ベルリン TOA 2018 欧州最大のスタートアップイベント Tech Open Air Berlin
ベルリンで 2018年6月19〜22日に開催された欧州最大規模といわれるスタートアップイベント TOA に参加してきました。メイン会場は、ベルリンの中心部を流れるスプリー川沿いの Funkhaus。全体の来場者数は2万人規模。本会場の他にも、ベルリン市内で多数の「サテライトイベント」が同時開催されている。アートや音楽・テクノロジが混ざっていて、会場が街じゅうに分散しているあたり、短い簡単な説明としては「SXSW の欧州版」のようなイベントです。もっと手作り感がある。
場所はドイツだけど、イベントで話されるのはドイツ語でなくて、すべて英語になります。日本人もざっくり数えて40〜50人くらいは参加していた気がします。今どきこういうイベントだと日本人より中国系の方が多いイメージがありますが、今回は、アジア系の参加者では日本人が最大勢力と思われます。
会場編
オープンエアが開放的で気持ちいいです。カンファレンスの基調講演など主なトークは屋内です。一番大きな部屋は椅子がなくて、みんなそのへんに座ります(他の部屋は椅子がある)。東京でやるなら、天王洲アイルか豊洲とかお台場とかが近いけど、こう大きな箱と公園・水辺がセットに使える場所はあるかなあ。
Haus of Tech
隣のビルでは、Haus of Tech としてスタートアップの製品展示やサービス紹介が行われています。SXSW/CES ほどの規模はなくすぐ見て回れる。US のスタートアップ系イベントのようなギラギラしたバブル感がないです。
展示会場は熱気があって相当ワイガヤしているので、Google など企業ブース内のワークショップ(セミナー)は、スピーカーを使わずにワイヤレスヘッドホン経由で聞く形式になっていました。ここだけかなり静か。ヘッドホンで音がクリアなので、聞き取りやすい。この仕組みは賢い。
お隣のダイムラーのブースもヘッドホン形式。
オープンエア
Tech Open Air という名前の通り、屋外でもトークがあります。
この牧草ベンチは、ふかふかで大変気持ち良い。
ハンモックも木漏れ日が気持ちよ過ぎる。時差ボケのときは危険です。
エントランス。初日の朝は、すごく並びました。受付オペレーションがびっくりするほど遅すぎる。ドイツ人がまじめ過ぎるのか?
CES とか SXSW なら事前レジストレーションでバッジゲットできるけど、TOA でもやってたのかな?(不詳)
受付後の入退場には、非接触タグを利用。
Designing for Natural Interfaces
トークもたくさんあるのですが、個人的にいちばん興味深かったのは、コペンハーゲンの IKEA https://www.ikea.com/ms/ja_JP/this-is-ikea/ikea-highlights/IKEA-secret-innovation-lab/ の SPACE10 https://space10.io/ A Future Living Lab の Kaave Pour さん https://twitter.com/kaavepour による「Designing for Natural Interfaces」でした。
SPACE10 では Team>Residents>Collaborators>Community のネットワークで仕事をしているそうです。THE GUILD とちょっと似ている。
インターフェース進化の話。
その昔、キーボードが発明されて、人間がタイプ方法を学んだ。
Mac が出てきたら、人間はマウスでカーソルを動かして、クリックする操作を学んだ。
iPhone が出てきたら、今度は、人間がタップ・フリック・ピンチなどタッチ操作を学び直す必要があった。
つまり、これまでのインターフェースの進化は、デバイスの進化に合わせて、人間が新しい操作方法を学び続けてきた歴史でもある。しかし、音声認識・画像認識など AI が発達したことで、これからは、デバイス側が人間の操作を学ぶようになってきている。
人間がデバイスにやらせる方法を学ぶのではなくて、デバイス側が人間がやりたいことを学んでくれる。PC が普及して、スマホが普及した、その次は NI + AI が普及する、という話でした。
そのほか、アーティストのトークや、社会起業家のトークも人気でした。宇宙飛行士とかも来ていて幅広い。大企業の偉い人が出てくるビジネス系テーマの対談形式の fireside chat は相対的に人気が低かった気がする。
前夜祭
時間を遡って、本編が始まる前日の公式前夜祭は、本会場近くの Jackie O でした。この日も、市内各地でサテライトイベントが多数開催されているので、そっちに参加している人も多そう。分散型。
こちらもオープンエア。早めの時間帯だったので、参加者は少なめ。
こちらも川沿いなので、桟橋にも繋がっています。
会場での飲食
会場内は、水・ビールやアルコール類がフリーで飲み放題。(ただし Expo オンリーの安価なチケットで入れるエリアは対象外になっていた模様)
食事は有料。ドイツと言ったらカリーブルストでしょ。€3.00。カレー粉少なめ。味もボチボチで残念。でも人気で途中で売り切れになっていた。
昼時はけっこう並ぶので、駆け足で見て回りたい場合は、なにか少しくらい軽い食べ物を持ち込んだ方が時間の無駄なくスムーズに行動できる気がします。ベルリンはスーパー等は東京とそう変わらない物価で安価です。
120以上のサテライトイベントが同時開催
TOA 本編以外にも、 多数の関連イベントがベルリン市内で開催されまくっています。4日間で120イベントですから、夜開催も多いので、時間は猛烈にかぶります。また、各会場は広いベルリン市内に分散しています。オースチンの SXSW なら複数会場を「はしご」できますが、ベルリンは規模が違うので、全体の1割すら網羅は困難です。事前に内容をよく確認してから、事前登録しておく必要があります。
ブロックチェーン、IoT、社会企業系、フリーランス働き方改革系など幅広いテーマ。TOA のチケット種別によって、優先参加枠が設定されているイベントもあります。人気イベントは、どんどん枠が埋まります。
ベルリンの中心部で開催された SAP 主催のイベントに参加してみました。会場の DATA SPACE は、同社のラボや支援しているスタートアップが入居している施設です。(炭焼きブルストが美味しかった)
宿・交通
ベルリンの市街地から TOA 会場の Funkhaus までは、S バーンやトラムを乗り継いで、ゆっくり20〜30分くらいかかります。S バーン駅と会場を往復するシャトルバスも運行されています。ちょっと離れた郊外なので、我々外国人が都心部から会場に向かうときは、タクシーを使うのが良さそうです。
会場の近くにホテル等はありません。私は近所で Airbnb に泊まって、トラムやシェア自転車で移動しました。しかし、サテライトイベントはベルリン都心部で開催されるので、ホテルもベルリン都心部に泊まったほうが、回りやすそうです。
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