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Money Forward Labの研究者ってどんな人たち?

はじめに

こんにちは!Money Forward Labの川上(うぇるだん)です。

Money Forward Lab(以下Lab)は、Money ForwardのValueの一つでもある、「テクノロジー・ドリブン」を体現し、さらなるデータの可能性を追求するために設立された、社内研究組織です。

今回はLabで働くことに興味をもってくださった方に、Labの研究者へのインタビューをとおして、チームの雰囲気や仕事内容をご紹介します。

インタビューにご協力いただいたのは、このお二人です!

ここ1年以内にジョインされたお二人に、入社のきっかけやLabの雰囲気、それぞれの研究への想いなどをお伺いしてきました。

Labにはどんな経歴の研究者がいるの?

ー さっそくですが、お二人のこれまでのご経歴を簡単に教えてください。

山岸:学生時代は自然言語処理の研究室で、学部4年生から博士前期課程までの3年間研究をしていました。修了後は事務機器メーカーの中央研究所に入所し、主に文書管理や検索についての研究に携わった後、親会社の研究所に移動して画像や時系列解析の研究に関わりました。

ー 学生からずっとNLP(自然言語処理)の研究をされているんですね。研究室を決めたきっかけというのは何かありましたか?

山岸:もともと文系で、文章、とくに言葉の仕組みに興味がありました。文学部とかにも興味があったくらい。その興味のあるものに近いことをやれそうなところを探して、研究室を決めました。

ー "研究所"っていうと、なんとなく理工学系への興味がつよい方が多いイメージですが、そうでもないんですね。

山岸:言語処理の業界はそういうことも多いですよ!文系出身たけど情報処理系も好きという人は結構いますね。僕の研究室の教授も、文系の学部出身なんですけど、そのころから個人でLinuxのOSS開発をされていたそうですし。

ー 小川さんは研究室や前職ではどんなことをやっていたんですか?

小川:僕が所属していたのはセキュリティ系の研究室で、ネットワークのトラフィック(通信)から、機械学習を使って対象の通信がマルウェアによるものなのか正常なものなのかを分類する研究をしていました。前職は情報通信系の会社の研究所で、同様にネットワークに関係する研究をしていました。

ー ネットワーク関連のつながりで前職に入社されたんですか?

小川:実は学生時代の研究自体はあまり関係なくて、僕はインターンシップがきっかけで前職へ入社しました。

インターン期間には、通信の品質に関する研究をしました。具体的には、ネットワークの品質からアプリケーションレイヤの品質を推定するということをしていました。(アプリケーションの品質と比較してネットワークの品質データは集めやすいという背景があります。)この研究は入社後も継続して行っていました。

マネーフォワード入社のきっかけは?

ー お二人とも精力的に研究活動をしてこられましたが、マネーフォワードへの入社のきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

山岸:マネーフォワードの家計簿アプリ(Money Forward ME)を使っていたので会社名は知っていましたが、機械学習やデータ分析の取り組みは知りませんでした。ただ、規模も大きいので分析できそうなデータは大量にあるだろうなと思ってはいました。

そこから転職サイト経由で声をかけていただいて、所長の北岸さんと話した際に、データ分析に関する環境面や取り組み内容を知ったのが、本格的に興味をもつきっかけでした。

前職では、少量のデータをいかに効率よく使うかを考えていましたが、もっと大きなデータを扱って研究したいという気持ちが強かったので、そこが特に魅力でした。

小川:もともと転職をしたいなとは思っていました。ジャンルの移り変わりはあるものの、今まで一貫してデータを分析を続けてきて面白さを感じていたので、転職してもデータ分析に関わり続けたいなと思っていました。

一方で、これまで情報系・通信系のデータを扱ってきたので、別のフィールドのデータで研究してみたいという気持ちもありました。

もうひとつ、前職での在職期間の後半は「ユーザーの行動」に踏み込んだ研究をする中で行動経済学に興味を持ちはじめていました。転職サイトを調べていて、マネーフォワードでもお金の流れからユーザーの行動を読み解いたり、行動経済学に興味をもっていることを知ったのが入社の決め手になりました。

Labでの仕事内容や雰囲気

ー 入社後、普段の業務を通してマネーフォワードやLabの雰囲気についてどのように感じていますか?

山岸:転職前はリモートの頻度が高い働き方に少し不安を感じていました。でも、実際に仕事を始めてみると、slackでのコミュニケーションがすごく盛んで、出社して黙々と仕事するよりコミュニケーションは逆に多いとも感じましたね。

そういうところもあってか、研究内容について、声をかけたらすぐに会議設定できます
前職の研究所では、所外の人と議論するときは、ガチガチに資料を準備して、所内でレビューを受けてからでないと持っていけないみたいなこともありましたが、マネーフォワードではそういうところが全然ないです。

研究を通して関わることができる同僚の職種も幅広く、カスタマーサポートやプロダクトマネージャの方々とお話しすることも多いです。

ー みなさん非常にフットワーク軽く議論に応じてくださいますよね、カルチャー(Speed)が浸透しているのを感じます。

左:山岸さん、右:小川さん

小川:僕の場合も、前職はコミュニケーションツールは揃っているのにやりとりはそんなに活発じゃないというようなこともあったので、そこはだいぶ違うなと感じました。あらゆるツールを使って、積極的にコミュニケーションをとったり議論を深めたりしている。いわゆる心理的安全性がすごく高い組織なんだと思います。若手でも思い切ったこともやりやすいんじゃないかな。

また、無駄なことがすごく少なくて、全体最適化されているなと感じます。
余分なことに煩わされないので、精神的にも肉体的にも疲弊したり、時間がない中で研究や業務をしたりってことがなく、圧倒的に仕事はしやすいです。

“Money Forwardの” 研究組織だからこその面白さがある

ー Labはまだ設立から3年半ほどと比較的若い組織ですが、これまでの研究体制と比べてなにかギャップはありましたか?

山岸:組織が若いからというよりは、まだ人数がすごく多いわけではないので、同じ領域の研究者が少なく、自分で考えて決める部分が大きいというところにはギャップを感じました。裁量があっていいところでもあり、大変だなと感じる部分でもあります。
でもそのおかげもあって、分野が違う研究者と議論する機会も多く、それはいい刺激になっています。

小川:僕の場合は、前職だと何か相談したいな、と思った時も結構かまえちゃうことが多かったです。人数的にもメンバー構成的にも、国内学会の全国大会とほとんど同じだよねっていう雰囲気だったので。それだとちょっとラフにやりにくい部分もありました。

Labでは、より気軽に話せるし、こんなこと言っちゃだめかな?とせっかく浮かんだアイデアを心に留めることがないです。
アイデアが発展しやすい環境なんじゃないかな。

逆に、どんどん外に出ていかないと別の視点・アイデアを手に入れにくいっていうのもあります。でも研究って本来そういうものだと思うので、頑張りたいです。

左:小川さん、右:山岸さん

Lab研究員の研究への想い

ー ここまで、ご入社の経緯やマネーフォワード、Labの雰囲気について教えていただいたんですが、改めてお二人の専門分野やその分野の研究者になったきっかけについて教えてください。

山岸:自然言語処理という、コンピューターでテキストを解析する技術を専門としています。中でも、学生時代は機械翻訳をテーマにしていました。就職してからは、文の同義性判定(文章同士の類似度を調べる)をメインでやっていました。

研究室を選んだきっかけのところでもちょっと話したんですが、もともと、テキストを扱うことに関心があったんですよ。文章の役割とか、意味とか。
言語処理を勉強して面白いと思ったし、就職するときも転職の時もその興味がずっと続いていたから、この道を選んだし、今後も続けていきたいと思います。
あとは単純に文章を書くのが好きで、論文を書くのも好きだったので続けられたのかも、というのもあります。

小川:僕の場合はあまり一貫した研究分野というものはなくて、元々ネットワークセキュリティをやっていて、そこで機械学習と出会いました。そこから通信の品質やそれに関連するユーザー行動の変化(例:Webページの読み込み待ち時間が変わることでユーザの離脱確率がどのように変化するのか)について研究したりっていうように、いろんなジャンルに関わってきました。

研究者になった明確なきっかけというのはないんですが、仮説を立てて検証する、わからないことを解き明かすってのが好きで、そういうことを繰り返していたら自然とこの道に進んでいました。

これからのMoney Forward Labがデータの先に見るもの

ー Labではどんなことを研究していきたいと思っていますか?

山岸:僕が今しようと思ってるのはユーザーの声を自然言語処理を用いて、うまく吸い上げることです。
お金のデータで考えると、例えばECサイトだとその会社で買った人の情報はわかるけど、他のところで購入した情報とかはわからない。マネーフォワードの家計簿アプリではそれがわかるので、よりユーザーのためになる示唆が得られそうだと思います。

ビジネス向けソリューションのMoney Forwardクラウドシリーズでもできそうなことがいろいろあって、確定申告を自動でやってくれるAIとかあるといいななんて妄想してます。

究極的には、研究を通してあらゆるユーザーのマネーリテラシーをより高めるお手伝いをしたいですね。

小川:今までは通信に関連した品質がユーザー行動に与える影響を研究してきましたが、Labでは、お金によってユーザーの行動がどう変わるかにすごく興味があります。お金とユーザー行動の関係性を解き明かしたいなと思っています。

そういった研究成果は、山岸さんの確定申告の例もそうだけど、お金まわりのことにとらわれすぎて本来やりたいことや、すべきことに集中できないような状態から抜け出す手助けができるんじゃないかと思います。

ー 最後に、現在も体制拡大中のLabで、こんな人と一緒に働きたい・こういう人に来てほしいなどをお聞かせいただきたいです!

山岸:データそのものよりも、そこから見える「人」に興味がある人だと、面白い研究ができそうだと思います。
マネーフォワードには、金融やバックオフィス業務など色々な分野の「その道のプロ」がたくさんいます。プロとの熱い議論が好きな人も、楽しんで研究ができるんじゃないかなと思います。

小川:僕はなんか、いい意味で壊し屋みたいな人に来てほしいって思っていたりします。新しい風を吹かせてくれるような、イノベーティブなことを考える人と一緒に仕事がしたいです。

左:小川さん、中央:山岸さん、右:うぇるだん(インタビュアーなのに映り込む人)

編集後記

最近ジョインしてくださったフレッシュなお二人から、「どうして研究者になってこの会社に入社したのか?」や「今後どんな研究をしていきたいか?」など、アツい話がたくさん聞けたインタビューでした。

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Money Forward Labでは、一緒にお金のメカニズムを解き明かすための研究をしてくれる仲間を募集しています。


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