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2 周易繋辞伝(上)の注疏で漢文の白文を読む練習をしてみようのコーナー
ただここらへんはもう何百年も前からみんな読んでるので検索すりゃ句読点も読み方も意味もすぐ出てきます。今私がやってるのは「キャンプの焚火の火起こし、ライターと着火剤持ってるけど、火打石で着火するの、それ結構楽しい」です。
この部分を読むのにもちょっとした準備が必要で、それは、「易」という占いがあることや、その占いの結果にそれぞれ呼称と記号がついてる、とか、占い方とか、いろいろあるんですけど、ざっとでいですから読んでみてください(←ハイパーリンクの埋め込み方もカワイは覚えた)。なんか呼び名と記号がずらずら書いてあるでしょう。今回は「乾」と「坤」ってのはその代表みたいなもんだとざっくり理解しておけばいいです。朝日文庫で出てます。Amazonで易経検索すると、「経営に生かす!」とか「リーダーの条件!」とかのドナリ入れてる本がいっぱい引っかかってきますけど、ぜんぶゴミなので買わなくていいです。全部ゴミです。ブックオフの100円棚でみかけてもゴミです買わないのがいいです。ああいうのが自分の本棚にあると超かっちょ悪いです。
あと、解釈、訳の仕方はかなり幅広くあります。今回私がやりたいのは、「こういうふうに句読点つけられるなあ、そのまとまりの中で主語とか動詞にあたる漢字はどれであろうなあ、前の部分がこうだから、ここまでが目的語のようなもんだろうなあ、じゃあいっちょ読んでみるか的漢文法も自然に身につけばよいなあ」というあたりです。「読める!読めるぞ!」みたいなのやってみたいでしょう、人情として。
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〔経〕 天尊地卑乾坤定矣
〔注〕 乾坤其易之門戶先明天尊地卑以定乾坤之體
〔疏〕 天尊至定矣〇正義曰天以剛陽而尊地以柔陰而卑則乾坤之體安定矣乾健與天陽同坤順與地陰同故得乾坤定矣若天不剛陽地不柔陰是乾坤之體不得定也此經明天地之德也〇注先明至之體〇正義曰云先明天尊地卑以定乾坤之體者易含萬象天地最大若天尊地卑各得其所則乾坤之義得定矣若天之不尊降在滯溺地之不卑進在剛盛則乾坤之體何由定矣案乾坤是天地之用非天地之體今云乾坤之體者是所用之體乾以健為體坤以順為體故云乾坤之體
いつものようにわけていきます。
〔経〕天尊地卑 乾坤定矣
天尊(たか)く、地卑(ひく)く、乾坤定まる。
「尊(とうと)く」「卑(いや)しく」と読んでるのもありますけど、なるべく余計な意味排除したいので。
〔注〕乾坤 其易之門戶 先明天尊地卑 以定乾坤之體。
乾坤は其れ易の門戶なり。先ず天尊地卑(天の尊(たか)く、地の卑(ひく)きコト、と読んでもいいです。)を明らかにして以て乾坤の體を定む。
〔経〕の「乾坤」がこの「易」の入り口、天が上にあり地が下にあることを明示して、乾坤の実体をはっきりさせる。
先明天尊地卑(「明」は動詞で読むなあ)
以定乾坤之體(「定」も動詞だなあ)
〔疏〕天尊至定矣「天尊ヨリ定矣ニ至ルマデ」
正義曰
これ、この正義曰は〔疏〕を書いた人の見解、という目印。ここからが説明。
対になるようなものをみつけて並べ替えてみるとこんな感じ。そしてそれぞれを読んでいきます。とてもきれいに分かれて美しい!
天以剛陽而尊
地以柔陰而卑 則 乾坤之體安定矣
乾健與天陽同
坤順與地陰同 故 得乾坤定矣
若天不剛陽
地不柔陰 是 乾坤之體 不得定也
此經明天地之德也
注先明至之體
正義曰
云先明天尊地卑以定乾坤之體 者 易含萬象天地最大
若天尊地卑各得其所 則 乾坤之義得定矣
若天之不尊 降在滯溺
地之不卑 進在剛盛 則 乾坤之體何由定矣
案乾坤是天地之用
非天地之體
今云乾坤之體 者 是所用之體
乾以健為體
坤以順為體 故 云乾坤之體
(つづく)