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「尾身氏の見るシナリオ」考

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長尾身茂氏に、
BuzzFeed Newsが2月28日、単独インタビューをしたそうである。

<<目次>>

・目次
・はじめに
・検証する記事
・発言の検証
・まとめ
・最後に

<<はじめに>>

このマガジンは、
「情報の大切さと、怖さ」
を理解してもらうべく、執筆している。
毎回、記事冒頭に、批判覚悟で訴える。
・「情報はすべての行動の基本になる」
・「考えることなく、情報を鵜呑みにしたら、知的生物ではない」

コロナ禍で露呈した、マスメディアと視聴者の関係、情報の大切さを考察する。

<<検証する記事>>

「なぜ、医療崩壊は全ての人にとって「他人事」ではないのか? 尾身茂会長が避けたいと願う「最悪のシナリオ」」
BuzzFeed 2020年12月30日 18:45頃
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/omi-shigeru-1

引用1:「感染は都心部から広がっている」

その中で都心部、東京を中心とした首都圏が感染の核になっていると我々は分析しています。
そこから、人の動きで全国に感染が広がったと考えています。
例外ももちろんありますが、何事にも原因と結果がある。どうしても、現象として現れたものに注意が向きますが、地方における感染拡大は結果であって、そうした感染は都心部から広がっているということを若い人たち含め、みんなに知ってほしい。

引用2:「怪我などでも病院に行けなくなる、救える命が救えなくなる「最悪のシナリオ」」

スキーへ行って怪我をした時、すぐに治療できないかもしれません。盲腸になっても手術できないかもしれない。

これでは社会不安が広がり、社会経済活動も止まってしまいかねない。そうなると、今よりも求人は減るでしょうし、失業率も高くなる。

病気で亡くなる人が少なくなったとしても、自ら命を断つ人がさらに増えかねません。

感染が下火になれば、また経済を回せますし、Go To事業だって回せるわけです。まずはいち早く、感染を下火へと転じさせなくてはいけません。

<<発言の検証>>

この記事では、日本での医療機関は空気のような存在。
(水と安全はタダと同じような感覚)

「対策の強化を社会全般と政官界に訴えてきた」
正直、社会全般に訴えてきたとは、大袈裟な表現である。
以前にも書いたが、「GoToトラベルを利用するな」ぐらいの発言で初めて訴えていると言えるだろう。
「医療機関が逼迫し始めているから・・・」では、明らかに弱い。
また、マスメディアを通しての自分の意見を見ているのだろうか?あれで伝わっていると思うなら、表に立つ人材ではない。

引用1より
その中で都心部、東京を中心とした首都圏が感染の核になっていると我々は分析しています。

これは、尾身氏の発言か、記者の書き方かは不明だが、書き順が逆である。パッと読んだ感想であれば、都市部”の”首都圏と足られやすい。
首都圏”や”都市部と書くべきである。

ちなみに、首都圏は
「首都圏整備法第2条第1項および同施行令第1条」に定義があって、北関東3県、山梨県まで含まれる。
まぁ尾身会長からすれば、山手線沿線位の意味だろう。

どうしても、現象として現れたものに注意が向きますが、地方における感染拡大は結果であって、そうした感染は都心部から広がっている

これは、正確な表現なのであろうか?
中国武漢にて発生したウイルスが、風に乗って日本に来て増えたというのは、まず考えにくい。ヒトが媒介主として、移動先でウイルスを拡散させたことに違いはないだろう。

しかし、筆者としては、「結果として地方における感染は都心部からの感染広がり」には異を唱えたい。
ウイルスはヒトによって運ばれる。しかし、なぜ都市部からと断言できるのであろうか?

コロナ禍が騒がれた時、中国人団体客を乗せたバスで運転手・添乗員が陽性になった。
クルーズ船にて、沖縄に立ち寄った船からの乗客にも陽性者はいた。
多数の例を見ても、都市部を原因とする論調はいただけない。
政府の「GoTo」政策を念頭に置いているのではと疑う。

引用2より
スキーへ行って怪我をした時、すぐに治療できないかもしれません。盲腸になっても手術できないかもしれない。
これでは社会不安が広がり、社会経済活動も止まってしまいかねない。そうなると、今よりも求人は減るでしょうし、失業率も高くなる。
病気で亡くなる人が少なくなったとしても、自ら命を断つ人がさらに増えかねません。

スキーへ行っての骨折の治療ができない。ならば、リスクマネージメントを行い、スキー客も減る可能性は十分ありうる。

しかし、盲腸はどうだろうか?
これは、何かを気を付けたことろで発症率が下がるものなのだろうか?
盲腸の治療ができず、致死率が上がるなら社会不安は確かにあろう。
しかし、だからと言って、社会経済活動が止まる事はあるのだろうか?
求人は減るのだろうか?失業率が高くて自殺者が増えるのだろうか?

おもいっきり、尾身氏を擁護するのであれば、
「人間いつ死ぬかわからない。であるから、仕事を除いて愛する家族と濃厚に同じ時間を過ごそう」
とでも取れという事か。

<<まとめ>>

筆者は、GoToトラベル停止の原因は、尾身氏であると思っている。
確かに、有識者からGoToトラベルの危険性が出ていた事も確かであり、反政府の記事を書きたがる一部マスコミも同じ論調であった。

しかし、専門家しかも政府の認めた会の会長でもある尾身氏から
「個人としては、エビデンスはないが、関係している様に思える」
発言は、中間層を反GoToに風向きを変えた事に違いはない。

菅内閣の支持率低下は、コロナ対応の失敗と言われている。
(他にも、茂木外相の中国王氏への対応など)
確かに菅総理は支持率の低下を受けてか、GoTo停止の指示を出した。一部からは「ひよった」と信も薄れた。

一方で、マスコミの発信は遅かったが(故意に?)、
海外からの検疫フリーの入国がある。
GoToの前に、こちらを止めなかったのはなぜか?
また、止めずとも、そちらに言及しないのはなぜか?
今回の記事でも、その点にすら触れていない。
他にも、
・一部安定した夏場に、冬場の感染拡大に向けて準備を怠った。
・一部情報として出ていた、「人の移動では感染しない」の否定はしたのか?

尾身氏が経済を語るのであれば、まずは先のセリフを反省してからにもらいたい。明らかに経済活動は低下している。

尾身氏はこの文章で良い事を述べている。
「(すべてではないが)何事にも原因と結果がある。どうしても、現象として現れたものに注意が向く」
このコロナ禍で、世が混乱した原因をなんだと思っているのか、尾身氏に強く問いたい。

はっきり言えば、無責任な発言で、世を混乱させた張本人とも言えるのではないだろうか?
そして、今でも自分は正しいと思っているのではないだろうか?

<<最後に>>

最後に、
・亡くなられた方にはご冥福を祈り、その関係者にはお悔やみを。
・闘病中の方には一日も早い回復を、
・医療従事者の方々には只々感謝するばかりである。
・仕事が厳しい方は早まらず、もう少し我慢を
伝えて、終わりたいと思う。

続く








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