ATTの純利益が1億ドルであるのに対し、調整後EBITDAが116億ドルと大きく異なっている原因と株価上昇の理由
ATTの2024年Q3の決算が発表され。
5Gと光ファイバーで顧客を獲得し、モビリティとブロードバンドの成長を実現した。
第3四半期の連結業績
売上高302億ドル
希薄化後(オプション行使)はEPSは$(0.03)、調整後EPS*は$0.60
営業利益21億ドル、調整後営業利益*65億ドル
純利益1億ドル、調整後EBITDA*は116億ドル
AT&Tの決算において、純利益が1億ドルであるのに対し、調整後EBITDA(利息・税金・減価償却費・償却費控除前利益)が116億ドルと大きく異なっているのは、以下の理由によるものです:
主な調整要因
非現金のれん減損
AT&Tは当四半期に多額ののれん減損を計上しました。これは非現金項目であるため、調整後の数値からは除外されています。減価償却費と償却費
EBITDAの定義上、減価償却費と償却費が加算されます。AT&Tのような大規模な通信会社では、これらの費用が非常に大きくなります。DIRECTV投資に関連する無形資産の償却
AT&TはDIRECTVへの投資に関連する無形資産の償却を調整しています。利息と税金
EBITDAは利息と税金を控除する前の利益を示すため、これらの費用も加算されます。
調整の詳細
AT&Tは以下のように調整後EBITDAを計算しています:
純利益 0.1億ドル
法人税費用 13億ドル
支払利息 17億ドル
関連会社の純利益 -3億ドル
その他の収益/費用 -7億ドル
減価償却費と償却費 51億ドル
その他の調整 44億ドル
これらの調整の結果、調整後EBITDAは116億ドルとなっています。
結論
この大きな差異は、主に非経常的な項目(特にのれん減損)と、通常の事業運営に関連する大規模な非現金費用(減価償却費など)によるものです。調整後EBITDAは、これらの要因を除外し、AT&Tの基本的な事業パフォーマンスをより適切に反映しようとしています。
Q: ATTの、「のれん、減損」は具体的に何か数字で説明してください。
のれんと減損の背景
のれんとは、企業が他社を買収する際に支払った金額のうち、実際の資産価値を超える部分を指します。これは無形資産として計上されます。
減損は、こののれんが当初期待した価値を生み出せなくなった場合に、その価値を帳簿上で修正する会計処理です。
AT&Tのケース
AT&Tは過去にメディア事業への投資を行い、その際に多額ののれんが発生しました。しかし、これらの事業が期待通りに利益を生み出さなかったため、2020年度に大規模な減損損失を計上しました。
具体的には、AT&Tはメディア事業の不振により、2020年度に多額の減損損失を認識しました。この結果、のれんの水準は低下しています。
このように、AT&Tは過去のメディア事業への投資によって生じたのれんについて、その後の業績不振から減損リスクが高まり、大規模な減損処理を行うことになりました。
Q: のれん、減損が多いのでATTは潰れそうに見えます。いつまで・暖簾、現存を計上しなければならないのでしょうか?
AT&Tののれんと減損の状況は確かに懸念事項ですが、会社が直ちに潰れるという結論を導くのは早計です。以下に、AT&Tの状況と一般的なのれんの会計処理について説明します。
AT&Tの状況
過去の減損
AT&Tは2020年度に多額の減損損失を計上しました。これは主に以前に行ったメディア事業の取得によって発生した多額ののれんが、事業不振により価値を失ったためです。事業再編
AT&Tは2021年から2022年にかけて、問題となっていたメディア事業を段階的に売却しています。これは財務状況を改善するための戦略的な動きと考えられます。のれんの水準低下
過去5年間で、AT&Tを含む多くの通信事業会社ののれんの水準は全体的に減少傾向にあります。これは、過去の積極的な買収戦略が見直されていることを示唆しています。
のれんの計上と減損
のれんの計上期間
のれんは無形固定資産として貸借対照表に計上され、原則として償却されません。ただし、定期的に減損テストを行う必要があります。減損テスト
少なくとも年に一度、または減損の兆候がある場合にはより頻繁に、のれんの減損テストを実施します。計上の継続
のれんは、その価値が維持されている限り、貸借対照表に計上し続けることができます。ただし、将来の回収可能性が見込めない場合は減損処理を行う必要があります。
結論
AT&Tは確かに大きな減損を経験しましたが、これは過去の戦略的決定の結果であり、必ずしも会社の存続を脅かすものではありません。むしろ、問題のある事業を売却し、のれんの水準を下げるなど、財務健全化に向けた取り組みを行っています。
のれんの計上は、その価値が維持される限り継続されますが、AT&Tを含む多くの企業は、より慎重な買収戦略と定期的な減損テストにより、財務リスクの管理を強化しています。
したがって、AT&Tが直ちに潰れる可能性は低いと考えられますが、今後の事業展開と財務管理を注視する必要があります。
Q: ATTが多額の「暖簾代」と「減損」に至った経緯、失敗を時系列でわかりやすく説明してください
AT&Tの「のれん代」と「減損」に至った経緯を時系列で説明します:
2010年代前半:メディア事業への積極的投資
AT&Tは通信事業の成長が鈍化する中、新たな収益源を求めてメディア事業への投資を開始しました。
2015年:DirecTVの買収
AT&Tは約490億ドルでDirecTVを買収し、有料テレビ市場に本格参入しました。
この買収により多額ののれんが発生しました。
2018年:Time Warnerの買収
AT&Tは約850億ドルでTime Warner(現WarnerMedia)を買収し、コンテンツ制作事業に参入しました。
この大型買収によりさらに多額ののれんが計上されました。
2020年:大規模な減損処理
メディア事業の業績不振により、AT&Tは2020年度に多額の減損損失を計上しました。
特にDirecTVとTime Warner関連ののれんが大きく減損されました。
2021年-2022年:メディア事業の売却
AT&Tは戦略の見直しを行い、2021年から2022年にかけてメディア事業を段階的に売却しました。
これには、DirecTVの一部売却とWarnerMediaのスピンオフが含まれます。
失敗の要因
市場環境の変化: ストリーミングサービスの台頭により、従来の有料テレビ市場が縮小しました。
高額な買収: DirecTVとTime Warnerの買収に多額の資金を投じ、多額の負債を抱えることになりました。
シナジー効果の欠如: 通信事業とメディア事業の統合による期待されたシナジー効果が実現しませんでした。
経営資源の分散: 通信事業とメディア事業の両立に苦慮し、両事業の競争力が低下しました。
AT&Tの事例は、異業種への大規模な投資と多角化戦略のリスクを示しています。結果として、AT&Tは本業の通信事業に回帰する方針を取り、財務体質の改善に取り組んでいます。
Q: ここで言う「のれん」とは具体的には何なのか説明して
「のれん」は、企業買収(M&A)の際に発生する会計上の概念で、以下のように説明できます:
のれんの定義
「のれん」とは、企業買収時に発生する、買収価額と買収対象企業の純資産の時価評価額との差額を指します。
のれんの本質
超過収益力: のれんは、買収対象企業の将来的な収益力や成長性に対する期待を表します。
ブランド価値: 買収対象企業の評判、顧客基盤、技術力などの無形の価値を含みます。
シナジー効果: 買収によって期待される相乗効果も、のれんの一部として評価されます。
のれんの計上
買収価額が純資産の時価を上回る場合、その差額が「のれん」として資産計上されます。
逆に、買収価額が純資産の時価を下回る場合、「負ののれん」として計上されることもあります。
会計処理
日本の会計基準では、のれんは20年以内で償却することが求められています。
国際会計基準(IFRS)では、のれんの償却は行わず、定期的に減損テストを実施します。
のれんは、企業の財務諸表上で重要な項目となることがあり、その評価や管理は企業価値の分析において重要な要素となります。
減損テストとは具体的なんですか?
減損テストは、固定資産やのれんの価値が帳簿価額を下回っていないかを確認する会計上のプロセスです。具体的には以下のような手順で行われます:
減損テストの具体的なプロセス
資産のグルーピング
個別の資産や、キャッシュを生み出す最小単位でグループ化します。
減損の兆候の確認
継続的な営業損失
市場価値の著しい下落
事業環境の悪化
資産の使用方法の変更
回収可能価額の算定
使用価値:将来キャッシュフローの現在価値を計算
正味売却価額:市場価格から処分費用を控除
帳簿価額との比較
回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額が減損損失となります。
減損損失の配分
グループ内の資産に減損損失を配分します。通常、のれんから先に配分されます。
具体例
例えば、ある子会社ののれんについて減損テストを行う場合:
子会社全体を一つの資産グループとしてテストを実施
子会社の業績が悪化している場合、減損の兆候ありと判断
子会社の将来キャッシュフローを予測し、現在価値に割引いて使用価値を算出
算出した使用価値とのれんを含む子会社の帳簿価額を比較
使用価値が帳簿価額を下回る場合、その差額を減損損失として計上
このプロセスは、会計基準に基づいて行われ、通常は外部の専門家(会計士や評価専門家)の協力を得て実施されます。
Q: DirecTVの一部売却とWarnerMediaのスピンオフを説明してください。Direct
DirectTVをまだ持っていて損害が残っていると言うことですか?スピンオフとは売り払うことですか?全部売り払いましたか?
AT&TのDirecTVの一部売却とWarnerMediaのスピンオフについて、以下のように説明します。
DirecTVの一部売却
背景: AT&Tは、DirecTVを2015年に買収しましたが、ストリーミングサービスの台頭により、有料テレビ市場は縮小し、DirecTVの業績は低迷していました。
売却内容: 2021年、AT&TはDirecTVの株式の30%を投資ファンドTPGキャピタルに売却しました。これにより、AT&TはDirecTVの経営からある程度距離を置き、財務リスクを軽減しました。
現状: AT&Tは依然としてDirecTVの70%の持分を保有しており、完全には売却していません。したがって、一定の損害やリスクは残っています。
WarnerMediaのスピンオフ
背景: AT&Tは2018年にTime Warner(後のWarnerMedia)を買収しましたが、メディア事業と通信事業のシナジーが期待通りに実現せず、財務負担が増大しました。
スピンオフ内容: 2022年、AT&TはWarnerMediaをスピンオフし、新たにDiscoveryと合併させてWarner Bros. Discoveryという新会社を設立しました。このスピンオフにより、AT&Tはメディア事業から撤退し、本業である通信事業に集中することとなりました。
スピンオフとは: スピンオフとは、企業が特定の事業部門を分離し、新たな独立企業として設立することです。必ずしも売却を意味するわけではなく、新会社の株式を元の会社の株主に配布する形で行われることが多いです。
これらの戦略的な動きにより、AT&Tは財務負担を軽減し、本業である通信事業に注力する体制を整えています。
Q: ATTが暖簾代、減損の処理が終わるのはいつまでですか?スピンオフ完了はいつまでですか?
AT&Tののれん代と減損処理の完了時期、およびスピンオフの完了状況について説明します:
のれん代と減損処理
継続的なプロセス:
のれんの減損処理は一度で終わるものではなく、継続的に行われるプロセスです。AT&Tは毎年減損テストを実施し、必要に応じて減損処理を行います。将来の不確実性:
のれんの価値は事業環境や業績によって変動するため、完全に処理が終わる明確な期限はありません。主要な減損処理:
AT&Tは2020年に大規模な減損処理を行いましたが、これで全てが終わったわけではありません。
スピンオフの完了
WarnerMediaのスピンオフ:
WarnerMediaのスピンオフとDiscoveryとの合併は2022年4月に完了しました。DirecTVの部分売却:
DirecTVの30%株式売却は2021年に完了しましたが、AT&Tは依然として70%の持分を保有しています。
今後の展望
AT&Tは通信事業に注力する戦略を取っており、大規模なメディア事業への投資は終了しています。
しかし、DirecTVの残りの持分や他の資産に関しては、市場環境や事業戦略に応じて、今後も評価や処理が継続される可能性があります。
結論として、のれん代と減損処理は企業の継続的な財務管理の一部であり、明確な「終了時期」は設定されていません。AT&Tは今後も定期的に資産評価を行い、必要に応じて会計処理を行っていくことになります。
Q: DirecTVは黒字ですか
DirecTVの現在の財務状況について、以下のポイントを説明します:
収益性の課題:
DirecTVは、ストリーミングサービスの台頭により、従来の衛星テレビ事業で苦戦しています。加入者数は減少傾向にあり、2021年時点で約1,100万人となっています。AT&Tからの分離:
2021年、AT&TはDirecTVの70%の持分をTPGに売却しました。これは、DirecTVの業績不振がAT&Tの財務に負担をかけていたことを示唆しています。合併計画:
2024年9月30日、DirecTVはDish Networkとの合併を発表しました。この動きは、両社が単独では厳しい市場環境に対応するための戦略と考えられます。コスト削減と効率化:
合併により、年間少なくとも10億ドルのコスト相乗効果が期待されています。これは、収益性改善のための重要な要素となります。債務状況:
合併に伴い、DirecTVはDishの約97.5億ドルの債務を引き継ぐことになります。これは短期的には財務負担となる可能性があります。市場環境:
有料テレビ市場全体が縮小傾向にある中、DirecTVの黒字化は容易ではないと考えられます。
結論として、DirecTVが現在黒字かどうかは明確ではありませんが、厳しい市場環境の中で収益性の改善に取り組んでいることは明らかです。Dish Networkとの合併は、両社の生き残りと将来的な収益性向上のための戦略的な動きと見られています。
Q:AT&Tは依然として70%の持分を保有していますか?
いいえ、AT&Tは現在DirecTVの70%の持分を保有していません。最新の情報によると:
AT&Tの持分売却: 2021年2月、AT&TはDirecTVの70%の持分を投資ファンドのTPGキャピタルに売却しました。
現在の所有構造: 現在のDirecTVの所有構造は以下の通りです:
TPG Inc.: 30%
AT&T: 70%
最新の動き: 2024年9月30日に発表された情報によると、DirecTVはDish Networkとの合併を計画しています。この合併が完了すると、AT&TはDirecTVからさらに撤退することになります。
AT&Tの完全撤退: 合併取引の一環として、AT&Tは76億ドルでDirecTVの70%の持分をTPGに売却する予定です。
したがって、AT&Tは現在もDirecTVの70%の持分を保有していますが、近い将来完全に撤退する計画があります。この動きは、AT&Tがメディア事業から撤退し、本業の通信事業に集中する戦略の一環と見られています。
Q: その場合AT&Tは76億ドルの売却益を計上できますか?
AT&TがDirecTVの70%の持分を76億ドルでTPGに売却することで、売却益を計上するかどうかは、以下の要因によります:
売却価格と帳簿価額の比較:
売却益は、売却価格がその資産の帳簿価額を上回った場合に発生します。AT&TがDirecTVを買収した際のコストや、その後の会計処理(減損処理など)によって現在の帳簿価額がどれくらいかが重要です。
減損処理の影響:
過去に減損処理を行っている場合、帳簿価額が低下している可能性があります。この場合、売却価格が低くても売却益が生じることがあります。
分割払いの影響:
売却金額は複数年にわたって支払われる予定であるため、会計上の処理方法(例えば、現在価値で評価するかどうか)によっても影響を受けます.
したがって、AT&Tが76億ドルで持分を売却することにより、具体的な売却益を計上できるかどうかは、これらの要因に基づく詳細な会計評価によります。具体的な数値については、AT&Tの財務報告書や会計基準に従った評価結果を参照する必要があります。
Q: きょうのATTの決算報告で株価が上がったのは暖簾、減損処理が期待通り進んでいるからですか?
AT&Tの株価上昇は、のれんや減損処理の進展だけでなく、複数の要因が影響していると考えられます。最新の決算報告と市場の反応を踏まえて説明します:
業績の改善:
AT&Tは第3四半期の業績が市場予想を上回りました。
無線サービス収入が前年同期比3.7%増加し、ポストペイド携帯電話の純増加数も予想を上回りました。
戦略的フォーカス:
通信事業への集中戦略が成果を上げつつあることが示されました。
5Gとファイバー事業の拡大が順調に進んでいます。
財務健全性の改善:
フリーキャッシュフローが前年同期比約30%増加し、146億ドルに達しました。
これにより、負債削減と配当支払いの持続可能性が高まっています。
のれんと減損処理:
過去の大規模な減損処理により、のれんの残高は大幅に減少しています。
今回の決算では新たな大規模な減損は報告されておらず、投資家の懸念は和らいでいます。
将来の見通し:
AT&Tは通期の業績見通しを引き上げ、フリーキャッシュフローの予想を160億ドル以上に修正しました。
市場環境:
金利上昇環境下で、AT&Tのような高配当株への投資家の関心が高まっています。
結論として、AT&Tの株価上昇は、のれんや減損処理の進展だけでなく、事業パフォーマンスの改善、戦略的フォーカスの成功、財務健全性の向上、そして将来の見通しの改善など、複合的な要因によるものと考えられます。投資家は、AT&Tが過去の課題を克服し、コア事業での成長を実現しつつあると評価しているようです。