自分のこころが曲がっているのでどうしても地球が平らと思えない/地球平面説・フラットアース・フラットアーサー【きまぐれエッセイ】
アメリカの18歳から24歳の青年のうち、地球が球体であることを確信しているのはわずか66%という驚きの結果が出た。
残りの34%は、地球の形について懐疑的であったり、むしろ地球が氷の壁に囲まれた平面だと信じているのだ。
この現象は、地球平面説の支持者がここ数年で急増していることを示している。特にSNSの発展がこの動きを加速させている。彼らは熱心に情報を共有し、同じ意見を持つ仲間を探し求めている。
科学系サイト「Live Science」によると、地球平面説を信じる人々の多くは高校生や大学生だという。
年齢が上がるにつれ、地球が球体であると確信する人の割合も増えていく。25歳から34歳では76%、35歳から44歳では82%、45歳から54歳では85%、そして最も進歩的な55歳以上では94%が地球が球体であると答えている。
さらに興味深いことに、地球平面説の支持者の大部分は宗教的な人々であることが明らかになった。一方で、居住地や性別、政治的見解はこの信念にはほとんど影響を与えない。しかし、年収が4万ドル(約429万円)を下回ると、地球平面説を支持する傾向が強まるという。
これらの結果は、教育と経済状況が科学的な理解にどのように影響を与えるかを示している。そして、現代の情報社会において、誰もが容易に自分の信念を確認し、同じ考えを持つ仲間を見つけることができる時代に、私たちはどのようにして正しい情報を見分け、共有していくべきかを考えさせられる。
「地球平面説」を信じる人が急増している その要因は......
平らな地球をイメージしてみた
地球平面説を唱えるフラットアース・フラットアーサーたちに刺激されて、地球が平面だとイメージしてみた。だが、あたしのこころが曲がっているので、どうしても地球は平らと思えなかった。
地球が平らだと仮定すると、物理的な常識が全部ひっくり返る。例えば、海の水はどこへ行くのか?滝のように地の果てから流れ落ちてしまうのか。それとも、地球の端には巨大な氷の壁があって、その向こうはもう無の世界なのか。こうした疑問を次々と投げかけてみても、フラットアーサーたちは答えを持っている。まるで魔法のような言葉で、科学的な証拠や観測を否定し、自分たちの信念を守り通す。その強烈な信念には素直に尊敬の念を抱かざるを得ない。
結局のところ、「もし地球が平らだったら?」という思考実験は、あたしにとって貴重な体験だった。実際にはありえない前提のもとで考えることで、現実の地球がいかに複雑で美しいか、そして科学的な理解がどれほど大切かを再認識する機会となったのだ。
この仮定のおかげで、あたしの中で曲がりくねった道や高いビル、壮大な自然の風景が新たな意味を持つようになった。地球が丸いからこそ味わえる驚きと喜びを、一層深く感じることができたのだ。そして、どんなに違った考えや信念があっても、共有できる事実や美しさが存在することに気付かされた。
地球平面説を唱える人々の視点を理解しようとすることで、自分自身の信念や価値観を再確認し、他者の視点に対する寛容さも学んだ。平らな地球の幻想が、現実の地球の素晴らしさをより強く実感させてくれたことに感謝しつつ、あたしはこれからも曲がりくねった人生の道を楽しんで歩いていこうと思う。