二反程度の家庭菜園(一反は約1,000平方メートル)をはじめた時

 二反程度の家庭菜園(一反は約1,000平方メートル)をはじめた時、いや、家庭菜園とはもういえないかもしれない。(とてつもなく安かったんだよ。転売きくように下水管も全面まできてて市街化調整区域ではない、住居地域であることも確認の上買うた。安かったんだよ)ロータリー付き70馬力以上の大型トラクターが必要だった。人力で耕すととてつもない時間と労働力がかかる。不動産競売で買うた土地を最初に見にいって「これは人力では無理だわ」を確認した。

 当時の私の時給で換算すれば、そんな無駄な作業しないでスーパーで収穫したばかりの野菜を買うたほうがいいのであるけど、あろうことか、大型トラクターのカッコよさに惚れてしまって、除雪排土板用、ロータリー用、街中乗り回し用その他、数台買うてしもうた(一気にではない、徐々に増えていった。しかも、最新トラクターより、旧車系トラクターのかっこよさにほれてしもうた。ここ二十年、それらが市場に出ることはほとんどない。だいたい当時高騰した鉄の値段で買い取られつぶされていったので、実働車はもうほぼないだろう)。
 面白いので種苗屋でほぼ大体の野菜の品種を買うた。落花生生育地なんか種の袋に北海道地図が載ってなかった。まあいい、やってやるわいと思うたら見事な落花生が出来た。
 食いきれないほどのリーフレタスが出来た。ちんまり売られているルッコラなど小松菜一袋の分量を贅沢に使った。一番楽だったのはとうきびとジャガイモか。もう私の二度と食わんやつらだ。大根の葉はとても美味しかった。そばの20cmほど育った葉っぱと茎だけのやつも美味しかった。シソは手間がかかるものなのか育ちもしなかった。大豆や小豆も山ほど収穫できた。私だけでは消費できん。大豆になる前の枝豆をわしわし食うておった。あれももう私の食わんものだ。水菜ルッコラリーフレタス大根葉トウキビはつか大根はとても簡単だぞ。種をばらまいて足の裏で土をかけときゃ勝手に成長する。以前、買ったまま床下収納に入れて忘れていた根も芽も出ているメイクイーンを仕事前に埋めてきた。秋には大量の芋が収穫できた。全部無農薬だ。農薬を買う金がもったいない。というか使い方も知らん。

 着地点 そのトラクターを稼働させるのにとてつもない燃料費がかかった。だいたいディーゼル。軽油で動くが、燃料タンクに毎回いれながら「これスーパーで買うたほうが楽だなと思うた。トラクター中古販売のブローカー(転売屋)の真似事もした。イベントに毎回長距離でかけた。社台ファームのあの人らと仲良くなったのはそれがきっかけだった。天ぷらそば奢ってくれてありがとう。大型トラクターの転売も何度もやった。部品売りにまで手を出した。利ザヤがよかった。いい儲けをさせてもろうた。もう安いものはでまわらなくなった。こういうことをしてるとトラクターにまで詳しくなる。私がいろいろ詳しくなったのはそれぞれ、その転売物のおかげだ。ともあれ、燃料費がかさむと農家なんてやってられん、がわかった。

 街中で旧車トラクター(最速35㎞/hまで瞬時にでる)はおもしろかった、目立った。外人観光客と記念撮影を何度もした。旧車のトラクターなんて、エンジンにタイヤと変速機つけてるだけの単純構造なので、ちょいと知識がありゃ楽に直せる。ああ着地点。

 ガソリン軽油代金があがる、輸入がストップすると、その段階で日本の農業は絶滅する。あがるような政党にずっと投票してたのが先祖代々のそいつらだ。まあ絶滅してまるで構わん、自業自得だ。未だに自民党の看板を敷地に建ててやがるwww全滅すりゃいい。

 その家庭菜園農地は10年ほど前に売ってしもうた。

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