なんでもないようなこと。3歳児のジレンマ
それは今年のお正月に「軽く体を動かそう」と将軍塚へ登ったときのことです。
ちょっとした山道だったのですが、寝正月だった私の足取りは重く、子どもたちの歩くのが速いこと速いこと。
この坂道は、いつまで続くのかしら、
と思いながら目線を先にやると、3歳息子が地面にうずくまっています。
「どうしたの?お腹でも痛いの?」
声を掛け小さな頭にポンポンしていると、
息子の小さな手の中には、小さなドングリが。
「ほらママ!どんぐりさんが がんばってって応援してるよ!」
どんぐりをプレゼントしてくれました。
なんともかわいいことを言うではありませんか、ママは胸アツです(キュン)。
小さな応援の甲斐もあって、
気持ちよく将軍塚まで登りきり景色を楽しんだら、お腹もすいたことだし下山しましょう。
・・・
「だっこーーー」
ぎゃー、3歳息子よ、抱っこしながらの下山は危ないぞ。
なんとかかんとか8割がた、ふもとまで降りてきて、ガンとして動かなくなった3歳。
ママがキーキー言っても、パパがなだめても、小4姉がスタコラと先へ進んでも、動かないことを決めた3歳はびくともしない。
こりゃまいったなぁ、立ち止まったついでに鼻でもかもうとポケットに手を入れると指先に当たる小さなものが。
あ、あのドングリ。
登るときに応援してくれたあのドングリなら、テコでも動かない3歳を動かせるかも。
これは妙案!たたたっと駆け寄り、手のひらにドングリを乗せ、
「ほらっ、どんぐりさんも、がんばってって応援してるよ!」
これはさらに胸アツシーンになるに違いないと、満面のスマイルな私。
すると3歳息子はスクっと立ち上がり(立ち上がった!)!
立ち上がり・・・
・・・
「こんなんいらんっ!!」
ポイや!と小さな手でバシッと払う3歳。
私の手のひらのどんぐりさんは、ぴゅーんと山へと帰って行きました。
「あんなに大事そうにしてたやん」
一瞬、口からタマシイが出そうになりましたが、
彼の「ぜったいに うごかないから!」がヒシヒシと伝わり、
抱っこしましたとさ。
(ふもとに降りてからは、前言撤回でドングリ拾いしてましたとさ。)