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物を売るのはマーケティングかセールスかはたまた両方か。いや実はPMだったりするのです。

 製薬メーカーで私はドラッグを薬局やドラッグストアに22年間セールスとして売りまくってきました。
 
 その後コンサルタントとして独立した私は無理やり物を売るのに飽き飽きというかヘイトレベルになったので、コンサルティングという無形のものを売るときにはマーケティングで売ると決め、それ以来10年間マーケティングでコンサルティングを売ってきました。
 
 そんなわけで、物を売りまくって都合30年の私はまあ物を売るプロであるだろうから、その方法、果たして物はどうやって売るのが一番いいかについて、ここらで一発30年記念として残しておくことにします。
 
 今日はその一発目。なんか売りたい人は読んでくださいね。

マネージメントの神様ピーター・ドラッガーさんはいいました

 セールスとマーケティングの違いはなにという問いはビジネスシーンでよく起こります。まあ色々回答はあるのですが、その中で私が好きで上手いなあと思うのがドラッガーさんの言葉です。

「究極のマーケティングはセリングをゼロにすることだ」

のようなことを言ってます。なるほどなと思いました。私はマーケティングのマの字もまだ日本に入ってきていないときにセールスマンをやっていました(今はセールスパーソンとよびます)

 文字通りのどぶ板営業でドアtoドアで薬局を周り片っ端から薬を売ってきました。マーケティングという言葉のとらえかたとして、それをセールスの横に並べるやりかたと、マーケティング自身がセールスを包括していて物を売ることの全体をマーケティングというのがあります。

 ドラッガーさんは、この感じだと横に並べていますね。例えば私が薬を売り始めたときに私がいた会社にマーケティングというのがあり、それがすばらしかったらセールスは必要ないということになります、究極的に言えば。

 実際私が入社後10年くらいたったときに、会社にマーケティング部というものを作る、そのために、外資の化粧品会社からマーケティングをやっていたスペシャリストがマーケティング本部長としてはいってきました。

 その人は冒頭の挨拶で「これからはマーケティングでものを売っていきますから、セールスマンはそんなにいらんかも」みたいな内容をもう少しオブラートに包んでぶちかましました。

 その人はやりてのキャリアウーマンみたいな感じで、その冒頭の挨拶に私を含むおっさん営業マンたちはふざけんな何様やと切れまくりました。中にはその所信表明をうっとり見つめるおやじ営業マンもいました。

 そんな流れで実際その数年後に大規模リストラが行われセールスは半分以下になりました。

 マーケティングとセールスってどういう位置づけになっているのだろうと思っている貴殿におかれましては、このようにとらえていただけると色々わかりやすくなるのではないかと思いますので冒頭に述べさせていただきました。

セールスVSマーケティング

 この構図はよくあります。マーケティング部長が外部からはいってきた我が社では、もちろん顕著にでました。ふざけんな、この会社は俺達セールスが支えているんだと自負を持っている営業マンばかりなので、反発がすごかったです。
 
 加えて彼女の年収が3000万円を超えているという噂を聞き、いっしょについてきた若手のマーケティングのスタッフも軒並み1000万円は下回らんらしいでという勝手な憶測から、その反骨心や反発は日に日にエスカレートしてきました。
 
 マーケティングの彼らは、毎月冒頭の全体会議で、今月はこの商品をキャンペーンうって売るので、あなたたちセールスはマーケティングが考えたこの方法で、得意先に伝えてねと言ってきます。

 それを聞いたセールスはそんなプロモーションでは売れるわけないやろと反発し独自のセールストークで押し込んできます。

 ここで余談ですが、この構図を言うときに、セリングとマーケティングと並列にならべるなら、セールスではなく、セリングと言わないといけないのに、ほとんどがセールスとマーケティングって並べますよね。なんかうちの営業マンたちをみていると、セリングって言葉がなんか上品すぎて合わない。そういう意味においても、セールスとマーケティングってうまく言ってるなと思います。

 そんなことで、マーケティング部門ができてからずっとこの構図で戦っているのですが、実はこれ私はものを売るうえでとても大切だと思っています。

 ドラッガーの言葉を思いだしてください。彼は究極のマーケティングはセリングをゼロにと言っています。ということは、相当でない限り、究極出ない限りセリングはゼロにできないんです。

 どうしたって、スマートにマーケティングだけで売るに及ばない範疇が残されていると思うのです。マーケティングは最終的にこちらから直接的にプッシュはしません。セールスはどちらかというとプッシュ・プッシュです。

 私は22年セールスしていて思うのですが、ほおっておいても、マーケティングでうまく商品の説明をしても、商品力がない商品は売れないのです。世の中には実は商品力がない商品が結構あり、それを売るのはセリングしかないのです。

 そんな商品を作って売ること自体がおかしいという話は極めて正論で私はそれを否定しませんが、そんな商品じゃない商品を売り続けて成立している会社もあります。その会社には社員をはじめその家族が大勢ぶらさがっています。それを売るのを辞めたらそこが露頭に迷うのです。だから私は今日もそんなにええかなあと思いながらドラッグを売りまくっていたのです。

 だからドラッガーの言葉には前提がいり、すべてがすばらしい商品であった場合となると思っています。そんなことが今世紀中に起こるとは思えないので、そういう意味でも究極になると思います。

 そういうことで、セールスマンとマーケティング部は戦い続け、この会社をこの商品を支えているのは我々だという自負をもって意見を戦わせるのが、ものを売るために必要な行為だと思うのです。

 セールスとマーケティングの技法や手法については追って書きますが、まず会社には両方必要で、それぞれがプライドを持ってその商品をわたしはこう売るという意見を戦わせ欲しいのです。

 最近は遠慮が増え、双方でリスペクトしている感じがあります。もっと我をだし、お前らがよう売らんから俺が売っているという気構えでやりましょう。まずそこからです。

で、その上のレイヤーに必要なのが実はPM(プロジェクトマネージメント)

 商品を売るのにセールスとマーケティングが絶対に必要で重要としたところで、私はこれを都合30年以上やってきて、思ったことがあります。実はこれだけでは商品売れないんです。もっともっと大切なことがあるんです。

 それがPMです。結局このスキルを持った人がこれをデキる人がいないとどんなにセールスとマーケティングがすごくても商品は売れ続けません。とても単純なことですが、シンプルですが、やってて当たり前、できていると思っているのでないがしろにされがちですが、マネジメントができないと、下位に位置するセールスとマーケティングは絵に書いた餅になります。

 PMには色々やらなあかんノウハウてきなのは色々ありますが、そのなかで一番大事だなと私が思っていて、それに着目あまりしていないのですが、ひとつはゴール設定と、事務処理です。

 プロジェクトにはゴールが必要です。色々やっているうちに行き先がわからなくなるからです。それは思いや理念とかでもいいし、数字でもいい。

 私は毎月毎月、自社の商品を売るというプロジェクトをやっていました。そのゴールは数字でした。今月は6000万円売る、来月は4500万円。というふうに明確なゴールがあった。ノルマってとてもひどく非人道的な目標設定ではありますが、明確かどうかでいえばとても明確です。

 プロジェクトマネージメントという側面から見ても正しいものです。だから私は大嫌いな物を無理やり売るというセールスの仕事もできたのだと思います。

 そしてもうひとつ大切なのが事務系の仕事です。スケジューリングやアポ取りや段取りです。社内や社外とのやりとりも重要な仕事です。実はここをないがしろに、だれでもできるからといい加減に取り組む人が多いのです。ここを徹底しないと、いくらいいセールスやマーケティングのスキルがあってもだめです。

 例えば家の流しやトイレや風呂。そうじしなければ日に日に汚れていきます。誰かがしないとやがて使えなくなります。あなたの家の流しが今日も使えているのは誰かが洗っているからです。

 いやいや流し洗うはなしなんかしていない、我々はプロジェクトを達成するために物を売るんだ、その方法に必要なのはマーケティングとセールスだって言ってんのよ、流しなんかどうでもいいわとなっていると物は売れません。

 あなたに洗えと言っているのではありません。トイレを素手であらったから会社が大きくなったのだと言うたぐいのはなしでもありません。

 流しを洗うは例えです。そういう基本的な仕事は生きるために必要です。物を売るためにはそれをさけて通れません。ノートがなくなったら購入しないといけません、プリンターのインクがなくなったら買わないといけません。

 そんなことやっている暇はないのよ、俺は夢を売っているんだから、夢を叶えるんだからってなってるやつや、ところは物なんて売れません。

 自己啓発的な話をしているのではないのです。スケジュールや商品購入などの事務処理系の仕事ができないのにセールスやマーケティングを学んでも使っても意味がないのです。

 あなたがしなくてもいい、マネージメントをして誰かにやってもらえばいい、でも何をしないといけないかはあなたが把握しておかないといけない。

 物を売るのはセールスかマーケティング、もしくはその両方なのですが、その土台となる、もしくは上位レイヤーに位置するのはプロジェクトマネージメントです。とくにその中の事務処理系です。

 あなたは事務処理が好きですか、得意ですか。プリンターがなくなりそうになったら発注できるシステムができていますか。

 セールスを20年マーケティングを10年プロジェクトマネージメントを10年やってきて、私は知りました。ものやことを売るのに必要なのはこの3つだと。

 もちろん私は言っているだけで、どれもすべて満足にできていません。どちらかというとひどいです。でも、それが必要だとわかったことが30年間の成果なのです。

 今日は一旦ここでペンを置きます。それぞれの細かいスキルについてはこれからここで書いていきます。

 もしあなたがものやことを売ろうとしていて、それに関わっている人で、なかなかうまくいかないなあということであればご相談ください。

 私がそこに行って話をします。私は文章をそこそこ書けますが、話をするほうが得意です。

 よろしければぜひ、アプローチください。


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