「覆水盆に返らず」
<<はじめに>>
このマガジンは、
「情報の大切さと、怖さ」
を理解してもらうべく、執筆しています。
毎回、記事冒頭に、批判覚悟で訴えます。
・「情報はすべての行動の基本になる」
・「考えることなく、情報を鵜呑みにしたら、知的生物ではない」
コロナ禍で露呈した、マスメディアと視聴者の関係、情報の大切さを考察します。
<<対象となる記事>>
「自宅飲みで感染させた」 20代女性が“後悔”語る
テレ朝 News 2021/06/25(金) 13:21
https://news.yahoo.co.jp/articles/2f2e8e9f84301f7172af11d341bdb8e202cd4d78
彼女が、風邪だと思い薬を飲んで回復。
その後、徹夜でマスク無し家呑み。後日友人が感染、自らも感染が発覚。
という記事です。
マスク有で、宴会もどうかと思いますが、その点はおいておきます。
さて、記事の中に
都内で自宅療養する20代女性:「知らない間に自分の大事な人は傷つけてしまっている。大変な目に遭わせてしまう」「泣きたくても泣けないし、正直、覆水盆に返らずって感じです」
と書いてありました。
そして、録画映像も顔をぼかして、同じ発言がされていました。
<<覆水盆に返らず>>
「覆水盆に返らず」
この言葉は、主に男女の縁について使われます。
太公望呂尚(呂蒙とも)が妻に復縁を迫られた時に、太公望が発した言葉とされています。
太公望は、中国の古い王朝「殷」を打倒した、「周」の王を支えた人物です。文王が望むような人物として、「太公望」と呼ばれた様です。
日本では、釣りの神様としても信仰があり、鯛を釣り上げている像や絵画があります。鯛は「魚」と「周」。そして、「鯛を釣り上げる」=「周を大陸統一に導いた」といわれている様です。
さて太公望は、都で役人を目指していましたが、中々決まらず。家で本ばかりを読んでいました。そして、いつかは大物になると。
しかし妻は一向に働かない太公望に対して、愛想をつかして離別(そうですよね)。
そして、月日は経ち太公望が周の功労者として都に凱旋。その時に妻は復縁を申し出た様です。しかし、太公望はそれを拒絶。
”妻にお盆に水を汲ませてこさせ、自ら庭にまき散らす。
そして、その水を盆に戻せたら復縁すると明言します。
しかし、妻は不可能と返答(当たり前ですよね)。
それを指して、一度別れた者(特に男女)は元には戻らない事を示唆”
元妻は、自殺した様です。
これが、「覆水盆に返らず」に当たります。
<<誤用>>
これは、若者への侮辱にも値するかもしれませんが、
「覆水盆に返らず」の言葉をよく知っていたと感じ入りました。
ただ、使い方を間違っていますが。
この場合、「後悔先に立たず」が正しいでしょう。
この件で、友達や彼氏と別れざるを得なければ、「覆水盆に返らず」でも間違いではないのですが。
<<記者へ>>
該当の動画を視ていただければわかりますが、映像は何度かに切り分けられて、編集されて流されています。途中の無言の時間などを削除したと思いますが。
確かに、記者が取材対象の言葉を勝手に変更するのは良くありません。
(テレ朝&朝日新聞はよく行っているようですが)
しかし、リアルタイムでない以上、
「それは”覆水盆に返らず”ではないよ」
と教えてあげて、言い直してもらう事ができたのではないかと思います。
彼女の友達も見ているかもしれません。であれば、正しい言葉を教えてあげても良いのではないか。
記者が無知なのか。
若者の無知、誤用を嘲(あざけ)るためか。
こういった誤用を広める為か。
理由は不明ですが、”ペンは剣よりも強し”を旗印にしたマスコミ。日本語のプロフェッショナルの筈です。
正しい日本語を教えてあげても良いのではと思う記事でした。
<<最後に>>
最後に、
・亡くなられた方にはご冥福を祈り、その関係者にはお悔やみを。
・闘病中の方には一日も早い回復を。
・医療従事者の方々には只々感謝するばかりです。
・仕事が厳しい方は早まらず、もう少し我慢を
伝えて、終わりたいと思います。
続く