ギフデット 言霊編 その2
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「おまたせ、ちゃんとみてたか小島。」
車の中で待っていた大島と合流する。
「小島じゃないっすよ。」
「ああしょうちゃんだったな。」
むむむとした顔して何か言いたそうにしているしょうちゃんは、今まで俺の服についているカメラから、依頼主との会話をきいていたわけで、
「気づいたか。依頼主について。」
「ああ、背が高くて、大人のおねーさんってかんじでしたっすね。」
お前をいじりたいわけではないんだけど。
「ちげーよ。会話に違和感があっただろ。とりあえずGPSつけたから追っかけるぞ。お前の許可がないと動けないんだから。」
「細田さんも公安に入ればいいのに。」
また面倒ごとになるなと、ためいきをつきながら車を発進させる。前回は酷い目にあったからなしょうちゃん。
「首に爆弾つけながら生活したくねーよ。」
それに公安で出来ないような仕事をしなきゃいけないからね。要するに秘密部署みたいなものですよ。探偵事務所を装っているが、高倉さんの部下扱い。まあ、公安の裏切り者をあぶり出すこともあるから、しょうちゃんとかには、変わった探偵事務所の人ってことで通している。
「感謝してんだぜ。大島が休日もでてくれるから、動くことができるんだ。高倉さんはこないからな。特に日曜日は。」
俺らも能力者だからな、監視はしないといかんのだろう。結構エグい能力してるもんな、我ながら。事務所もカメラでずーーと監視してるし。
「で、おっかけてどうするんですか。」
「洗脳もしくは催眠をかけているやつをとっ捕まえる。」
さっき依頼主のさくらさんとの会話中。彼女は、告白したい相手のことをなにも、答えなかった。どんな人、どこであった、何している人かなど。他にも友人関係のことや、今朝のはなしなども急に喋らなくなるなど、あきらかにおかしな挙動で話すことをやめていたのだ。ただし、自宅の場所と家族の話はしてくれた。詰めが甘いのか、もしくはその部分はばれてもいいとおもっているのだろう。
「いきなり、天気の話してきたのは笑ったすよ。」
特定の情報を言おうとすると言わないようにプログラムされているような感じで、あからさまであった。言いたいのに言わせてもらえないといった感じだ。彼女は、催眠のことを言えないから、告白の文言を考えろとか意味不明な依頼をして、催眠されていることを伝えたかったのかもしれない。
「GPSは、そこのビルでとまったすよ。」
ついたのは、古そうな建物の前、5階だてほどだろうか。彼女の言っていた自宅ではない。つまりは、催眠した奴のすみかだろう。
「じゃあいって来るか、ちゃんとカメラで見とけよ。」
「一人で大丈夫なんすか。」
ああ問題ない。お前もついてきてまた、痛い目みたくないだろ。完全に催眠するタイプではないだろうからな。偵察ということで、手の内の確認を目的としようか。捕まえれそうならそのまま。無理なら所長に相談しにいったん戻る感じでいく。
「サポートはできないっすからね。」
別にいらんよ。それに、俺はそんなにやわじゃないぜ。
GPSは3階でとまっている。建物の中には他の人もいる。派手な爆発は起こせないが、調節して使えば問題はない。ドアの前についたので、小指を切り落として保険をかける。さて、一体どんなやつがいるんだか。
超探偵シリーズ言霊編、その2
このぐらい文量でいいのかは、不明もっと多いほうがいいのかも。