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NVIDIA Isaac for AMR(Autonomous Mobile Robot)は、自律移動ロボットの開発プラットフォームとしてNVIDIAが提供しています。


最近、あるゴルフ場でロボットが食事を配達してくれました。注文後、ロボットは料理をトレイに載せて、お客様や椅子を巧みに避けながら運んできます。現在は新米ロボットなので、失敗することもありますが、それに対する謝罪も用意されています。しかし、観察していると、このロボットは人やテーブルにぶつからずに障害物を巧みに避けています。このようなロボットがレストランやホテルで広く使われる時代が到来しています。このロボットの学習には、NVIDIAのシミュレーション技術が活用されています。

NVIDIAは、自律走行を支援するSDKを無償で提供しており、そのAIモデルをJetsonにデプロイすれば、自律走行が可能です。しかし、他の自走ロボットと人がぶつからないように自走機能を向上させるには、繰り返しのトレーニングが重要です。NVIDIA Isaac for AMRを使用すれば、膨大な訓練時間を大幅に削減できます。NVIDIAの最大の特徴は、Jetsonなどのデバイスの提供だけでなく、それらを活用するためのSDKも提供していることです。スーパーコンピュータ、CG、AI開発、ヘルスケア、スマートシティ、自動運転、ロボット開発など、用途に応じて150以上のSDKを提供しており、全世界でGPUは10億台以上、開発者は250万人以上という巨大なエコシステムを築いています。

SDKはロボティクスではIsaac、ヘルスケアではClara、自動運転ではDRIVEと命名されています。

AIロボットの開発では、まずは大量のデータを収集し、そのデータをDGX AIサーバーで処理して、自律走行用のAIモデルを訓練します(学習)。Isaacプラットフォームのシミュレーターは、NVIDIAの重要な特徴の一つです。現実世界で自律走行ロボットをテストする際の衝突による破損や故障、人との衝突の危険を避けるため、シミュレータが役立ちます。シミュレータを使用すれば、どのような状況でもトレーニングが可能です。シミュレータ環境では、ロボットの設計、マッピング、トレーニングなどの開発全般を行うことができます。NVIDIAは自走ロボット開発に特化したシミュレータとしてIsaac for AMRを提供しています。自走ロボットのシミュレーション環境の構築に加えて、合成データの生成、最適なルーティングの検出、マッピング、AI画像システムとの連携が整備されています。

下記の機能が用意されています:
1)Isaac GEMs: Isaac GEMには、障害物認識を高精度で行うNVBLOXと自走ロボットの3D ビジュアル ナビゲーションが用意されています。


2)Isaac Sim: NVIDIA Isaac SimはOmniverse上に構築され、デジタルツイン環境の中で、複数のロボットの制御や、周囲の人や機器の動作をシミュレーションできます。AIモデルをトレーニングするための合成データの生成も可能です。


3)Omniverse Replicator: Omniverse Replicatorは、Isaac Sim 向けに環境や台車やフォークリフトなど、AIモデルをトレーニングするために合成データを生成するツールです。自走ロボットが安全に自律走行したり、障害物を回避するなど、一般的な事故を未然に防ぐために活用できます。
4)cuOpt: NVIDIA cuOptは、自走ロボットを使った物流倉庫におけるピッキングやリアルタイム・ルーティングを最適化するAI物流ソフトウェアAPIです。リアルタイムで経路計画を最適化することができ、複数の自走ロボットの制御にも適用することができます。
5)Perceptor: Issac Perceptorは、物体認識、障害物回避、目的地到達を実際に実現する自律走行システムです。センサー、マイコン、モーター、GPUが連携し、安全かつ効率的な自律走行を提供します。
6)DeepMap: クラウドベースのNVIDIA DeepMapプラットフォームSDKにアクセスして、大型施設のロボット・マッピングにかかる期間を数週間から数日に短縮することができます。精度もセンチメートルレベルの精度で実現できます。また、ロボット・マップを必要に応じてリアルタイムで更新するDeepMap Update Clientも用意されています。
7)Metropolis: NVIDIA Metropolisは、AI対応のビデオ分析アプリケーションを開発支援するアプリケーション・フレームワークです。Metropolis自体は、一般的なビデオカメラとセンサーをAI対応のビデオ分析システムと組み合わせることで、小売分析、都市交通管理、空港運営、自動化された工場など、幅広い業界の映像分析ソリューション、コンピュータの目として利用されています。自走ロボットと連携した場合、工場のフロアの状況をAIが認識することができ、混雑した場所や死角、一時的に利用できないルートなどを避け、人や他の自走ロボットとの連携を高めることもできます

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