2022.05.15 『PLAY ROOM』 @日本橋Double Tall – Art & Espresso Bar
4月から東京へ戻り、小さな部屋を借りて暮らしている。南房総の庭付き一軒家とは真逆なコンクリート打ちっぱなしの1K、全ての家具をことごとく電動ノコギリでぶっ壊し、本と机を車に積んで引っ越した。思い付いたら即行動でラジカルすぎる身体の諸行に、私自身がついていけない。数ヶ月経った今では、コ□ナ禍の田舎暮らしもはるか昔に感じられるほどに情報量が多く、便利で都合のいい日々を送っている。車文化より離れるが故、また酒に飲まれぬよう心掛けたいところです。
そんな自戒もさっぱり忘れ、缶ビールを潰しつつ大手町駅で降りて日本橋方面へ。拙い記憶を総動員して思い出す路地裏に目的地発見、ドアを開ける。本日ダブルトールギャラリーにて開催されるのは、米澤一平氏による新企画『PLAY ROOM』。タップダンサー米澤氏、ダンサー入手杏奈氏、川村が各々事前にセレクトした音源をDJのKagari Mosquitoさんが回し、セッションをする試み。
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「ライブの企画数、今年が最多かもしれない」と語る米澤一平氏は、人と人の対話や交流の現場を着実に形成しているプロデューサーでもある。劇場外の環境で様々なアーティストと関わることができる、彼のコミュニティに勝手に救われているのはきっと私だけではないだろう。
ご一緒する入手杏奈さんとは、約10年ぶりの再会。2012年、中野RAFTによる若手ダンサー創作支援企画「DANCE NEST」にてご一緒、同年青山円形劇場で開催されたダンストリエンナーレトーキョーでの拝見以来。挙動不審で近づくと「シャツのボタン、かけ違えてるよ」と囁かれてクラクラする。最後にお逢いした時から何のくもりも見せない彼女の眼差しに射抜かれ、そのままスタートした。
Kagari Mosquitoさんの紡ぐ研ぎ澄まされた空間のなか、吸われて抜けてゆく音の群れを愉しむ。誰の選曲なのか、本人以外は知らない。他者の音感覚を分けんこしているような、稀に交換し合っているような。お客さんと共に模られ崩れ去り風に散る、まるで砂の城を全力で作っているような遊びに熱中した。
お立ち合いくださった皆さま、ありがとうございました。
川村美紀子
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▼ 川村美紀子ウェブサイト|https://kawamuramikiko.com
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