クアルコムはAppleにモデムを取られる
クアルコムの株価見通しと課題💡
アナリストのジョン・ヴィン氏は、クアルコムの株価見通しを「オーバーウエイト(買い推奨)」から「セクターウエイト(中立)」に格下げしました。理由は、アップルの動向です。現在、クアルコムはiPhoneに使用されるモデムチップを供給していますが、アップルが独自のモデムを開発しようとしているため、今後数年間でクアルコムの依存度が減ると予測されています。
ヴィン氏によると、アップルは自社製モデムの強化を段階的に進めており、クアルコムが得ていた利益に大きな影響を及ぼす可能性があります。実際に、アップルが自社製モデムを本格化させると、クアルコムの収益は2025年のiPhone 17で35%減少し、2026年のiPhone 18ではさらに35%減少すると予想されています。
別市場への展開と収益リスク📊
アップルやサムスンへの依存度を軽減するため、クアルコムはPCや自動車といった新しい市場へも力を入れ始めています。しかし、これらの分野での収益化には時間がかかると見られており、短期的にはアップルの動向に左右されるリスクは避けられません。ヴィン氏は、「モデム事業でのシェア縮小は、EPS(1株当たり利益)に1.55〜1.65ドルのマイナス影響を与えるだろう」と指摘しています。
AI技術とPC市場の課題🖥️
クアルコムは、マイクロソフトと提携し、人工知能(AI)を活用したPCの技術開発に取り組んでいますが、インフレや金利上昇が消費者需要を圧迫し、PC市場全体が低迷しています。AI対応PCが新しい需要を生み出すと期待されていますが、まだ成果は見えていません。
ヴィン氏は、「クアルコムは携帯端末やPC市場での存在感を活かし、エッジAIのリーダーになる可能性がある」と前向きに評価していますが、今後の成長には市場環境の改善が不可欠です。
まとめ📝
クアルコムは、アップルとのパートナーシップに依存している現状を打破するため、別の市場での成長を模索しています。しかし、アップルの自社製モデム開発が本格化すれば、クアルコムの収益に大きな打撃が予想されます。短期的には依存度の高さから来るリスクは残るものの、長期的にはAIや自動車分野での成長が鍵となるでしょう。