『World's End Underground /即狂空間』 2022.11.22 @エル・パーク仙台|2022.12.13・17@中野テルプシコール
鯨井謙太郒氏と定方まこと氏によるユニット CORVUS と真夜中のお散歩を重ね、両氏の黙示する『World's End Underground(通称:#WEU)』へ加担させていただくことに。
世界の終わりとアンダーグラウンドについてのアプローチは、およそ2ヶ月をかけて東京 - 仙台間で勃発した模様。その運動体は4つの事象からなり、トーク形態の「#カタルカイ」、創作形態では「#ツクルカイ」、そして公演形態「#フレルカイ」、ワークショップの「#ウゴクカイ」とみるみる表層を変えてゆく。果たして全容を把握された方なんていらしたのかしら、と思うほどに盛りだくさん。
かわむらは「#フレルカイ」即狂空間への参加、事前の仕込み一切なしでCORVUSとやりあうために仙台へ到着。新幹線を降りて勾当台公園駅からつながるデパ地下の、おいしそうな匂いにさっそく悶絶。目的地であるブラックボックスの劇場、エル・パーク仙台は三越の上階に構えられており、デパートを経由した現場入りは初めて。オムライスを片手に、エレベーターボタンを押して浮上する。
鼓膜を通す前に身体を出入りする、DJ:APETOPEの断片的な波動。鯨井氏・定方氏の影、エンド、その背景で静かに続いてゆくかもしれない何か。薄灯りに浮かぶお客様の、向かい風に背中を押されるような眼差し。人や機器の機微へふと触れるスタッフの指先や、裏に積まれた牛タン弁当のきらめきなど。
凍える帰り道、大通りの中央分離帯に溜まった枯れ葉の舞う様子も印象的だった。仙台での日々は次回、短篇集にも入れたいな。
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そして帰京、中野テルプシコールにて始まるインタビュー。聞き手:呉宮百合香氏、撮影:酒井直之氏によるもの、被写体の対話能力が危ぶまれますがご容赦を。
東京公演は全6回。前半は即狂空間・後半はCORVUS振付、毎回出演者の異なる枠組みも仙台と同様。しかし東京の振付パートでは渡邉茜氏に代わり、先の「#カタルカイ」でも鮮やかな司会を務められた共同企画者:呉宮百合香氏が特別出演。CORVUSにいざなわれ、どこまでも境界を超える姿に銀河系を感じる・・!
堂々巡りを投げだす初日。そして3日目のTOJU回を拝見して佇む5日目。明らかに舞台上の人口密度(体感)が物理的な個体数と比例しづらい場において、未来の身体がいま過去を踊らせる可能性を模索する。常に過去形のアンダーグラウンド、社会的にも精神的にも触れられたくなければ触れたくもないらしいそれの息づき方は、帰ってこられた人々による礼節と沈黙ないし小さじ一杯分のエンターテインメントのほかに存在するのだろうか。どうしても、まっとうな言葉で伝えることが最善と思いきれない自分がいてしまう。そうして目の前を過ぎゆく、懐ふかい身体たちを感じる。
終わらない、終わりたくないままぶった斬られる終焉。鯨井謙太郒氏と育む衝動、定方まこと氏と味わう概念、実地で考え続けられる機会が嬉しく。
いつかまた、時を狂わすお散歩を。
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【2022年12月28日】
東京公演のお写真を追記しました
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▼ 川村美紀子ウェブサイト|
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