
2024年度第2回川俣町移住体験ツアーを開催しました
東京駅から新幹線とバスで2時間ちょっとの場所にある伊達郡川俣町。数多くの里山があり、自然豊かな川俣での暮らしは、子どもたちにとっても大人にとっても、心身の成長と癒しをもたらします。川俣町の温かいコミュニティは、これまでとは異なる新しい絆を育み、日々の生活に彩りを加えます。季節の変化を肌で感じながら過ごす日常は格別のものです。「ちょうどいいいなか暮らし」を送るには絶好のロケーションです。
今回は、2024年10月19〜20日に開催された2024年度第2回移住体験ツアーの様子をお伝えします。
前回とは打って変わって好天に恵まれたツアー
9月22〜23日に実施された第1回移住体験ツアーは、当初予定日が台風10号上陸の影響を受けた為に順延したにもかかわらず、雨天の中の決行でしたが、今回は2日とも天気が良く、川俣町のさまざまなところを見てもらうためには絶好の2日間でした。スタッフの中に雨男がいるのでは?という疑念は無事に解消!ご参加されていた4名の方々も無事に福島に到着し、ツアーがスタートしました。
1日目(10月19日・土曜日)
福島駅西口にて、待ち合わせをし、参加者の皆様が続々と福島に到着しました。川俣に向かう車中で2日間の行程を説明し、川俣に到着すると、すぐにツアー行程をスタートしました。最初に見学したのは、今後川俣に訪れた際にお泊りいただけるかわまた暮らし移住体験住宅。内見していただきながら、その利用法についても説明しました。次に訪れたのは、峠の森自然公園。川俣町とその奥に見える吾妻連峰を一望しながら、これから訪れるさまざまな場所の位置などを、説明させていただきました。
その後は、まちなかに戻り、川俣町の商店街を散策。川俣の先輩移住者でもあるファンコー二ご夫妻が今月にオープンしたばかりの「薬膳カフェ BONCHI TARO」さんを覗いた後、途中で立ち寄った呉服店でご自身の蔵でJAZZ Liveを開かれることもある仙䑓屋さんでは、ご主人とツアー参加者の野口さんがセッションを始め、大盛り上がりでした。その後も川俣の街並みを楽しみながら、徐々にセンタースタッフと参加者の皆さんとの距離も近くなっていきました。


散策後は、道の駅かわまたへ移動し、道の駅レストラン・シャモールで昼食をとりながら、川俣町農業振興公社の渡辺社長から公社の役割や仕事内容、川俣シャモの歴史等についてのお話を聞きました。
その後は、道の駅内の銘品館シルクピアと農産物直売所「愛菜館ここら」で買い物をされました。


午後は最初に、川俣町内にある企業訪問として、ベルグ福島株式会社さんに伺いました。業務内容を細かくご説明いただいた後、実際にされている苗生産の現場作業を実演付きで社員の方から丁寧にご説明いただきました。最先端の農業事業を間近に感じていただくことができました。

その後、里山体験として小綱木地区の天恵の森を見学するコースと、からりこ館で機織り体験をする2つのコースに分かれて、参加者の皆さんには楽しんでいただきました。


2つのコースに分かれた体験を終え、宿泊先となるおじまふるさと交流館に移動し、少し休憩をしてもらったあとは、川俣町の文化に触れる機会として、日本最大級のフォルクローレの祭典「コスキン•エン•ハポン」にも出演された“La Paz(ラ・パス)”の皆さんによるフォルクローレの演奏を楽しんでいただきました。有名曲「コンドルは飛んでいく」のほか、福島でお馴染みの「会津磐梯山」をアレンジした曲などが演奏され、ツアー参加者の皆さんには、とても喜んでいただきました。

演奏後は夕食の時間です。地域おこし協力隊の高橋光恵さんや“ラ・パス”の皆さんも参加し、今回も小島地区の皆さんがおもてなしの気持ちで担当してくださった料理と川俣シャモの丸焼きを堪能してもらいました。美味しい料理と、移住・定住支援センターのメンバーが厳選した、福島の美味しい日本酒を堪能しながら、ツアー参加者と川俣町の人たちが親交を深めた時間となりました。


2日目(10月20日・日曜日)
気温が25℃を超え、とても10月の半ばとは思えない陽気だった前日とは打って変わり、2日目は風も強くかなり冷え込んだ川俣町でしたが、幸いにも天気には恵まれ、2日目のツアーも始まりました。
まずは、空き家バンクに登録されているいくつかの空き家を見てもらい、現状を知っていただきました。川俣町は空き家利用の支援がとても充実している一方で、実際の改修費用の見積もりを地元の業者さんに伺いながら内見することで、空き家取得後のイメージも掴んでいただけたのではと思っています。
また、今回見ていただいた物件の具体的な利用方法なども想像しながら、熱心にお話を聞いているツアー参加者の皆さんの姿もとても印象的でした。

内見終了後は、山木屋地区に移動し、前回の移住体験ツアーの際にもお世話になったsmile farmさんを訪れ、代表取締役の谷口豪樹さんにお話を伺いながら、農園内を案内していただきました。谷口さんのお話にとても熱意を感じたのか、ツアー参加者の中には、現在の求人状況を尋ねる方もいて、川俣での就業など具体的なイメージを持ち始めてもらえたのかなと実感しています。

農園見学が終わった後には、同じ山木屋地区にある「やまこや」さんへ移動し、昼食をとりました。相変わらずコシのあるお蕎麦は本当に美味しくて、大盛りを注文しても、あっという間に平らげてしました(笑)。

ツアー参加者の皆さんも十分にお腹を満たしたあとは、一度まちなかへ移動しました。というのも、初日に訪れた道の駅で売られていたたくさんの飴を見て、「これは他ではどこで買うことができるのですか?」と質問が出たため、飴を製造されている「菓心 竹屋菓子店」を訪れました。あまりにもたくさんの種類が店内に置かれているのを見たツアー参加者の皆さんが本当に驚いた表情をしていたのがとても印象的でした。中には2000円以上の“大人買い”をされている方もいました。(私も1,700円分購入…)

竹屋さんを出発し、向かったのは羽山の森美術館。前回の移住体験ツアーでもお世話になった矢納さんから、ご自身の移住体験談や、現在のご活動、そして川俣町における美術館の役割などをお話しいただき、その後展示されている作品をツアー参加者の皆さんにご覧いただきました。


最後は、ツアー参加者の皆さんから、今回のツアーについてご感想をいただきました。
朝日様からは、「移住体験ツアーというものに参加することの良さを、川俣町移住体験ツアーから感じることができました。というのも、自分自身で移住を検討している町に訪れたとしても、空き家や地元企業を見ることはできなかったのかなと思ったからです。実際、今回のツアーでsmile farm の谷口さんのお話は、移住後の仕事について非常にイメージしやすいものでした。一点気になっているのが、冬の寒さです。その寒さを経験することも含めて、また川俣には足を運んでみたいと思います。」という感想をいただきました。

続いて、夏目様からは、「正直、川俣町についてはこれまで全く知らなかったのですが、ふるさと回帰支援センターでお話を伺った際に、支援金の充実が非常に魅力的と感じ、今回のツアーに参加させていただきました。ツアーの中に空き家見学と企業訪問が入っていたのが、とても良かったですし、特に事業者さんが、事業をするにあたって本当に吟味をされて始めたということがわかったのは大きな収穫になりました。当初は、移住して転職とも考えていましたが、自分自身で事業を起こしたほうがいいのかもという肌感があり、今後検討してみたいと思っています。もう少し、住居についてのイメージを持ちたいので、他の空き家や賃貸などの集合住宅もみたいと思っています。」というご感想をいただきました。

兼田様からは、「移住に対する結論はまだ少し先になりますが、起業の際には改めてお話を聞きたいと思っていたので、今回のツアーがその足がかりになると思えて、とても良かったです。個人的には、同じ東北出身者として、福島・川俣が自分としてもちょっとした足がかりになればいいなとも思っています。川俣の町中には様々な建物や文化に豊かさを感じられところがあり、それを実感できたところが非常に良かったです。もう少し知る機会が欲しいと今は感じています。住まいという観点からだけではなく、建物自体に関心があるので、また見に来る機会を作りたいと思っています。」とお話しいただきました。

野口様からは、「ツアーで訪れた様々な場所や施設で伺うお話の中に、川俣町への移住希望者への歓迎感が伝わってきて、とても居心地が良かったです。また、まちなかの散策の際に訪れた仙䑓屋さんで、都心だと『触らないでください!』と言われそうなものでも、『どうぞお使いください』と仰っていただいた時に、強い親近感を感じました。まちの中で流れる時間が、とてもゆっくりとしたものに思えました。そう感じるのは、川俣町に住んでいる方々にどこか心の余裕があるからではと思いました。そして、今回のツアーがこんなにも充実していると感じたのは、川俣町の人たちが本当につながっているからで、関わった全ての方々の想いが伝わっているからだと思いました。本当に温かいまちです。」とお話しされていました。

今回のツアーを振り返ると
最後まで記事をご覧いただき、ありがとうございました。今年度の「川俣町移住体験ツアー」は、今回で最後となりますが(就農体験ツアーがこれから始まります!)、私たち川俣町移住・定住相談支援センターのメンバーも非常に学びの多いツアーとなりました。
第一に、支援金の充実から空き家バンクに登録されている空き家の紹介が多くなってしまいますが、賃貸系の集合住宅などの紹介を希望される方も結構いらっしゃいますので、まずは賃貸からという手軽さも考えると、賃貸物件の紹介も必要だなと痛感しました。
第二には、ツアーを重ねることによって、川俣町の方々にも移住に関する認知度が高まり、移住者をより歓迎できる雰囲気をまち全体に作ることができるということも改めて実感しました。
さらには、もしかすると、「田舎の何もないまち」と考えがちですが、ツアー参加者にとっては、本当に新鮮に感じるものがあるということです。感じる対象は人それぞれとは思いますが、少なくとも、何もないということは決してなく、そこにもっと自信を持っていいのかなと感じています。無理やり何かアピールするものを探すのではなく、ありのままを伝え、関心を持ってもらった人に探してもらうということもありなのかもしれません。
次は11月3日〜4日の就農体験ツアーです。
ただいま、川俣町では11月3日〜4日に実施される「川俣町就農体験ツアー」の参加者を募集しています。おかげさまで、とても大きな反響があり、間もなく締め切りになりそうではありますが、若干の空きがございますので、ご興味のある方は是非ともお申し込みをお願いします。
詳しくは⬇︎⬇︎まで。