眠れない人々が街を泳ぐけれど、溺れているようだ

良い歌詞だなあとしみじみ、深夜にパソコンの前、本書きの隙間に思う。

とはいえ、色々と自粛せねばならぬこのご時世、コンビニへと少し外に出ると目の前に広がる無人の道、世界から人が消えたような、不思議な気持ちになる。だけどどこか、さまよいたくともさまよえぬ人々の気配だけが、うっすらゴーストのように街をうろついているようにも思う。



スピッツの「憧れるだけで、憧れになれなかった」という歌詞がずっと好きだ。多分今の生活は、演劇の入り口をくぐった20歳頃の自分からすれば憧れていた生活のようにも思うし、とても良い。
だけど、人の欲にキリはなく、昔憧れていた場所にたどり着くとそこから先には、もっともっと広くてビカビカしていたり、濃く緑色で穏やかだったり、色とりどり芳醇な景色が広がっている。
結局ずっと、憧れるだけで憧れになれなかった、の中にいるように思う。

もどかしいけど、そう思えることはとても大切で幸せなこととも思う。そして、どうせいつまでたっても満足などできないんだろうな、じわりと気づき始めている。

眠れない人々、なんて書くとうっすらかっこいい気がするけど、俺は普通に寝たい。答えのない人生の悩みでなく、具体的な〆切のために起きている。普通にぐっすり寝て、普通に爽やかに目覚めたい。だけど、もうちょい粘って、せめて1ページ、文字を埋めて寝る。埋めれないかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?