self introduction
頑張って勉強して入った大学を1ヶ月で辞めた。
そこは、管理栄養士の大学で、4年生のおわりに国家資格の受験が待っていて、そのための準備をする大学だった。
もちろんそんなことは知ってたけど、知ってるだけだった。
入学して、何百人と管理栄養士になりたい人達が集まっていることを目の当たりにして、「こんなに管理栄養士になりたい人達がいるなら、みんながなればいいじゃん」と思ってしまった。それと、入学してすぐ、大学4年間を国家資格取得のために、また勉強しないといけないことを知って、一体自分はいつまで準備をし続けるんだ、と思ってしまった。
それで辞めた。辞めるのは紙一枚で一瞬だった。
辞める時、あと先は考えていなくてただ辞めた。もちろんする事がなかったから、朝起きる理由欲しさにたくさんアルバイトをした。忙しいと、なにも考えなくていいし安心するから。
そのフリーターの期間は、たった10ヶ月くらいだったけど今思えばこれまでで一番必死に生きていた。
まず、働きすぎてトイレで倒れ、救急車で運ばれた。倒れたのは昼のバイト中で、夜には別のバイトがあったから、気を取り直してそれは行った。
フリーターだから平日のお昼に決まって行くバイトや車校には、学生として生活していたらきっと出会わないような人達がいて、面白かったのを覚えている。
生活の場所はそのままなのに、生活の時間を変えるだけで全く違う所に見えた。
また、とある平日の昼間、本屋にいたら「なんでこんな時間に本屋にいるの?」と突然、横から話しかけられて、気づいたらドトールで、知らない女の人2人から聖書のお話しを聞いていた。
はたまた、Twitterによくいる“稼げます!”ツイートが気になって、コンタクトをとり、細い暗いビルに行ってお金のお話しをされたこともある。
その人は話の始めに、「よくある高い壺を買わせてお金をとろうなんてことはしないので、安心してくださいね。笑」といっていたんだけど、胡散臭い。
まぁもちろん、退学したての暗い人か、ギラギラの人が集まっていた。
その、よく分からない空間の中、100人以上いるLINEグループに招待された。年齢・性別・職業バラバラのTwitterアカウントを20コ作り、自作自演のツイートで、外部の人をお目当てのURLへ誘導するんだと教えてくれた。
また、それを円滑に行うための別のLINEグループもあって、メンターみたいな人が、10人くらいの最近入った若者にツイート内容を指導しチェックしていた。
もちろん、かなり馬鹿げている。
あとたしか、そのメンターとやらに、パルコの地下1Fのカフェで、紙に1〜100の数字を縦に並べ、夢を100コ書かされたこともある。1番からでなく、100番から夢を書くのがポイントらしい。
もちろんこんな変な事だけじゃなくて、今の好きなことに繋がるような、日本のいろんな美術館巡りや、蔦屋書店巡り、好きな島にも、この期間に会えた。
そして、この18歳のフリーター期間をまとめると、“自由ってこわすぎて無理”である。
そのあとは、フリーターに期限を設けるようにして料理学校に入り、フレンチ・イタリアン・スイーツ・ドリンク・パン、を色々習って卒業した。
卒業後は、もちろん飲食の道へ進もうと思ったけれど、在学中に行った会社説明会で、レストラン(?)のマネージャーらしき人に、「専門学生は好きなことだけやれればいいよね?」と言われ、かなりむかついた。
あなたのレストランで働いてるシェフは駒ですかなと。だから、絶対ボコボコにして同じレベルに立って潰せるように勉強してやると、思って、また大学を目指した。
誰も大学進学をしない専門学校で、私は小論文の練習を1人していたわけだけれど、友達はとても優しかった。
私が、実習室の近くで受験勉強のための新聞を読んでいると、友達は、淹れたてのカフェラテをたっくさん、新聞の周りに並べてくれた。もちろん、試験用のかわいいラテアート付き。
そして卒業式の日、あの時の感情は今でも覚えてる。あぁ、私にもやりきれる事があるんだ、私にも卒業できるんだ——、って。かなり、号泣していた。
そして、何度目かの大学入学。もう大学4年生で卒業だけど、とにかく大学生でいられることが楽しかったし幸せだった。
ここまで色んなことを選んだ中、絶対に辞めなかったものが2つある。
それは、踊ることと日記を書くこと。どんな場所にいようと、踊れる場所を探して、スタジオに通ったりサークルに入った。日記も、中1から現在まで書かなかった日は一度もない。
踊っている時がいちばん、生きてる!と感じる瞬間だし、日記を書くことを途絶えさせたら、自分の何かが崩れる、とさえ思う。
これからどうなるか分からないけど、この2つがあれば、いつでも自分に戻れると確信してる。
大学卒業後も、また社会の中のサバイバルが続くんだと思うと億劫でしかないけど、がんばってこのわずかな脳みそを動かしたいと思う。
続く。