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「おしゃれ雪」

「(この、ターミネーターとの最後になるだろうその闘いが終わり勝利したら)一杯の冷たいビールが飲みたいな」と登場人物がいうのだけど、あの機械どもに押されに押されてるその世に醸造所もないだろうし麦をのん気に作ってる農家もないだろうしなあと思いながら映画冒頭を観ていた。
これは以前ツイートしたのだけど、東京で降る雪のことを私は蔑称として「おしゃれ雪」と呼んでいる。まるで本気の雪ではない。三十数年前のフジテレビのドラマで夜に相思相愛の男女が空を見上げてるときに降ってくるあれが「おしゃれ雪」だ。
近未来荒廃系廃墟系SFでは、燃料と食糧と水でもっと必死になってなきゃおかしいのにそこらへんの備蓄とかはまだ潤沢にあるようだ。武器弾薬も結構ある。あれだって結構作るの大変だぞ、火薬とか。あと、電気もある。発電所からの電線や途中の変電所の施設維持はどうやってんだろう。そういうのをSFの背景にだしてしまうと、ほぼそれだけになってしまうから仕方がないが、あそこで「水が貴重」「食料が貴重」というのは「おしゃれ雪」みたいな役目だなあと思った。登場人物にはもっと水と食料でガツガツしてほしい。敵を倒す銃弾ももっと貴重品扱いするといい。戦いが終わって勝利しても冷えたビールなんかあるわけない。

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