バンドマンがチェキを初めてやった話
THIS IS JAPAN、ポップしなないで というバンドに所属し、作詞作曲ドラムを担当しております、かわむらです。
先日行ったライブにて、列を作る我々の物販を見て横のバンドマンが「握手会みたいだね」って言ってきて、腹が立ったのですがなぜ腹が立ったのか自分でも説明できない事に気付きました。
そのため、ポップしなないで主催のワンマンライブでチェキ会をやってみることに決め、先日実際にやってきたので感想を報告します。
私は男で、今まで生きてきた経験上、顔が売れるタイプではありません。一緒にバンドをやっているかめがいさんは女性ですが、チェキは私のみです。(携帯で写真自体は2人とも無料で撮れます)
○各種数字の報告
ワンマンで動員は130人くらい。チェキを撮ってくれたのは46人。1枚500円と設定しました。なので売り上げは23000円ですね。チェキの原価は50枚2500円くらいです。
撮影していた時間は終演後からおよそ1時間半くらいです。
○良かった点
元々我々は物販に立ちがちではあるのですが、ワンマンや人が多いイベントではスタッフにお任せしてしまうことが多いです。普段なら物販でお話しする時間が取れるか微妙な中、チェキを撮るときは強制的に1対1でお話できました。
写真を撮るという目的があるため、お話ししやすかったのではないでしょうか。
撮っていただいた皆様は楽しんでくれたのではないか、と思います。
○大変だった点
・恥ずかしい
非常に恥ずかしいです。何が恥ずかしいかというと、チェキを撮っている姿を周りの人に見られるのがとても恥ずかしいです。
ここは自分が「一緒に写真を撮ってもらうことでお金を稼げる」自信がそもそもないことが原因だと思います。
・時間と人手がかかる
時間自体は大したことないのですが、上記の恥ずかしさとやっていることの内容上、とても大変でした。個人的にはライブが0.5本増えるみたいな感じです。言い過ぎかしら。
そして人手については、そもそもの物販に加えてチェキ券を売る、写真を撮る、列を整理し次の人をどんどん流すなど、スタッフの手を借りなければとてもじゃないけど出来ません。加えてチェキ券、最後尾の札。我々は結局その準備をせず、スタッフなほちゃんにやってもらいました。なほちゃんがハイパー有能なのでなんとかなりましたが、こんな思いつきの企画に稼働させてごめんなさいという気持ちでした。
人が残るので会場の整理、物販などもう1人のスタッフためちゃんもバタバタしっぱなしでした。100人規模のライブで、しかもかなりいろんな部分で融通を効かせてくれるベースメントバーの皆さんのおかげで無事皆様の帰りを極端に遅くなるようなことはなかったと思いますが、最後の方の方は結構遅い時間になってしまい、我々の手際が悪いせいで申し訳ありませんでした。
○チェキを実際にやって思ったこと
①アイドルのチェキ1枚1000円は高い?
今回我々は、「普段やらないことをやる」フィルターありきでチェキを売りました。つまりお祝儀ですね。その上で、46人もの方が買ってくれました。
このこと自体の利益は我々には過ぎた金額だと思いますが、アイドルの方々場合はそうではないと思います。
アイドルのランニングコストは我々の比ではなく、なおかつチェキの枚数に直結します。チェキを撮られる、つまり自分の姿をお土産にすることの覚悟と、実際の見栄えを担保しているからチェキが売れるんだと思います。
今回私とのチェキを買っていただいた人数は、市場がわからないのでなんとも言えませんが、少なくとも少ない数ではないと思います。
アイドルのライブの本数、かかる時間、稼働するスタッフの方の人数を考えたときに、1枚500円ではとてもじゃないけどやっていけないのではないでしょうか、と感じました。
②チェキって簡単にやれる?
個人的には、なかなか難しいと思います。
まず、自分が常時チェキの価値を担保できるコストを払っていないこと。そしてリスクを背負っていないような気がします。
思い出としてのアイテム、という見方はとてもわかります。今回は企画なので勿論大丈夫です。
ただ今後の対バンライブでは?サーキットイベントでは?辛いと思います。
そして「チェキはとにかくやって欲しい」という方にはこれだけ伝えたいのが、おそらく、チェキを売っているのに人が来ない、という状況はかなり辛いものです。
物販にさりげなくチェキが置いてあり、撮りたい人は撮れるよ、というシステムなら良いのかもしれませんが、中途半端はカッコ悪いというのは世の常です。その時はなぜお金をとってるのか分からなくなるでしょう。
我々でさえそう思うのだから、きっとアイドルの方はとてつもなく悔しい気持ちを味わっているのではないか、と想像してしまいました。
またいつか、皆さん全員が望まれるタイミングでやるのはもちろんやぶさかではありませんが、なるべく面白いことをしたいですね。
③チェキは悪だったのか?
もちろんそんなことはありません。ただとっても恥ずかしいです。
○総じて
チェキは買う人数が多くても少なくても大変です。「チェキやって簡単に稼いでるんでしょ?」なんて簡単に口にする人は、精神的にも、ブランド的にも、金銭的にも背負うリスクとコストを一旦想像してみてください。
現場で隠すことのできない、集客、容姿、ブランド、キャラクター。
個人的にはサウンドやステージの上での出来事に没頭したほうが全然楽なので、とりあえずそっちを頑張ろうと思いました。
ただ身一つで思い出が出来るのも事実です。意味のない偏見なく、全員が付き合っていけたら良いですね。
チェキをやっててもやってなくても、かっこいいやつはかっこいいしカッコ悪いやつはカッコ悪いだろうという話でした。