複数の業界経験を自分のものにし、経営者への成長を目指す
名前、経歴、職業等について簡単なご紹介
根本文也。26歳。
福島県の郡山市にある製菓専門学校を卒業。洋菓子について2年間学ぶ。卒業後は、乳業メーカーに営業職として入社し、4年8ヶ月間勤務。郡山本部で東京など福島県外のイベントや高校をはじめとする学校や養護老人ホームへの納品など、宅配の牛乳を取り扱う量販店営業を担当した。在職中に「もっとさまざまな経験をしたい」と考え建設業界に転職し、1年8ヶ月勤務。地元である福島県二本松市の居酒屋で、株式会社smilefarmの谷口社長と出会ったことをきっかけに、令和4年6月より地域おこし協力隊として株式会社smilefarmで活動を開始した。
地域おこし協力隊になったきっかけは?
移住のきっかけは、二本松市の僕の中学校からの同級生の居酒屋で、たまたま来た社長と出会ったことでした(笑)。あの日、社長と、お連れ様もう1人と、相席という形で一緒にお酒を飲みました。そのときに社長業についてお聞きしたが、具体的な取り組みのお話はなく、簡単に自己紹介をした上で、Instagramのアカウントをフォローし合って終わりました。
その後、1年間ぐらい社長との連絡などは一切取っていませんでしたが、Instagramの投稿をよく見ていて、「smilefarmでの仕事は凄く楽しそう」、「農業ってこういうふうにやっているんだ」など、感じていました。そんな中で、たまたま「事業を拡大するために川俣町の地域おこし協力隊の制度を利用するクルーを募集します」という投稿を見つけて、そこから2週間、日に日にsmilefarmの仕事に興味が湧いてきて、応募に至りました。
これまでも「自分が好きなことやりたいな」という考えはありましたが、最終的に農業の世界に踏み込むことができたのは、1年間Instagramの投稿を繰り返し見ていたことで、徐々に農業をやってみたいという気持ちになっていたからだと思います。
農業に対して一番魅力を感じたことは?
意外かもしれませんが、私元々花が好きなんです(笑)。
結婚記念日とか、誕生日とか、付き合って何年目記念日とか、何かしらの行事があるときに、奥さんに送っています。花束を渡すという習慣を意識して実行しているのは、小さい頃からの親の影響です。お花を植えることや、植物については他の人よりも詳しかったです。農業について全く知識はなかったですが、お花が好きということで花農業に興味をもちました。
初めて谷口社長と出会った日、社長が居酒屋に持ってきたアンスリウムも、すごく綺麗なお花でした。造花と思うくらいつやつやしていたので、お花や農業についてのお話をたくさん伺いました。
それは今まで、自分が経験した業界とは、それぞれ異なるものでしたが、素敵で面白そうな仕事に感じ、やってみたいという思いが芽生えました。また、お話ししている谷口社長もとても生き生きしていて、谷口社長のように、綺麗なもの、そして美味しいものを作りながら自分も楽しく生き生きとした経験をしてみたいと思いました。
町に移住してきて感じたこと
他の協力隊の皆さんも話しているかもしれませんが、人の温かさと、人と人との距離感がすごく近い、関係性がすごく密であることを実感しました。乳業メーカーの1年目で福島営業所に務めていた際に、何回か川俣町役場の自販機に納品に来ることがあり、その時に役場の方に声をかけていただいたこともあって、すごく親切にしていただいたので、最初から川俣町にはとてもいいイメージがありました。実際来てみたら、思っていた以上に温かい町でした。
地域おこし協力隊の仕事もそうですし、やはり接してくれる人はみんなすごく親切です。「何かあったら言ってね」とか、「応援しているよ」とか、「頑張っているね」というふうに言ってくれる。皆さんから温かくしていただいているので、自分も町の皆さんに喜んでもらいたいと思います。川俣町のために努力ができるのは、皆さんに温かい言葉をいただいているからです。川俣町のみなさんは、自分の日々の仕事の原動力です!
現在のお仕事や活動について
現在smilefarmの正社員として働いているのは、自分以外いません。そのため、社長と一緒にさまざまな仕事に取り組ませてもらっていて、ほぼ全部の業務をやっています(笑)。smilefarmの全てのハウスを担当しており、花の収穫や、週に3回のアンスリウムの出荷、イチゴの定植、そしてハウスの細かい整備など、社長と常に一緒に行動しているぐらいです。
ハウスの細かい整備では、10年以上経っているのでハウスの雨漏りなど不具合が生じることを避けるため、しっかりと行っています。自分の前職の建設業の知識を生かしており、私ならではの仕事と思っています。
自分の経歴を自慢するわけではないですが、今までの仕事はすべてここに入るためにやってきたんじゃないかと思っています。イベント運営は営業職時代の接客経験が、ハウス整備や機械関係の作業は建設業の経験があったからこそ、こなせました。これからsmilefarmが直売所で展開する6次化事業も、専門学校時代に学んだ洋菓子作りの経験が活きてくるのではないかと思います。これまでの伏線を全部回収でき、毎日楽しみながら仕事しています。
今後町で取り組みたいこと
今はsmilefarmのナンバー2になれるよう、頑張っています。ナンバー2になるためには、農業や経営を勉強しないといけないと思っています。まだ構想段階ではありますが、ここでの経験を活かして、いつか自分でも農業関係の、例えばsmilefarmの下で会社を立ち上げてみたいです。
今は、谷口社長と一緒に動く時間が多く、学べる時間がたくさんあるため、経営者になるための考え方やマネジメント方法、社長としての立ち回りの仕方などさまざまな知識をこの3年間の任期を活用して覚えていけたらと思います。
今の仕事のやりがい
谷口社長と一緒に仕事ができることが、かなりのやりがいです。
経営者目線で大きな利益の生み出し方とか、お客様と良い関係性を構築する方法とか、たくさんのことを教えてもらいました。お客様に喜んでもらうためのサービス精神や、リピーターが付くような商売の方法など、よりいいものを作るという志が常にある方なので、そういうところを倣いながら学ばせてもらっています。
また、社長は長期的に物事を考えていて、常に先回りして、段取りや進め方を組み立ているので、時間の使い方や数字の考え方もすごく勉強になります。
社会人で谷口社長のように丁寧に教えてくれる人はなかなかいません。社会人6年目になりますが、やっと社会人1年生になれたと感じます(笑)。
上司と一緒に仕事することに、疲れてしまうケースも多いと思いますが、僕の場合は谷口社長と仕事することで自然とやる気になります。社長も自分を信頼し、仕事を任せてくれるので、僕もその期待に応えるために責任感を持って仕事します。分刻みで動いている社長に負担をかけないよう、スムーズに動けるように自分ができることを日々全力で考えています。谷口社長のような人を支えられる存在になりたいという気持ちは、自分のモチベーションにつながっています。
町で体験したエピソード、印象に残った出来事は?
今年(取材当時2022年)3年ぶりに開催された山木屋獅子舞を見ました。獅子舞をしていたのはsmilefarmに何度もバイトに来てくれる子で、いつもバイトが終わった後に獅子舞の練習をしています。15時にバイトが終わったら21時まで獅子舞の練習をするという話をよく聞いていてすごく頑張っていることを知っていたので、本番で初めて生の踊りを見たときは、なおさら迫力を感じました。
山木屋の獅子舞は、とにかく激しくて、派手な動きが特徴です。彼の踊りもとても鮮やかで本気で取り組んでいることがわかりました。若い学生が頑張っている姿を見て、地元を盛り上げるために自分も頑張ろうという気持ちになりましたね。
あなたにとっての川俣町は?
第二の故郷ですね。帰ってきたくなるような場所です。
地域の方は、農家さんの大ベテランであっても、差し入れを持ってきてくれたり、相談すると親切にアドバイスをくれたり、温かいです。
皆さん自分の親戚や身内ぐらいの感覚でお話してくれるので、とても相談しやすいです。悩んだ時に帰ってきたくなるのは川俣町で、一言で言うと、”心のよりどころ”です。
移住を検討されている方へ一言
「住めば都」。という言葉がある通り、暮らしてみれば思っている以上に良い場所です。
田舎の良いところは人との関わりが密なところだと思いますが、川俣町も本当にそうですね。自分が思っている以上に、川俣町の皆さんは地域おこし協力隊のことを温かく迎えてくださいました。移住の悩みなども安心して相談できるので、移住初心者の方でも、ここだったら間違いないよと言えるような、安心して移住できる場所ですよ。