ダイエツト食品売りしデブ社長愛用するは他社商品【きまぐれエッセイ】
タオ先生の書いた本を読み、講演会などですばらしいお話をきいてタオイズムはいいなあ、あるがままはいいなあと思うものの、はて現実に戻ってみれば、弱肉強食のこの憂世で生きていくには、これ霞を喰ってはままならぬから、道(タオ)を実践したからとてカネにもならないタオの道を歩いていくよりも、てっとりばやく生活の友、目の前のカネをつかむにはお世辞の一つや二つをならべたて、嘘百万ドルの商品説明をしたほうがいいってこった、タオ先生の話はたしかにいい話なんだが、生存競争の戦いに勝たないことにはオマンマの喰い上げになっちまうから、あるがまま、なんてことをいえるのはカネに余裕ができてからのハナシで、今はそんな悠長なことは言ってられない、だから今日も過大広告のチラシまきに精を出す……
道(タオ)のすばらしさはアタマではわかっちゃいるが、大衆の多くは現実に負け、花さえも咲かぬ枯れすすき、小ざかしい道を行ってしまうものなのだ。
だからこんな短歌が詠まれてしまうのだ。
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道(タオ)から外れた者は、高級官僚であろうがタコ社長であろうが身分に関係なく盗人と何ら変りはない。
さあ、そんなあなたに贈ります。
さくらと一郎、昭和枯れすすき。
聴いてください……
我れをして介然として知有らしめば、大道を行いて、唯だ施なるを是れ畏れん。
大道は甚だ夷かなるに、民は径を好む。
朝は甚だ除れ、田は甚だ蕪れ、倉は甚だ虚しきに、文綵を服し、利劔を帯び、飲食に厭き、財貨余り有り。
是を盗夸と謂う。道に非ざる哉。
[老子:第五十三章益證]
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