難しいことだ

難しことばかりだ。

人類にSNSは早すぎた。
人類はまだSNSを使いこなせるほど成熟していないなと思う。当たり前のように誰かに怒りを向けて、正義を娯楽化する。快楽だよなあ、悪を裁くというのは。指先一つで、安全な部屋から、何の負荷も負わずに。

誰かを迷わず悪と決めつけられる人は愚かだ。愚かでハッピーだろうなきっと。

人を直接殴るのには、リスクも、傷つく相手がリアルにいることも感じられるけど、ピストルになるとそれが軽くなる。ミサイルはさらに軽くなる。SNSでは何もわからなくなる。

保育園の子どもにピストル持たせてるようなもの。その瞬間の気分だけで簡単に引き金を引く。しかもそれが正しいことだと思い込んで。引き金を引いたその後のことには、なんの想像も巡らせずに。

SNSというやつは、自意識を肥大化させ、自分を見失わせる。人ってこんなに幼稚だったんなと思い知る。使いこなせるレベルを超えたシステムだと思う。多分、麻薬やアルコールが人類文明に現れた時と同じ。のちに、SNSがなんの制限もなく世の中にあったことが、ありえないよねと振り返る時代もそう遠くないんじゃなかろうか。

うっかり、自分たちの使いこなせるレベルよりはるか上の魔物を召喚してしまったような感じなのではないのだろうか。制御することはもはや叶わず、呼び出したはずの自分達が踏み潰されている。そんな感じだ。

些細な日々のつぶやきと人を殺す言葉が混在している異常な空間。混沌。

最近そんなことをうろうろと考えてしまう。決して愉快なことでは無いのでなんとなく気分も曇る。からりと晴れたコメディを書きたいものだ。あるいはこの、気持ちの棘も材料にするべきなのか。

すっきりしない気分だなあと、ずーっと思っている。


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