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自治体のデジタル変革についてお話をする前に

こんにちは。
自治体のデジタル変革についてお話をする前に、
マクラというか、少し関係ない話から始めてみましょう。

こういうのは生々しい話になりがちなので、
何かの寓話と言うか、架空の設定での話として扱うのが良いかと思い、
みなさんの組織をプロサッカーチームに置き換えてみましょう。

さあ、想像してみてください。

チームの中にはこのような役割の者がいる。

 GM
 監督
 コーチ
 選手

「人材が足りない」といいつつ、上記のどの役割が不足しているのか、
そもそも人材不足なのかも理解できていない。

ゲームのルールをうろ覚えのままの奴がいる。
ゲームの勝ち方(戦術)を知らない奴もいる。
そもそも何の競技をしているのか、誰もわかっていない。

GMはチーム編成ばっかりやっている。
補強するだけでチームが強くなると思っている。
練習(トレーニング)をしないで試合に出そうとする。

GMあるいは監督が「自分はサッカー詳しくないから」と開き直っている。選手は我流でやっているプレースタイルを見直そうとしない。

試合中、よく見るとサボっている奴がいる。
自分の判断でルールを解釈して試合に出ていない。
グラウンドには居るが、試合と関係ない場所をただ走っている。
ただ走って汗をかいて勝手に充実している。

試合中、なぜかグラウンド整備を始める選手がいる。
「ピッチが荒れているとみんなが困ると思うので」

誰も観ていないし、優勝争いに関係ない試合だからといって、
ウソの試合結果を報告してくる。
「記録の体裁が揃っていればいいんですよね?」

動いているボールに群がるが、誰もシュートを打とうとしない。
早く試合時間が過ぎればいいと思っている。

パスを回そうとしても、相手の力量がわからないので、
怖くてそいつにパスを出せない。
その結果一人でドリブルしている。
一人でドリブルしているのを不公平だと思っているか、
一人でドリブルすること自体が目的化しているか、
一人でドリブルすることに使命感や達成感を抱いている。

バスケの外国人選手をチームに入れて、
そのままサッカーの試合をさせようとしている。
「だって、ボールをゴールに入れるのは同じだから」

たまにサッカー漫画の漫画家を、
単に「サッカーに詳しそうだから」という理由で選手にする。

よそのチームのやっていることを参考にしたい、と言って、
とりあえずユニフォームの色を同じにしようとしている。

よそのチームのやっていることを参考にしたい、と言って、
サッカーチームなのにフットサルの戦術をまねしようとしている。

トレーニングのやり方を教えようとすると嫌がる。
あるいはやってるフリだけする。

巡回コーチや特別招聘コーチに
「今期はどんどんコーチしていただきます」と言いつつも、
相談に来るのはごく限られた人だけ。

他の人もたまに相談に来るが、
コーチからの助言が自分にとって都合の悪い事だとわかったら、
その相談は最初から無かったことになる。

財政状況が豊かなチームの場合、
自分たちに何が必要なのかを理解しないまま、
高額な設備を買わされている。
必要性がわからないのでその設備は活用されずにいる。
あるいは明らかに機能不足の設備を我慢しながら使っている。

財政状況が貧弱なチームも、
自分たちに何が必要なのかを理解しないまま、
必要な投資がなされずにいる。
マネジメント側で投資対効果を評価できる能力がなく、
根拠もなく予算を操作するので、
財務諸表上(なぜか)費用計上されない人力でカバーしている。

外部資金を獲得したら、
財政状況が貧弱なチームは浮足立ってしまうのか、
せっかくの外部資金を使わないと損だと思っているのか、
分不相応の設備を導入しがち。
そして必要性がわからないのでその設備は活用されずにいる。

ちなみに翌年度以降の保守費、修繕費は自前なので、
本当にダメなチームは設備の故障が放置されたままだ。
なぜならば、故障が放置されているのは、そもそも活用できていないから。

親会社はサッカーに理解があり、サッカーに詳しいと思っているが、
彼らの知識はどこかのガイドブックか、
ブログに書かれれいるような記事を鵜呑みにしたもの。
少なくともクラブチームの運営の実態は知らない。
たまにクラブチームの状況を知っている人物がいても、
多くはJ1のチームのことであり、
下部リーグや地域リーグのことは知らない。

親会社の偏った知識と経験により振り回される
下部リーグや地域リーグのチームは、確かにかわいそうなのだが、
一方で本当にチーム運営がポンコツで、
たまに大きなトラブルを起こしたりもするので、
事情のわかっていない親会社から横槍を入れられるスキを
自ら作っているのも事実。

本当に迷惑なのは、きちんと運営できているチームまで
ポンコツ扱いされること。
せっかく自らの考えで成果を生み出そうとしているのに、
ポンコツを管理する枠に一緒に押し込まれて、自由を奪われている。

本当のプロスポーツチームならば、結果が出なければ契約を切られるし、
チームも存続できない。
それが各チームの自助努力を促している。

でもね。
みなさんは契約も切られない、
チームも存続することがほぼ保証されている。
わたしたちはこの事実にどのように向き合えばいいでしょうか?

…さて、本題に入りましょう。

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