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パチンカスへの軌跡-高校生編①-

前回までのパチンカスへの奇跡
ひょんな事から魔法使いに憧れてピアニストを目指した私。
最短で最速で真っ直ぐに一直線な道を選び地元を離れる選択をし新天地を目指すのだった。

パチンカスへの軌跡 第2話 驕りと悩み

目指すのは自由だが、受け入れてくれるかどうかはまた別だ。そう高校受験がある。

音楽を専門にする高校の中では最難関の1つと言っても言い過ぎではない高校。
ピアノ科と声楽科は特に狭き門。
スケールもアルペジオも一音でも外したら不合格。
受験の為に何年も前からその学校の先生に師事されている人も多い。
全国レベルでないと難しい。
などなど調べれば調べる程難しそうだ。
だが、根本的に悩んだ事が無い超ポジティブ人間だからか、自信満々だったかはわからないが「私が落ちたら誰が受かんねん。」と言っていた。本当にそう思っていた。

試験は拍子抜けするほど簡単だった。緊張もなにもなく終わった。合格発表までドキドキする事もない位落ちる気がしなかった。

無事に合格し新天地での生活がはじまる。
おばあちゃんが一緒に来てくれたが
なにもわからない土地
誰も知り合いがいない土地
新しい制服に新しい学校
不安な気持ちよりワクワクの方が大きかった。

入学して早々に先輩方の演奏を聴く圧巻だった。
これまでに何度も先生方の演奏やコンサートで素晴らしい音とは出会ってきた。
とても素晴らしい演奏を聴いても、プロはすごいな、大人になるまで頑張ればあんな風に弾けるのか!と憧れていた。
それに負けてない音楽を今、目の前で2歳しか変わらない人達がやっている。
プロだから、大人だから、今は私より上手くて当たり前といつの間にか思ってた。
凄く情けなくて悔しくてワクワクしたのを覚えている。
それだけではなかった、
授業の中でクラスメイトのピアノを聴く。
技術で負けている気はしない。ミスも圧倒的に私の方が少ない。表現力も。なのに何故だろうか?なにか負けている気がする。
同じ楽譜を弾いてるのになんでみんなこうも違うんだろ?
私にずっと教えてくれていた先生は、クラシックをすごく愛している先生だった。今でも尊敬している。
名曲は名曲のまま次の世代に残すのが今ピアノを弾いている人の使命と教えられていた。
私のピアノは正確だ。今コンクルールをしても勝てるだろう、だけどそれは採点でしかない。
もっと言えば音源でも事足りるのかも知れない。

カラオケで点数が高い人に下手な人はいないだろうが、ライブで現場を沸かせて黙らせれるかは別だ。
ピアノは演奏中は音を出さないマナーがあるから黙って聞いてくれているだけで聴かせられてはないんじゃないか?心に残るピアノなのか?
私が歩いている道はシンディに繋がる道なのか?
先生の言葉もよくわかる、とても素敵な事だとも思う。だけど私がしたいのはもしかしたら…
と初めて自分の音楽と向き合う事になる。

いつも安定して支持する人がいるジャグラーがいいのか、好き嫌いはあるが熱狂的なファンが付くスマスロがいいのか問題とよく似ている。
流行を作るのはいつも後者だ。
今ならすぐに答えが出せる私でも、その時はまだスロもパチも知らない。盛大に悩み悩んだ末に私の思想が出来上がる。


次回予告!!
悩みに悩んだ末に少女は何を思い何を表現するのか!!少女の出した答えは!!
次回!とりあえずこれもやっとく?
絶対見てくれよな!

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