知恵と技術 自分で自分の首をしめる人々
昔、もう20年以上前だけれど、
競技エアロフリークだった頃、練習をするためにティップネスのスタジオを借りて練習していた。
あの頃は、会員が、練習するので貸してくださいと言うと使わせてくれていたのだった。
今はどうか知らないが、多分無理なんだろうと思う。
自分がカラオケで熱唱する野口五郎の「私鉄沿線」にこんな歌詞が有る。
「伝言板に君のこと、僕は書いて帰ります」
これって、今どきの人だと知らないかもしれないが、昔は駅に「伝言板」というものが有った。
だいたいは黒板で、チョークで伝言を書くのだった。
「よし子さんへ、先に行っています、ひで」というように。
携帯電話など無かった時代なので、待ち合わせをしてなかなか来ない時などに、
そうやって伝言板にメッセージを残したのだった。
「〇〇という喫茶店に居ます、ひで」とか、もう少し具体的に書くことも有った。
これも今だったら個人情報がどうのこうのと言ってやらない事かもしれない。
「キャンセルカルチャー」という事が言われている。
他人を厳しく糾弾したり、何かを禁止したりする風潮。
日本でも「不寛容社会」などと言われたりする。
オレオレ詐欺を防止するために、銀行ATMで携帯電話を使えなくした事が有ったが、
本当は本末転倒というのか、禁止する所が違う、というのか、おかしな事だ。
海洋汚染を防止する為にレジ袋を有料化する、などというのも、かなりおかしな事だと思う。
禁止する所が違うのだ。
海にレジ袋を流さない様にするべきであって、
コンビニで袋を有料にするというのはかなり方向が明後日のほうを向いてしまっている。
海をきれいにする為に国民を困らせる、というのは知恵が足りないのだ。
海に流れ出す、そこのところをなんとかしないといけない話なのだ。
コロナが感染する原因で一番多いのは家庭や医療施設、介護施設などで、
飲食店はそれほど多くないのに、コロナ対策と言って飲食店をいじめる、
というのもかなりひどい話で、知恵が足りないと言うべきことだと思う。
女性差別の撤廃、女性の権利、などと言いながら女性を貶めていたり、
男性を差別していたりするのも、向かう方向がどっか明後日にいってしまっていると思う。
そして、「最近では女性に美しいですね」と言ってはいけないらしい、
などと、変な事に慣れてしまっている人が増えている。
そうなのだ、みんなが慣れてきてしまっているのだ。
昔、工場廃液などで公害がひどかった地域で、行われたことは、
工場などを規制するのではなく、工場を拡大させ、利益を出させ、その余裕で公害対策を徹底的にやったのだ。
そういう知恵を働かせて乗り越えるのが文明というものなのだ。
海を汚さない為にレジ袋を有料化する?
スプーンを有料化する?
そういう事に慣れてしまってはいけない。
規制する所が違うだろ、と、そもそもの部分を考えなければいけない。
何をやるにしても、人間を幸せにするのが目的なのであって、
何かをする為に人間を困らせたり、人間をいじけさせたり、暗くしたりしてしまうのは本末転倒なのだ。
こういう時こそ技術や知恵を出して乗り越えるのが人間の文明というものだ。
なんでもかんでも禁止したり、狭い価値観に囚われたりして自分たちを不幸にしてはいけない。
もっと知恵を出して乗り越えなければならない。
変なキャンセルカルチャーに慣れてしまって知恵を失ってはいけないのだ。