【報告】キタミソウ観察会(11月6日、自然環境部会)
開催概要
日時:11月6日(日)9:00-12:00、講師:福原時夫氏、稗島英憲氏((公財)埼玉県生態系保護協会会員)、場所:伊佐沼
伊佐沼のキタミソウ
キタミソウが伊佐沼で初めて”発見”(確認)されたのは2018年11月11日でした。それまで何百年かそれ以上ずっとここにいたのに、人間が気づかなかったのですね。地味な植物で普通は目もくれない類です。発見に至る経緯は月刊かわごえ環境ネット2021年11月号(No.181)のコラム「川越の自然を訪ねて」に詳しいのでご覧ください。キタミソウは「埼玉県希少野生動植物の種の保護に関する条例」の22種の動植物のうちの一つで、他の絶滅危惧種とは違い、強い保護が求められています。
観察会の様子
今回の観察会は昨年同様、埼玉県生態系保護協会川越・坂戸・鶴ヶ島支部との共催です。当日は晴れ、気温17℃で快適な観察日和。参加者が多数となり、2グループに分かれての行動です。
まずは九十川への排水口付近の群生地へ。地面に“かぶりつき”でないと見えません。へら状の小さな葉を確認し、ルーペでさらにその中にあるまことに小さな数ミリの花が見えたとき、参加者から「えーっ、ホントだ、花の形してる!」と歓声が上がりました。ひとしきりキタミソウを見て、伊佐沼を回りながら野鳥や植物にも注目。セイタカシギ、ダイサギ、ヨシ、セイバンモロコシ等々。北側のハスを植えるための中洲に入りますが、現在はハスではなく一面のキタミソウです。
次は北側の階段や木道のあるところの湿地帯。ここではさまざまな段階のキタミソウが観察できました。青々とした葉がしげりこれから開花するもの、すでに開花が終わり種子を付けているもの、茶色くなり枯れかけたものなど。これらのステージの違いは湿り具合に依存しているようで、少し乾いてくると足早に結実するようです。開花時期も伊佐沼では10月、3月ごろとサイクルが2回繰り返されます。
最後は2つのグループが合流し、まとめや疑問点など情報を共有しました。小学生の男の子が「こんなところにキタミソウあるのは知らなかった。」という感想を言ってくれました。
(賀登環)