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RSGT 10年前に始めるときに書いていたこと

しばらく使っていなかったアプリを整理していたら、むかしの下書きが出てきたので、一部引用しようと思います。 RSGT2021はおかげさまで大きな事故もなく、楽しい場所になったと思います。10年前にどんなことを考えて、私たちは始めようとしていたのか、正式な趣意書ではないですが、私の当時の頭の中をちょっと思い出す感じで。

Scrum Gathering Tokyo コンセプト

かわぐち

[趣旨]
日本におけるスクラムの実践は、2010年からコンピュータ誌にも取り上げられるようになり、2011年は大手企業での実践例や社内全体への適用の話題が出てくるようになってきた。また、野中先生やジェフサザーランドが登壇したアジャイルジャパン2010、イノベーションスプリント2011など、経営層にアピールするイベントが盛況に終わったため、現場だけでなく、それをサポートする管理層や経営層にも徐々に認知度が広がりつつある。しかし、この状況は喜んでばかりもいられない。急速な知名度の浸透に、日本国内のスクラムコーチの数は追いつくことはできず、書籍の数も十分でないため、効果的なスクラム実践の普及を阻害する要因になりつつあると推測される。一方、海外に目を向ければ、世界的にアジャイル/スクラムの採用はクリティカルマスを越えて一般的になっている。欧米のみならず、台湾、中国、韓国での適用の動きは日本とは比べ物にならないくらい早い。日本組織における硬直性やコスト削減重視/計画性重視/安定志向/合議主義などの文化のベクトルが、その阻害要因になっていると推測される。これはスクラム適用のみならず、日本のソフトウェア産業にとって、大きな危機を迎えているのではないだろうか、と危惧する。そこで、日本におけるスクラムの知恵を集め、また、国際的なイベントである、Scrum Gathering を東京に誘致することで、国内的にも国際的にも価値あるイベントができるのではないか、と考える。


[目的]
1. 日本におけるスクラムの認知度向上、より正しい知識を持つ人を増やす
 スクラムという単語の認知度や、その文化・概要について知っている人を増やす。
 また、聞きかじりではなく、スクラムマスタ研修を含めた体系的実践的な知識を獲得している人、獲得しようと考える人を増やす。
 誤った情報をただすのは情報を絞ることではなく、より増やすことだと信じる。
2. 国際的に著名なスクラムコーチを日本に招聘することで、日本でのスクラム受け入れが始まっていること、それを行える素地が整っているイメージを海外にもアピールする
 海外のスクラム関係者のイメージは、おそらく日本ではビジネスにならないし、わかっている人がいない、と言うものであると考えられるので、徐々にイメージを変化させる。
 著名なスクラムコーチが活動することで、他のスクラムコーチもビジネスチャンスを探し始めるだろう。
3. スタッフがスクラムにより詳しくなる
 実行委員やスタッフが、多様なスクラムのコーチに触れることで、日本のスクラム実践者としての知識集積を進め、イベント後に日本国内でのスクラムの普及に役立てていただく。
4. 東京の安全性をアピールする
 東日本大震災によって、東京も国際カンファレンス数の減少、観光客の減少という影響を受けている。著名なスクラム関係者が普通に来日することで、東京の安全性をアピールする。
5. アジア文化圏におけるスクラムについて考える
 日本近隣の国のスクラム関係者にも積極的に来日を呼びかけ、アジア域内特有の文化におけるスクラムの知識を深める。アジア圏で長年活動されている Bas Vodde さんを始めとするOdd-e社の方にもアジア文化と Scrum についての知見、難しさなどを共有していただけるとうれしい

[場所]
Day0: 10/18 18:30- 前夜祭 (日本橋野村カンファレンス)
(一部削除)
Day1: 10/19 10:00-18:00 日本橋野村カンファレンス
(一部削除)
Day2: 10/22(土) 早稲田大学 (一部削除)と共同開催も検討する
(一部削除)

[想定参加者]
 1. 組織にスクラムを導入している/導入を検討している企業/団体の経営者、管理者、現場リーダーの方。より効果的に活用したいと考えている方、他社の事例を聞いて判断材料を増やしたい方。 => Day1 への参加を推奨。
 2. 組織にスクラムを導入している現場リーダーや管理者、ソフトウェア開発者の方。悩みを共有し、実践的な改善手法を考えたい方 => Day2 への参加を推奨。
 3. これからソフトウェア産業への就職を考えている学生で、チームビルディングや最新動向を学びたい方 => Day1/2 学生枠を検討。
 4. 社会現象としてのアジャイル/スクラムに興味があり、動向を知りたい方。 => Day1への参加を推奨。プレス枠を準備。

[入場料]
 Day0: 有償 ¥7,000
 Day1: 有償 ¥20,000 + 同時通訳レシーバーは50セット限定 ¥3,000
 Day2: 無償
 ※同時通訳レシーバー機材は認定スクラムマスタ研修と共通運用し、機材の安定性を確保し、準備の手間を省く。
 ※CSM/CSPO受講者は、スポンサー費の対価として Day0/1 参加費免除を検討する

[費用]
 講師謝礼
 会場費
 備品費
 講師送迎
 通訳
 通訳機材
 前夜祭飲食
 Day1飲食

[マイルストーン]
 4月 ファンディングの確定、チケット決済方法確定、会場確定
 5月 スポンサー募集開始、メディアスポンサー募集
 6月 セッション募集開始
 7月 参加申込受付開始
 8月 セッション募集終了、紹介記事配信
 9月 プログラム確定、配布物確定
 10月 催行、レポート記事配信

[資金決済関連]
既存企業に「事務局」機能を委託し、口座などの運営をお願いする。
優先順位としては、(一部削除) の順で受けていただけるところにお願いする。
他に手伝っていただけそうな企業があれば、そちらにお願いする。
事務局方面に実行委員の時間をなるべく使わないことを重要視する。
一方で、資金決済のトランザクションは基本的に全てDropboxで公開していただく。
具体的には、領収書、請求書、口座決済の履歴、および税務処理。

[チケット決済]
(一部削除)

[スポンサー誘致]
スポンサーセッションは積極的には行わないが、日本国内でメジャーなITベンダーが参加しないこと、セッションをもたないことは、日本企業内でスクラムに取り組んでいる人々が業務としてカンファレンスに参加する敷居を挙げてしまう可能性がある。(一部削除)など、名前もありアジャイルに積極的な企業で、しかも内容について実行委員と個別調整可能な企業については、スポンサーセッションという機会を利用して、各社内での事例をフィードバックしていただくことも検討する。
基調講演については、認定スクラムマスタ研修と調整することで、講師費用を研修側でもっていただき、リスクを低減する。
レポート記事や、告知記事を掲載していただくメディアスポンサー、公認レポーターを誘致する

[スポンサー枠]
プラチナスポンサー: 50万円 (企業ロゴの掲示 大、配布物とアンケート、企業ブース、招待参加者10名)
ゴールドスポンサー: 25万円 (企業ロゴの掲示 中、配布物とアンケート、企業ブース、招待参加者4名)
ランチスポンサー: 25万円 (企業ロゴの掲示 中、配布物とアンケート、ランチ中の告知、招待参加者4名)
シルバースポンサー: 10万円 (企業ロゴの掲示 小、配布物とアンケート、招待参加者2名)
ドリンクスポンサー: 10万円 (ドリンクブースでの企業ロゴの掲示、招待参加者2名)
※スポンサー・ライトニングトークス 5分枠を全社に提供を検討

[当日運営]
コミュニティよりスタッフを募集する。当日運営については別途、当日運営担当のプロダクトオーナーを立て、細目を検討していただく。必要な具材手配、チケット確認処理など膨大な処理があるはず。

[レポート]
スピーカーの同意を得られるものは、後日Youtube等で講演ビデオを公開する。
資料についても、スピーカーの同意を得られるものは、slideshare 等で公開する。
公認レポーターを募集し、各メディアスポンサーへの記事を投稿していただく。

ふりかえって

10年前には実現しなかったけれど、そのあと順に実現したアイデアも多くて、びっくりしました。Day2はXP祭りのような間口の広いことをしたかったんですけど、最終的には、Day1のような実践者にフォーカスした会に、なっていった感じがします。

逆に、このあと大きく変えたところは「事務局方面に実行委員の時間をなるべく使わないことを重要視する」の実装部分ですね。なるべく使いたくないんだけど、自前でできるところはやってしまったほうが時間が節約できる部分があるというのが結構わかりました。外注を受けていただけるのは大変ありがたいんですけど、ブリッジになる人の工数を大きく持っていくので、事務局の負担軽減の意味ではあまりROIが高くない (めんどくさいことを整理せずに外注しても、相手だってめんどくさいという基本を忘れてはいけない) ということをソフトウェア開発以外の文脈でも学ばせていただきました。

そのあといくつか行った変化は、キャッシュフローを会期中にみるようになったことと、プロポーザルのオープン化、OSTを始めたことでしょうか。

- 有償カンファレンスのキャッシュフローhttps://kawaguti.hateblo.jp/entry/2018/12/27/164751

- プロポーザルをオープン型に
https://kawaguti.hateblo.jp/entry/2018/12/03/002216

- オープンスペーステクノロジー
https://kawaguti.hateblo.jp/entry/2017/12/28/183331


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