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【食料廃棄を肌で感じた話】

この投稿は2019年2018年8月19日にSNSに投稿したものをリライトしています。

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母の入院する千葉の病院近く、のんびりした片田舎のコンビニエンスストアで棚にあった最後に一つ残っていた冷やし中華を買おうとしたらレジが通らない。アレ、あら?と戸惑う店員のおばちゃん。

隣の若者がヘルプでやってきて「あーこれ賞味期限切れです、すいません」とな。
なんだぁ、とお互い笑いながら表示を見たら今日の13時まで。そして今、時計は12時59分を指している。

「いいじゃないっすか、僕は気にしないんで大丈夫ですよ。これくださいな」最後の一個だったので、なんとなく食べたくなっちゃって「ダメすか?現金でとか、てかもったいないでしょ」と食い下がるとおばちゃんは「ですよねぇ、ほんと、ちょっと店長にきいてきます」と奥へと入っていった。

しばらく待つこと五分、おばちゃんが悲しそうに帰ってきた。

「ごめんなさい、やっぱりレジ通らないとお売りできないって、、、ごめんなさい」

食料廃棄率世界トップの日本。焼却炉の数も世界1、食料輸入量も世界トップクラス。5900万トン輸入して1900万トン廃棄している。

複雑な工程を経て、20種類以上の食材が投入されたであろう、300グラムの冷やし中華。50年前だったらかなりのご馳走だったに違いない。空調システムを駆使して24時間以上冷蔵され続けたこの食材が、僕の目の前で廃棄されていく。

買ってなんとかしたくても、田舎のおばちゃんにまで徹底されたコンプライアンスにより誰も悪くないのに目の前でとんでもないことが起きている。週刊誌とかで読んでわかったつもりになってただけだった。

誰か、本当に、本当に、この不条理を覆す仕組みを考えて欲しい。テクノロジーでも政策でもいい。指くわえて見ている場合じゃない。起業家の皆さん、ゲーム開発するならこっちにもゲームの要素をブッ込んで欲しい。

というわけで明日から、同じ商品が並んでいたら賞味期限に近いものから買うことにする。

僕ができることなんてこんなことくらい。なんだか虚しい。

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