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【報告】雨と緑を楽しむグリーンインフラ講座(11月23日)


開催概要

日時:11月23日(土)9:20-12:00
場所:ウェスタ川越(川越市新宿町1-17-17)3階研修室2,3

第1部 「雨活って?川越市の雨水は?」 ー座学編ー

①小さな雨活のすすめ〜東京都墨田区の事例紹介 

講師:NPO法人雨水市民の会 理事・笹川みちるさん

講演概要:まずはクイズ形式で川越の水事情を理解していきながら、墨田区の特性による雨活の話へと移っていきました。緑が少なく90%がコンクリートやアスファルトで覆われており、雨水と汚水を一緒に流す「合流式下水道」がほとんどであることと、荒川と隅田川に挟まれている立地条件から、都内でも屈指の水害危険地域ということで、雨水貯留の取り組みを着々と進め、大雨の際には事前に全ての貯留タンクを空にしておくことで下水への急激な雨量増加を減らし、内水氾濫被害を少しでも少なくしていくという説明には大きな気づきがありました。

<参考資料>雨水市民の会:やってみよう雨水活用

笹川みちるさんの講演

②雨水と下水道の関係・宅地内雨水対策施設設置補助金について

講師:川越市上下水道局 小林武さん

講演概要:2024年8月のゲリラ豪雨で川越では1時間あたり90mmの降水量を観測しました。1976年からの統計でも短時間強雨の発生頻度は1.4倍と雨の降りかたが変化しているとのこと。雨水の一時的な流出を抑制するため、そしてその有効活用を図るため、浸透ますと小型貯留槽設置への助成金制度の説明があり、川越市民でも取り組めることがあることを理解し、この助成金を利用することで雨活を始めるきっかけとなることを願いながら聞いていました。

<参考資料>川越市:雨水対策施設設置補助金

小林武さんの講演

第2部 「グリーンインフラはじめの一歩」 ー実践編ー

①実践の事例紹介:小さな雨庭 雨樋から取った水は?

 川越市内在住のかわごえ環境ネット会員石山民子さんに、すでに実施・実践していることを例として話してもらいました。雨どいを切って雨水取り出し口を取り付けたり、ネット通販で購入した雨どい用の雨水取水器にホースをつなげて庭の土に雨水を逃す工夫をしたりと、そう大きくはないという庭を利用した雨水利用例を、画像を使ってわかりやすく説明してくれ、特に専門的知識がない一般市民でもできる取り組みとして多くの方に参考にしてもらいたい内容でした。

②お試し:雨どいを切って『レインキャッチ』を取り付けてみる

 画像で実践例を見せてもらった後は、実際に雨水を土に逃す方法として、糸ノコで雨どいに切れ目を入れてはめ込むだけの「レインキャッチ」を有志の方に試してもらいました。これならできるな、という感想を持ちました。

<参考資料>雨水市民の会:当会の出版物・雨水活動グッズ


参加者から注目のまなざし
糸ノコで雨どいを切る

③意見交換:雨活の思い出&疑問とアドバイス

 意外と誰でも簡単に雨どいに設置できることを確認した後は、思い思いに意見を述べる時間を設け、川越市南大塚の栗原造園が手がけた市内の庭の事例や、新宿町五丁目自治会での取り組みも紹介しながら、実際に雨水を土に戻すイメージを持てるような話し合いとなっていきました。

まとめ

 会場には「レインキャッチ」だけでなく、他にも雨水取り出し口である「パッコン」も展示され、工夫次第で自分たちでも雨を庭土に浸透させることができることがわかってきました。
 2024 年8月のゲリラ豪雨により川越でも多くの地域で内水氾濫が発生しました。これからは行政に任せるだけでなく市民も一緒に取り組んでいく必要があるという思いに至り、今後も引き続きこの問題に取り組むべきであると実感した講座でした。
 実践方法など、詳しい内容を知りたい方は、ぜひかわごえ環境ネットへお問い合わせください。

(髙澤日美子)

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