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【ナチュラルワイン紀行】第5回コート・デュ・ローヌ編①ワインで旅するローヌ地方

「ナチュラルワイン紀行」というセミナー形式の試飲会を毎月行っています。このセミナーは、生産者たちのエピソードや現地での体験談を交えながら、フランス各地のナチュラルワインを皆さまと共に楽しむためのセミナーとなっています。年間を通して、フランスの各地域を旅するように、その土地ならではのナチュラルワインの魅力を深く味わい、楽しんでいただけくことを目的に企画しております。一昨日1/18(土)は第5回ナチュラルワイン紀行〜コート・デュ・ローヌ編①〜でした。

9月から始まったこのセミナーは、ロワール①(9月)→ロワール②(10月)→ブルゴーニュ/ボージョレ(11月)→シャンパーニュ(12月)と旅をして、コート・デュ・ローヌ(1月)に辿り着きました。一見ランダムに進んでいるようですが、その季節に合ったワインをご紹介しています。残暑が厳しく、まだ暑い日もある9月10月は、スッキリ系のワインを産出するロワールのワインを、11月はボージョレ・ヌーヴォーに合わせてブルゴーニュ/ボージョレのワインを、12月はちょっと贅沢にシャンパーニュ&スパークリングワインをお楽しみいただきました。寒さも厳しくなる今月はコート・デュ・ローヌのワインを。南仏の力強い赤ワインはこの季節にもぴったりだと思います。

まずはローヌ地方の地理的環境について、地図を用いながら南北それぞれの特徴を解説しました。ワインの特徴やブドウ品種についての理解を深めるためには、地理的条件の確認が大切になります。毎回毎回、北の産地なのか南の産地なのか、気候はどうなのかの確認をまず最初に行います。

北ローヌは大陸性気候の影響を受け、急斜面の畑で育つシラーが主役となり、エレガントで力強い赤ワインが生まれる地域。一方、南ローヌは地中海性気候のもとでグルナッシュ主体のブレンドが多く、果実味豊かで温かみのある味わいが特徴です。両地域とも生産量の80〜90%が赤ワインを産出する地域です。

次に歴史に触れ、ローマ時代から続くワイン生産の背景や、教皇庁がシャトーヌフ・デュ・パプを発展させたエピソードを紹介しました。さらにシャトーヌフ・デュ・パプやタヴェルといった代表的なAOCについて詳しく解説しました。ナチュラルワインではあまり見かけることはありませんが、シャトーヌフ・デュ・パプの名前の由来やその特徴を知っておくのは見識を深める上では大切なことだと思っています。またタヴェルについて、ラングロールなどを中心にナチュラルワインについてもお話ししました。

ブドウ品種については、シラーやグルナッシュを中心に、ヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌなどの個性豊かな品種を取り上げ、それぞれがワインに与える味わいの違いを説明。また、「ル・カノン」や「ダール・エ・リボ」といった北ローヌを代表するナチュラルワインの生産者についてご紹介しました。特に「ル・カノン」については大岡さんのフランス時代の活動や、帰国してからの現在の取り組みなどをご紹介しました

南ローヌのアルデッシュ地方で注目される「レ・ドゥー・テール」や「オジル」の取り組みについても紹介しました。またアルデッシュが栗の一大産地であることもお伝えし、ワインだけではない歴史文化などもご紹介しました。

後半はお楽しみのティスティングタイムです。赤白ロゼ各1種類、合計3種類のローヌのワインをテイスティングしました。ティスティング量というよりは、きちんとグラス1杯飲んでいただいています。時間をかけてゆっくり味わうと味わいが変わる様子も実践してもらっています。

オジル / ラ・ロシェット[2022]
ガエル・プティ / ポステリテ [2020]
レ・ドゥー・テール / ジグ・ザグ [2023]

白のオジルは抑制のある芳香とコクのある果実味を兼ね備えた南仏らしい白ワインです。ガエル・プティはリリース後も当店で2年ほど寝かせていたタヴェル(ロゼ)。タヴェルらしい厚みのある果実味と飲みやすさ、味わいには複雑味があり、参加者に最も気に入っていただいた1本です。レ・ドゥー・テールは大好きな生産者の一人。幸い昨年に訪問していましたので、ワイナリーや畑の写真を見ながら解説させていただきました。

次回は2/15(土)予定、第6回ナチュラルワイン紀行〜コート・デュ・ローヌ編②〜として、オーヴェルニュ地方のワインをご紹介したいと思います。セミナーはその都度お申し込みが可能です。ご興味のある方はぜひご参加ください!


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