リーンスタートアップの顧客インタビューのSTEP効率化
新しいビジネスが成功するためには、初期の顧客とのコミュニケーションが重要です。しかし、ヒアリングやインタビューは、他の作業と比較して、相手がいるため最も時間がかかります。時間の調整やコミュニケーション手法を決めることは悩ましいです。どのようなことを聞けば良いか、どのような質問をするかについては書かれていますが、いつどこでどのように聞くかや日程調整についての詳細はありません。新しいビジネスを始める人たちが共通して抱える問題である顧客インタビューについて、新しい方法を提供します。今回、私たちはリーンスタートアップのヒアリングプロセスを変革するために、新しい手法をトライしました。この記事では、その手法について詳しく説明します。
1.公式LINEを使い双方向のチャットコミュニケーションに
従来のメール等の一方通行になりがちなコミュニケーション方法では限界がありました。そこで、公式LINEを活用することで、リアルタイムな双方向のコミュニケーションを実現します。公式LINEの改変が重ねられ現時点の最新のアップデートでは無料メッセージ200通以上で有料となってしまいましたが、それでも50人程度の課金顧客との対話がスムーズに行えるため、製品が正式リリースに至ってなくても顧客との連絡用に利用しない手はありません。
2.インタビューの申し込みと日程調整の簡略化
顧客が利用や体験を行なったのちに、すぐに公式LINE上でインタビューの申し込みを行います。
顧客が無料体験利用などの規約に明示的に「インタビューをお願いしています」と書くことで、説明の手間を省けるかもしれません。
インタビューの日程調整にカードタイプのメッセージ機能を活用することで、顧客に日程調整の手間をかけさせずに、より効率的に日程を取得できます。シンプルなボタンを押すだけで返信できるカードタイプのメッセージ機能であれば、顧客にとって日程調整がより簡単になるかもしれません。手間のかかるコミュニケーションを効率化するために、カードタイプのメッセージ機能を活用してみてはいかがでしょうか。顧客にとって手間のかかる日程調整をシンプルにすることで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になるかもしれません。
3.「明日(●時)」カード型メッセージ(ボタン)の送付
カードタイプのメッセージの具体的な事例を紹介します。具体的には 以下の4つのカードを作成します。
明日の8〜9時の朝の時間帯
明日12-13時のお昼の時間帯
明日の18-19時の夕方の時間帯
明後日以降
カードには背景や意味があります。明日は重要な概念で、空いているかどうかわかりやすいです。また、無料体験後のフィードバックを早く終わらせるインセンティブが働きます。事業者にとっても、明日にフィードバックをもらえるメリットがあります。そのため、朝・昼・夕方から選んでいただくことになっています。
時間についてですが
・朝であれば大体業務開始前ですので10分時間をいただくことというのはそこまで負荷をかけません。
・同様にお昼についてもお昼休みを利用してが可能です
・ また夕方は業務終了後のちょっとした移動時間などを想起してこたえていただきます。
そういった意味でこの3つの時間帯が候補としてあげる分には、負担も軽く提案ができると思っています。
なぜ今日ではないのか?もちろん、今日やれるならやった方が良いですが、午後の体験をする場合は、朝や昼にカードを送るのは失礼になる可能性があります。つまり、カードを顧客に都度カスタマイズして送る手間が増え、業務が遅れる可能性があります。また、フィードバック担当者が空いていない場合は、顧客のフィードバックを担当している組織も少ないでしょう。朝・昼・夕のインタビューは、日中の打ち合わせ、出張、休日でも10-15分の電話で可能です。これにより、顧客の都合に合わせた柔軟なインタビューが可能となります。
というわけで、明日ならば それらの問題が解決できると言うことで、あえて明日と言うカード形態をデフォルトにしています。
4.「明後日の」カードを用意する意味
顧客が「今日はダメ」と選択したら、明後日のインタビュー日程のオプションが重要になってきます。明後日を選択肢に含めることで、顧客が作業日程を確定するまで、毎日インタビュー日程を送信できます。顧客が見ているツールを使い、カード形式で簡単に意思表示ができるLINE公式の利点があります。明日になって「明日はダメだけど明後日なら」となった場合、「明日はいかがですか?」とカードを提示し、常に予定を把握しています。
顧客が頻繁に見るツールを利用している点、またカード形式というボタンを押すだけで意思表示ができる点でLINE公式を利用する意味があります。
5.LINE電話のボタン設置
顧客から明日の朝8時で指定をいただいた場合、8時前(5分前ぐらいが良いと思います)になったら公式LINEの+ボタンからLINE通話のリンクをお送りします。(添付画像イメージ)
先方のお電話をお聞きしてかける場合、ZOOM等の オンラインミーティングのリンクの発行やフリーダイアルの提示(かけていただく)よりも 顧客の心理的負担はかなり下がります。
もちろんリンクをしてお電話をいただけない場合というのも存在しますがその場合はまた「ご都合つかないようでしたので、また明日以降の予定をお聞きします」と言うことで明日以降の選択ボタンを送りする作業に戻ればいいだけです。
複数の新規事業においてこの手法を採用してインタビューを実施していますが、この方法でこれまで8割以上の確率でインタビューが実施できています。
6.最後に
LINE通話は顧客の 素早いフィードバックをいただくためのインタビュー手法としてはとても優れていると思いますが、結局は電話でのインタビューになるので、電話はハンズフリーで、 bluetoothイヤホンなどを利用し、両手を空かせた状態でiPadなどのメモ機能を使いながら インタビューをお勧めします。これが可能となると正直場所はどこでもインタビューはできますので、こちら側も無理に時間を合わせて会社に戻ったり自宅に戻ったりする必要がなくなります。
フィードバックサイクルを確実なものとして、プロダクトマーケットフィットに進みましょう!!