2021.11.10 - 12 『ボーイレスクデビュー』 @京都UrBANGUILD
京都まで片道500キロメートル、約7時間。オイル交換、ナビ地図更新、タイヤ空気圧。車をしっかりメンテナンスしてもらい、なぜか新幹線で向かう。熱海通過のアナウンスを聴くなり喫煙ルームに突入し、山側に構えられた小窓から富士山を眺めて到着。
二条通りを目指して歩いていると、折りたたみ自転車に乗ったJが登場。誰も住まないシェアハウス、通称「Fp.」に入場。この20畳ほどの簡素なワンルームに、日々仲間たちが集うという。
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「それまで童貞だったけど、初めての相手が美紀子さんで、脱ぎ方がヤバすぎて、結果ボーイレスクに目覚めた!みたいな設定で・・」
Jは何かを話し続けていた。依然として内容は不明なものの、その声色から綿密さが受け取れる。こうしてJが熱量を持って語るので、私も京都に来たのだった。
スタジオへ向かい、ボーイレスクの師匠にご挨拶。物腰やわらかな佇まい、舞台に立たずとも学び多き身のこなしに釘付けに。お手製のペイスティを頂戴した。
世界一小さな衣装、乳首まわりに貼って着用
京のお菓子に似ている
弟子らしきお三方のソロ作品を拝見し、UrBANGUILD(アバンギルド)へ。雑居ビル内に構えられた店舗を全てぶち抜いたという内装、広々としたドープな空間をじんわりと味わう。久方ぶりのグレムリンさんと再会、仙波さんもお出ましになりお二人とのセッションが発生。
その後も入れ替わり立ち替わり、様々なアーティストが現れては去ってゆく。Jがこの春に立ち上げたというアーティスト・コミュニティーで、フラットになされるパフォーマンス&意見交換。えらい事を自然にやってのけているアーティストたちを目の当たりにして、カルチャーショックを受けた。呆気にとられていると、師匠によるボーイレスク・レクチャーがおもむろに始まる。
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── 焦らし、焦らして、焦らす。お客様を楽しませ、自分も思いっきり楽しむ。いかにして脱ぐか。猥雑になりすぎず、最後までやり散らかすこと ── by師匠
焦らしのテクニックは完全に飛び散ったが、いかにして股間とともに存在するか、それのみを考えた。キラキラ輝くモールに、ラベンダーの造花を貼りながら。
ラベンダーの花言葉を検索。
── あなたを待っています・期待・沈黙・清潔・疑惑 ──
お勉強中の皆さんのショーを見て、自身もやれるという贅沢なひととき。脱ぐため緻密に計算された機能的な衣装の数々、次回は自分で製作してみたい。終演後には命名式が行われ、es dystopiaf(エ・ディストピアフ)というボーイレスクネームが決まった。師匠はじめ、共にお知恵くださった方々に感無量の気持ち。最終日はJの作品撮影、彼の言っていた意味が分かりそうな寸前で解散。房総の旧宅、四谷の旧茶会記、茶会記クリフサイドにて面会を重ねること数年。また新たなページが刻まれたことを幸に思う。
川村美紀子
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