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57. センスは知識からはじまる

「センスは知識からはじまる」で分かること

  • センスの定義

  • 誰でもできるセンスの鍛え方

 センスとは、誰にでも備わった身体能力と同じです。
 健康な人であれば、誰もが生まれつき走れるし、ジャンプもできる。ただ、そのジャンプがいかなるものにmなるかは、日々の筋トレや助走のスピードで変わってきます。どれだけセンスを磨き、使いこなせるかーーその違いが、センスがいい/悪いということです。
 本書では、センスを鍛えるトレーニング法もお伝えするつもりです。

「センスは知識からはじまる」を読む目的

  • いいものnを作れるようになるため

センスとは何か理解し、作品に限らず日常生活でもセンスのいい選択をしたい。

このブログでは建築未経験の24歳会社員が
建築設計を軸に世の中に豊かな時間を増やすために、独学していることを記録しています。



何っぽいかを考える

売れる商品にはらしいシズルがある。

売れるための的確なシズルを見つけ出すには、その製品が「何っぽい」のかを分類しながら絞り込んていく作業が有効であるーーという内容です。

ひらめこうとしない

斬新なアウトプットをするには、いまだかつて誰も考えなかったとんでもないことを、センスをもってひらめかなければならないーーこれが頑固な大前提になっているようです。

大事なのはアイディアではなく精度であって、ちょっと面白い程度の企画でも改良すれば尖ったものにすることふができる。

また、「世の中がびっくりするような企画を思いついてやろうという気持ちは捨てた方がいいよ。そういう自己アピールみたいな野心が、企画が浮かばない原因になることもあるから」という厳しい話もはっきりしています。

センスを使いこなせるかが違いとなる

センス自体は誰もが持っている身体能力のようなもの。

日々のトレーニングで伸ばすことができ、いかに使いこなせるかが重要。

センスの定義

「センスのよさ」とは、数値化できない事象のよし悪しを判断し、最適化する能力である。
 これが僕のセンスについての定義です。

しっくりくる。

では、センスのよさはどうやって測るのか。

それは普通を知っているということ。

普通こそが「センスのいい/悪い」を測ることができる唯一の道具なのです。

普通がわかれば、ふつうよりもちょっといいもの、すごくいいもの、よくないものがわかるようになる。

普通を知っているということはスイスアーミーナイフを一つ持っていれば、いざとなればなんとか出来るという感覚に似ている。

センスは実技では測れない

優れた画家を育てた画商は絵が上手くなくても審美眼というセンスが優れていた。
音楽のよし悪しがわかる名プロデューサーは歌が上手くなくても音楽センスに優れている。
脚が遅いダンサーもいれば、ダンスが苦手な陸上選手もいる。

「この絵が描かれた背景について、どれだけの知識があるのか」
「どうしてこのような作品が生まれたのか、体系立てて説明できるのか」
 こうして判断基準で美術の成績が決まるのではあれば、よきセンスが養われる大きな力となるでしょう。

歴史が、「知識を学んだ上で、今の時代で自分何をしたらいいかという礎をつくる授業」であるなら、美術とは「知識を学んだ上で、自分が何かをつくったり、生み出したり、表現したりする礎をつくる授業」であるべきです。

美術の授業は実技ではなくて、実技のための知識を得る場所。

安土桃山時代の日本は「センスの国」だった

日本はものづくりの国、技術の国という印象があるが、茶の湯を確立した千利休が活躍した安土桃山時代はセンスの国だった。

僕の目には、この時代と今の時代は非常に似ているように映ります。技術からセンスへ移り変わった時代、それが安土桃山時代だと思うのです。

千利休は、装飾の覆い「唐物」がいいとされる価値観の中、シンプルな茶器をよしとし「侘び茶」という概念を確立させた。クリエイティブディレクターのような存在で大きな影響力を持っていた。

秀吉が一人の茶人を殺さなければならないほどに、千利休の存在は恐れられていた。

なぜ千利休が必要とされたか

ではなぜそこまで千利休が必要とされたか。

戦国時代で生まれた築城技術や刀鍛治という技術が、平和が訪れた安土桃山時代に装飾品も建築という形で進化し、選択肢をたくさん持てるようになり、「何を選んでよいかわからない」と人々は思うようになり、千利休のような人が必要とされた。

軍事目的のGPSも平和が訪れたときに、人々の暮らしや文化を変えるものとなった。

ヨーロッパのアート・アンド・クラフツ運動も同じ。大量生産の安かろう悪かろうの次のステップ。

「アーツ・アンド・クラフツ運動がきっかけとなり、アートは、日本語でいう、「美術」と「デザイン」に分かれていきました。工芸品や民芸品という庶民のための「もの」にも美しさを求めるーーこれが今日のデザインという概念につながっていったのです。
「アーツ・アンド・クラフツ運動」は世界各地に伝播し、日本でも一九二六年に、日用品のなかに美を見出そうという民芸運動が起こりました。

以上を踏まえて現代を考えてみると、IT革命(「世界中の人とコンタクトが取れる、すごい!」)といった技術が一旦落ち着いた時代と考えることができる。

どのようにその技術を楽しむか、細部の発達、文化や美が求められるようになるでしょう。
 これも僕の持論ですが、「美しい」という感情は基本t気に未来ではなく過去に根差していると思っています。ノスタルジーやなつかしさもフックになるに違いありません。
 技術とセンス、機能と装飾、未来と過去。 
 こんなふうに対となっている時代の間を、みんなが行ったり来たりしている気がします。

見たこともないようなものは売れない

iPodを発売する前は見たこともないので、「操作ボタンがないなんて」と受け入れられない。
100が200になるものよりも、100が101から110くらいになったものが「欲しい!」と思われるもの。

現代のなんでも数値がリアルタイムでわかる時代では、すぐに市場に合わせて修正してしまう、+1ずつの歩みしかできなくなってしまう傾向がある。

そうではなく、本当にの欲しいもの、みんなが気が付いていないけど本当は欲しいものを考えるべき。
調査に責任を押し付けてはいけない。

クリエイティブディレクターとは

「これは丸いのがいいと思う」と言われたら、最高にきれな丸をつくるのがデザイナー。
本当に丸のほうがいいのでしょうか。四角のほうがいいのではないでしょうか。と言えるのがクリエイティブディレクター。

クリエイティブディレクターは縦割り構造に横串をさせる人。

誰もがセンスが必要

どれだけいい内容の企画書でも、読みづらいレイアウトだとダメな企画書に見えてしまう。

「誰でも見たことのあるもの」を知る

センスのいい発想をするには、まずは「誰でも見たことのあるもの」、普通を知ること。

ヨーロッパをしっているからこそ、秘境っぽいところにいくにはネパールに行こう!となる。

まずは知識をつけ土壌を広げる。最終的に新しく、美しく、尖ったものにしていく。

「あっ!」より「へぇー」にヒットは潜んでいる

江戸時代の人にスマートフォンをいくら説明してもいいとは思ってもらえない。狼煙で連絡を取るよ、なる。

 エンジンと電気モーターの力によりガソリン代の軽減とエコを実現したハイブリットカー。既存の照明器具で使えるのに寿命は遥かに長いLED電球。メール、チャット、SNS、電話などが一体化した機能を備えながら、はるかに手軽なLINE・・・・。「へぇー」と思うものは、ある程度知っているものの延長線上にありながら、画期的に異なっているもの。「ありそうでなかったもの」です。

センスは予測

L字型に建物がたっている土地は、道路拡張のために区画整理が行われる予定の土地。「広い大通りに店を出したい」と思っているのなら、いい場所になるかもしれない。

このような知識にもとづく予測がセンス。

客観情報を集める

センスがいい人は主観的な好き嫌いだけで判断しない。

センスのいい家具を選ぶときに、5~6冊の雑誌を眺めたぐらいでは足りない。

 しかし、パッと見ただけでセンスのいい家具を選べる人は、おそらくインテリア雑誌の100冊や200冊には軽く目を通しています。あるいは、お店を回ったり、詳しい人に話を聞いて、それに匹敵するような情報を得ているはずです。勉強のようなつらい努力ではなく、趣味として楽しんでいたかもしれませんが、結果、膨大な知識の集積が行われているはずなのです。さらに、「自分の部屋」について客観的に見る目も持っているので、ふさわしい家具が選べるのです。

客観的な情報を大量に知っていることが大事。大量に知るためには好きなこと夢中なことに取り組む必要がある。

王道を知る

知識を得て、頭の中に定規を持てるようになるには、王道を探す。

王道を探す過程で、王道ではないものがなぜ王道ではないものかも知ることができる。

結果、「王道」を見つけたときには、そのジャンルにまつわる幅広い知識も得ており、その商品を王道とした理由だけでなく、「なぜ別のBという商品w王道と認定しなかったのか」についても語れるようになっているはずです。

大切なのは王道を見つける出す「プロセス」。そこで獲得した知識が大事。

一度王道を見つければ、もっと高品質、もっと手軽、この機能が優れたもの、というように知識の幅を広げられる。

共通項を探す

ある程度知識がついたら、そのジャンルだけでなく類似のジャンルも調べたり、王道だけでなく流行も調べてみる。

その中から共通項を見つけ出す。

この共通項を元に新しいアイディアを出していく。

精度の時代

これからは精度の時代。
いかに土壌となる知識が優れているか、いかに豊富か。

初代iPhone3Gの背面プラスチックは部品を埋め込むたのスペースの型に流し込んだ形をしているが、どうしても歪んでしまう。ジョブスは集めのプラスチックに穴を開けるという方法をとり、歪みのない美しい見た目を重視した。

知識を元に情報を整理する

名前をつけて、マークをつくり、タグをつけて販売するというのは、「ブランド化」ではありますが、僕の感覚ではそんなに大げさなことではなく、「よさが伝わるように、ちょっと情報整理してあげただけ」なのです。

 デザインがいいから売れたというより、売れるアウトプットを論理的に考えていったから売れていると僕は思っています。
 なんとなくかわいいものをつくれる人はたくさんいると感じますが、売れるものを狙うすましてつくれる人は多くありません。売れるものをつくるには、消費者を欺かないための精度が求められています。 

深堀してセンスを磨く

青が好きな40代男性が、青が好きな理由がゴレンジャーが好きだったからと深堀して、40代男性に向けにカレーうどんの商品をつくるなら、ゴレンジャーを思い出し黄色を選ぶ。

“ガラパゴス”で生きている自分を自覚する

大昔の人は新しいことを知るために、命がけで大陸横断したり、太平洋をわたっていた。
今の時代新しいことを経験して知識を得るなんてほんの少しの勇気でできること。

まとめ

王道を知る過程で幅広い知識を得る。そのためには好きなことをやる必要がある。

「正しい判断は、最初の3秒で決まる 投資プロフェッショナルが実践する直感力を磨く習慣」に通じるものがある。

知識を得るために必要な勇気は昔に比べればほんの少しだけ。


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