しでも多くの方に知ってもらって、少しでも良い治療やリハビリが出てくること、身近にそうしたことができる施設や病院が増えることを切望しています。