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2019 お気に入りアルバム10枚

2011年からずーっとみんなでお互いの年間ベストアルバム選んで公開する会を行っているので、今年も発表した内容をまとめようと思います。

今年の自分はトレンドを追いかけたりすることもほとんどなく、自分は先進性とか一旦無視してとにかく聞きやすい軽やかなアルバムを中心に繰り返し聴きました。

早速そんな10枚を紹介していきたいと思いまーす。


#10

Ady Suleiman "Thoughts And Moment Vol.1 Mixtape"

(PEMBA)


ソーシャル・エクスペリメントのSURFにも参加していたUKのネオソウルシンガーのミックステープです。アコースティックな音色と、音の数の少なさと、作りのラフさが今年の自分の気分にちょうどあってました。次の作品も楽しみですが、このラフさこそがちょうど良い気もします。


#9

Wilma Vritra "Burd"

(BAD TASTE)

The Jet Age of Tomorrowとしてマット・マーシャンとも活動していたピラミッド・ヴリトラと、ロンドンのウィルマ・アーチャーというミュージシャンのコラボアルバム。今作はストーンスロウ的な雑コラ感ある煙たいレトロなヒップホップって感じです。マッドヴィレンのあのアルバムの2019年版みたいな、、、っていうと伝わりやすいかもしれませぬ。ウィルマ・アーチャーはマルチな楽器奏者って何みても書いてあるけど、ドミノとかからリリースした音源聞くと結構ストイックなエレクトロで今作のイメージと全然違って驚きました。


#8

Lafawndah "Ancestor Boy"

(WARP)

高田みどりとのKENZOのキャンペーンで話題になった(らしい)、ラファウンダのデビュー作。イランとエジプトにルーツをもち、パリで育ち、NYを拠点にしているらしいです。要素が多すぎて、プロフィールとかから何か読み解こうとしても読み取れるような読み取れないような、、、多国籍のような無国籍のような、ダンスミュージックのようなポップスのような音楽です。

ここにあるダンスミュージックとワールドミュージックの程よい塩梅を言葉で説明しようとするとすごく難しいんですが、聞くと破壊的なのに素直にポップスとしてとても良いわかりやすいアルバムだと思います。



#7

GODTET "II"

(LA SAPE)

ここ数年、オーストラリアの音楽シーンが気になってしょうがないので、拠点がオーストラリアのアーティストの作品はとりあえず聞いてみることにしています。このGODTETもオーストラリアのミュージシャン、ゴドリゲスが中心になって作られたプロジェクトで、ジャズのような感触のインスト作品になっています。自分はアンビエントみたいな気持ちで繰り返し聞きました。時間や環境を問わずに無限に聴けます。ゆるくて綺麗で暖かいアルバム。


#6

Alchemist "Yacht Rock 2"

(ALC)

ブーンバップて言葉が生まれた瞬間から、伝統的なNYっぽいヒップホップが急にダサく見えて聴く気がしなくなったりしたもんですが、その中にももちろん作品の出来不出来があり、ブーンとバップなんて単音二つだけで表せるよりも色々な音楽があるわけで、、、アルケミストの今作なんかは、ブーンでバップな太いドラムは全然出てこないけど、ソウルフルでレイドバックした古典的ながらに最高のヒップホップでした。ラッパーも超豪華。曲も12曲で23分と、こういうアルバムにしては極端な短さで、ストリーミングの時代に対応してきた感もあります。タイトルこそヨット・ロックだけど、ここでいうロックはアダルト・オリエンテッド・ロックくらいのソフトさなので万人にオススメです。

これ、レコ屋の試聴機のところに並んだらすごい売れそうだけど、そんな時代でもないのかなー ないんだろうなー


#5

EARTHGANG "Mirrorland"

(Dreamville)

現代のアウトキャストなんて呼ばれたり、もしくは自称したり、「ただし、二人ともアンドレ3000」発言で炎上したりもしたアトランタの二人組。やんちゃなファッションもキャラも引きが強すぎてみてるだけでも楽しいですが、忙しいラップに対してトラックはちゃんと音楽的というか、さすがに現代のアウトキャスト名乗るだけはあるな、という工夫の多さと幅の広さ。忙しすぎる曲からメロウで重厚な曲まで、エゲツないほどのサイケデリックさと底知れない引き出しが頼もしくて、、、早くも次作が楽しみです。


#4

BEA1991 "Brand New Adult"

(self-released)

全身ニットで牛に跨がるジャケが意味不明すぎて買ってしまったアルバムでした。タイトルがブランニューアダルトだから、これたぶん赤ちゃんの服きてる生まれたての大人なんでしょうね。

オランダのシンガーソングライターということだけ知っていたのですが、後で調べると制作にベニー・シングスとかブラッド・オレンジが名を連ねていたり、文字列だけでも引っかかる情報も多いアルバムです。

ドリームポップとか括られそうな広がりのあるボーカルと優しい音色のアルバムだけど、クオリティが完全に宅録とかのそれではなく、めっちゃ金かけたポップスのそれ。アコースティックに歌声を際立たせたアルバムだけど、エレクトロな音色も多くて楽しい。もはやASMRとか楽しむ人に聞かせたい心地よい音!


#3

Men I Trust "Oncle Jazz"

(Return On Analog)

これ、今更俺が紹介する必要ない気がするし入れるかめっちゃ迷ったけど、聞いた回数を正直に白状して入れることにしました! 

bandcampだと無料でダウンロードできちゃうところもポイント高し。

元々人気バンドだし、音自体もよく聴くドリームポップではあるのですが、このアルバムはベスト版みたいに過去曲も大量に入れて24曲も収録した超大作なので、初めて聴く人も今作から是非。雑にもみえるようなジャケなのに、アルバムとしてめちゃめちゃ丁寧に作っているところがまた好印象でした。良い曲ばっかりです。


#2

Bon Iver "i.i"

(Jagjaguwar)

ボーン・イヴェールは前作が気が狂った破壊衝動の塊のようなアルバムでだいぶ衝撃的だったので、今更何きても驚きません。が、逆に何きても驚かない分、前作以上に音源に素直に接することができた気がします。

破壊的だけど、前提知識なくわかりやすく美しさを感じ取って観賞できる音楽というか。

初期作のようなフォークに根ざした美しい歌と、前作の破壊衝動がちょうど良い塩梅にまとまっているような作品で、自分にとってはこれまでで一番聴きやすかったです。


#1

Kaytranada"BUBBA"

(RCA)

これでいいのか!俺の一位!って何度も自問自答しましたが、めっちゃ考えて何度やってもこれだったので諦めました。今年の自分のテーマは軽やかさで、正直に白状するとこれくらい軽やかなのがどうしても再生回数伸びてしまいます。DJのようにシームレスに曲をつないでいく構成も良いし、シンプルで気持ちいいハウス的なトラックも、出てくるゲストも全員最高。こういうのはきっと批評的には評価しにくいアルバムだと思うのですが、個人が年間ベストを選ぶ意味はこういう正直さにあると信じてコイツを推します!! 雑誌の真似して選んでもなんの意味ないからな!






しかし、いざ10枚並べてみると、ちゃんと構成もアルバムらしい作品がずらっと並んで、2019年にもこんなにアルバムらしい作品が出てたんだなぁ、、、と感慨深くなりますね、、、


そのうち、アルバムって概念もなくなっちゃうのかなぁとか思ったりしてたんですが、いつまであるんでしょうね、アルバムっていう言葉。

アルバムって言葉が通じる限りはつづけて行こうかなぁ。